六曜とは、大安や仏滅をはじめとする6つの吉日・凶日のことです。大安と仏滅は有名ですが、他4つの吉日・凶日について、自信を持って答えられる人は少ないはず。
本記事では、六曜の由来や種類、それぞれの日の意味を解説します。
どんな行事にどの日が適しているのかも紹介します。行事の日取りを決めるのに、ぜひ参考にしてください。
- そもそも六曜とは?
- 六曜の種類と意味
- どんな行事、イベントに、どんな日が適しているのか?
六曜(ろくよう/りくよう)とは?
六曜(ろくよう/りくよう)とは、暦注のひとつです。吉日や凶日を表すものとされ、結婚式や引越しなどのイベントで、縁起を担ぐものとされています。
六曜には以下の6つの種類があります。
- 大安(たいあん)
- 友引(ともびき)
- 先勝(せんしょう/さきがち)
- 先負(せんぶ/さきまけ)
- 赤口(しゃっこう/しゃっく)
- 仏滅(ぶつめつ)
六曜の由来・起源
六曜は中国で生まれたといわれていますが、明確なことはわかっていません。諸葛亮が勝ち負けを占うために考案したという説が、一般的に広く知られているようです。
他の説では唐の「六壬承訣(りくじんしょうけつ)」という書物の大安・留連・速喜・赤口・将吉・空亡が起源であり、大安と赤口以外は次のように変化したとされています。
- 留連(りゅうれん)→友引
- 速喜(そくき)→先勝
- 将吉(しょうきち)→先負
- 空亡(こもう)→仏滅
六曜の順番は旧暦で決まっている
六曜は「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口→先勝…」と繰り返しますが、旧暦の毎月1日の六曜が、次のように決まっているため、カレンダーでは順番が入れ替わることもあります。
- 1月と7月:先勝
- 2月と8月:友引
- 3月と9月:先負
- 4月と10月;仏滅
- 5月と11月:大安
- 6月と12月:赤口
六曜の種類と意味
多くのカレンダーには、その日が六曜のどの日にあたるのかが書かれています。あまり気にしない人でも、「大安は縁起のよい日」「仏滅は縁起の悪い日」などと耳にしたこともあるでしょう。
では、友引や赤口の意味や、どちらの方が縁起がよいかはご存知でしょうか。
次からは、六曜それぞれの意味や縁起のよい時間帯、気をつけたいことを解説します。
大安(たいあん)
大安(たいあん)は「大いに安し」を意味する日で、六曜の中で最高の吉日とされています。
何をするにもよい日、1日を通して縁起のよい日が大安です。やってはいけないことは特になく、縁起の悪い時間帯もありません。
最も縁起のよい日であることや、縁起の悪い時間帯がないことから、結婚式のような長時間の行事、上棟式や納車などの大切なイベントに適しているとされています。
友引(ともびき)
友引(ともびき)は「共引き」を由来とする、勝負がつかない日=良くも悪くもない日とされています。
基本的には吉日とされているものの、11時から13時までの間は吉日ではないとされているため、友引に行事を執り行う際は気をつけましょう。
また、本来の意味ではありませんが「友を引く」と書くため、お葬式やお通夜などの葬儀関係は縁起が悪いと避けられる傾向にあります。
先勝(せんしょう/さきがち)
先勝(せんしょう/さきがち)は「先んずればすなわち勝つ」を意味する日で、午前中は吉、午後は凶とされています。
納車や引越しなどを先勝に行う場合、午前中に済ませるのがいいでしょう。結婚式も先勝に行ってよいとされていますが、午後からは凶なのでスケジュールには注意が必要です。
また、お葬式や法事を行っても問題ない日とされています。
先負(せんぶ/さきまけ)
先負(せんぶ/さきまけ)は「先んずればずなわち負ける」を意味する日で、午前中は凶、午後は吉とされています。先勝の反対の日と覚えておくといいでしょう。
元は「将吉(しょうきち)」と呼ばれていたものが、「小吉」「周吉」と変化した吉日です。ただ、「負ける」とつく字面のため、裁判や勝負事には適さない日とされています。
赤口(しゃっこう/しゃっく)
赤口(しゃっこう/しゃっく)は11