吉日とは「縁起のよい日」の総称です。手紙の結びに挨拶として書かれることもあります。
本記事では「縁起のよい日」としての吉日の種類や意味、どんな行事やイベントにおすすめなのかを紹介。
カレンダーの吉日・凶日の総称である「六曜」や、手紙の挨拶としての「吉日の使い方」も解説します。
- 日本で有名な7つの吉日とは?
- カレンダーに書かれた六曜の種類と意味
- それぞれの吉日に適した行事、適さない行事
吉日とは?
吉日とは、大安や天赦日、一粒万倍日などの「縁起がよい日」の総称です。
「縁起がよい日」を指す場合、吉日は祝い事や新しいことを始めるのによい日とされます。特に、人生の一大イベントである結婚式では、吉日を意識する人も多いでしょう。
また、手紙を書くときに結びに「〇月吉日」と書くこともあります。手紙への書き方については後ほど詳しく説明します。
吉日の種類と意味
吉日にはいくつか種類があり、それぞれ意味が異なり、適している行事・イベントも吉日ごとに違います。
まずは、多くのカレンダーに暦注として記載されている六曜以外の有名な吉日を7つ紹介します。次から紹介する吉日は、どの日も縁起がよく、行事をしたり新しいことを始めたりするのには最適です。
しかし、それぞれの吉日は意味が異なり、どんな行事・イベントにより適しているのかも違います。したいことにより合った吉日を選べるよう、それぞれの意味を簡単に把握しておきましょう。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は、新しいことを始めるのに最適とされる吉日です。
一粒万倍とは「一粒のもみから、万倍ものもみをつけた稲穂が実る」という意味。このもみと同じように、自分の言動が万倍になり返ってくる日だとされています。
ただ、よいことだけでなく、悪いことも万倍になって返ってくるといわれています。そのため、お金やものを借りたり、人の恨みを買うような言動は慎んだ方がいいでしょう。
天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)は、「天がすべての罪を赦す日」という意味の、日本の暦で最高の吉日です。
天赦日に新しいことを始めると、すべて上手くいくといわれています。
天恩日(てんおんにち)
天恩日(てんおんにち)は、「天の恩恵がすべての人に対して降りてくる日」とされる吉日です。祝い事に適した日とされ、結婚式や引越しにおすすめできる日です。
天恩日は他の吉日と異なり、5日間続きます。そのため、他の吉日や六曜との組み合わせも考えやすく、行事やイベントの日程調整もしやすいです。
寅の日(とらのひ)
寅の日(とらのひ)はお金にまつわる吉日であり、特に出資や投資などの「お金のリターン」を期待したい日におすすめできます。
出資や投資におすすめなのは、中国で寅(虎)が「千里の道を行き、また戻ってくる動物」と考えられているからです。
虎と同じように、出て行ったお金がまた戻ってくるようにと願いを込めて、寅の日に出資や投資をするのもいいでしょう。
巳の日(みのひ)
巳の日(みのひ)は金運全般によい日とされています。蛇を意味する巳は金運の象徴であり、白蛇の皮を財布に入れておくというおまじないをご存知の方も多いでしょう。
ちなみに白蛇は「弁財(才)天」という、財産や才能を司る神様の使いとされています。そんな蛇にまつわる吉日・巳の日は、宝くじの購入や財布の買い替え、使い始めに最適です。
己巳の日(つちのとみのひ)
己巳の日(つちのとみのひ)は、最高の金運日とされる吉日です。己とは陰陽五行で金を意味する「土」のこと。己巳の日は土と蛇、2つのお金にまつわる縁起物の名を冠しています。
巳の日が12日おきに訪れるのに対し、己巳の日は60日に一度しか訪れません。お金に関するここぞという場面、数年に一度の財布の買い替えには、己巳の日を待ってみてはいかがでしょうか。
大明日(だいみょうにち)
大明日(だいみょうにち)は、「天地が開け、隅々まで太陽の光に照らされる」とされる吉日です。
「隅々まで太陽の光に照らされる」の謂れから、引越しや建築、旅行などの移動を伴う行事・イベントに適した日とされています。
大明日は回数が多く、月の半分ほど訪れることもあり、行事やイベントのスケジュールも合わせやすいでしょう。
母倉日(ぼそうにち)
母倉日(ぼそうにち)は、「母が子を育てるように、天が人を慈しむ日」といういみの、万事において吉とされる日です。
中でも「母が子を育てるように」の部分から、母になる準備段階ともいうべき結婚や入籍に適した日とされています。
母倉日は月に4~5回あるので、天恩日や大明日などの吉日とも重なりやすいです。
吉日と併せて知っておきたい「六曜」とは?
六曜とは、カレンダーに書かれた「大安」や「仏滅」などの総称です。次からは、六曜それぞれの意味や、縁起のよい時間帯・悪い時間帯を解説します。
大安(たいあん)
大安(たいあん)は「大いに安し」を意味する吉日です。1日を通して吉とされ、六曜の中で最も縁起のよい日とされています。
大安の日にやってはいけないことも特になく、定期的に訪れるため、行事やイベントのスケジュールも合わせやすいでしょう。知名度も高く、多くの人を招く結婚式には特におすすめできる日です。
友引(ともびき)
友引(ともびき)は11時から13時までの間を凶、それ以外の時間帯を吉とする日です。
基本的には吉日ですが、「共引き」から「友引」に変化したといわれ、勝負のつかない日、よくも悪くもない日ともされています。
「友引」の字が「友を引き込む」と取れることから、葬儀には向かない日といわれています。
先勝(せんしょう/さきがち)
先勝(せんしょう/さきがち)は午前中は吉、午後は凶とされる日です。先勝は「先んずればすなわち勝つ」という意味です。
結婚式や引越しにもよいとされ、友引きと異なり葬儀を行ってもいい日とされています。ただ、午後からは凶なので、時間のかかる行事には適さないかもしれません。
先負(せんぶ/さきまけ)
先負(せんぶ/さきまけ)は「先んずればすなわち負ける」という意味の、先勝の対となる日です。先勝と反対に午前中は凶、午後は吉とされています。
結婚式や引越しなどの時間のかかる行事・イベントは、午後から吉となる先負の方が、余裕を持って行えるかもしれません。
ただ、「負ける」の字がつくことから、争いや裁判では縁起が悪いといえます。
赤口(しゃっこう/しゃっく)
赤口(しゃっこう/しゃっく)は11時から13時の間が吉、それ以外の時間帯を凶とする日です。友引の対となる日といえるでしょう。
凶の時間が長いこと、「赤」の字が火や血を連想させることから、凶日と捉えられています。特に血のイメージから葬儀や法事、火のイメージから引越しをするには縁起が悪い日といえます。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅(ぶつめつ)は最も縁起が悪いとされる六曜で、1日を通して凶とされています。
祝い事には適さないとされる反面、「再生はすべてが滅んだ後に始まる」とされることから、葬儀をするには問題ない日と考えられています。
「仏が滅んだ日」と書くことから、仏陀が入滅した日と捉えられることもありますが、誤解です。六曜は中国発祥の考え方とされ、仏教とも関係ありません。
吉日と併せて知っておきたい「不成就日」とは?
不成就日(ふじょうじゅび/ふじょうじゅにち)は字の如く、「何事も成就しない日」とされる凶日です。仏滅よりも縁起が悪く、すべての暦注において最悪の日とされることもあります。
ここまで紹介してきた吉日や六曜は、諸説あるものの由来があり、どのような日なのかも比較的はっきりしています。
一方、不成就日に関する記録はほぼ残っておらず、由来もほとんどわかりません。「ここまで由来のはっきりしない暦注はない」という人もいるほどです。
不成就日と吉日が重なった場合の考え方には、次の3つがあります。
- 吉日よりも不成就日の負のパワーが強く、その日は凶日となる
- 吉日の正と不成就日の負のパワーが相殺し、その日は普通の日となる
- 不成就日よりも吉日の正のパワーが強く、その日は吉日となる
不成就日も吉日も験担ぎ(げんかつぎ)の一種であり、最終的には捉え方の問題です。縁起を担ぐことに縛られすぎると窮屈になります。気にするのは吉日や六曜だけにとどめておくのもよいかもしれません。
吉日にやった方がいいこと
大きなイベントや、人生の節目は吉日にあわせて縁を担いでみるのもおすすめです。吉日にやった方がいいことは、次のようなことです。
- 結婚式や入籍、結納など
- 引越し
- 旅行の出発
- 地鎮祭や上棟式
- 出資や投資、宝くじの購入
- 財布の買い替え、使い始め
- 新しい勉強や趣味、習慣づくり
- 起業や開店
吉日は縁起のよい日なので、祝い事や儀式、自分にとってポジティブなことなら何をやってもいいでしょう。
そのうえで、「お金関係なら寅の日や巳の日」「移動を伴うことなら大明日」と、したいことに合った吉日を選ぶのがおすすめです。
吉日にやらない方がいいこと
吉日はすべてのことに向いているわけではなく、やらないほうがよいこともあります。吉日にやらない方がいいことは、次のようなことです。
- 友引の葬儀や法事
- 一粒万倍日の借金や争いごと
- 赤口の引越や葬儀
- 仏滅の結婚式
- 先負の裁判
吉日にやらない方がいいことを考えるときは、それぞれの日の意味を思い浮かべてみましょう。
「一粒万倍日に借金をして、負債が万倍になったら…」「赤口に引越しをするのは、火事を連想させて縁起が悪い」というイメージです。
とはいえ、吉日や凶日はあくまでも縁起を担ぐものであり、根拠のあるものではありません。仏滅に割引をしてくれる結婚式場もあります。
スケジュールや実利を優先するか、縁起を優先するかは、好みで判断するとよいでしょう。
「吉日」の手紙への書き方
手紙の結びに「〇月吉日」と書かれているのを見たことがある方も多いでしょう。手紙で使う「吉日」は、ここまで解説してきた吉日とは異なるものです。
「〇月吉日」は縁起を担いだ結びの一文としてうまれ、現代では手紙を書いた日付を曖昧にしたいときに使われています。
手紙の結びには本来、その手紙を書いた日付を入れるものです。しかし、まとめて印刷・発送する案内状に、書いた日付を正しく記載するのは難しいでしょう。
そんなとき、「〇月吉日」と書くことで縁起を担ぎながら、日付を曖昧にすることができます。「〇月の吉日に書いた」という意味ではなく、凶日に書いた手紙でも「〇月吉日」と書きます。
おめでたい行事や人生の節目は吉日に!
- 吉日にはいくつも種類があり、それぞれ意味や適した行事が異なる
- 六曜は「大安」や「仏滅」などの総称で、それぞれ縁起のよい時間帯と悪い時間帯がある
- 縁起を担ぐなら吉日や六曜の意味、由来を知り、したいことに合ったものを選ぶのが大切
日本にはいくつもの吉日があり、それぞれ意味も由来も異なります。験担ぎ(げんかつぎ)にこだわるなら、それぞれの日の意味や、縁起のよい時間帯を知ることが大切です。
本記事で紹介した吉日を参考に、新しいことを始めたり、人生の節目を迎える日を決めてみてはいかがでしょうか。
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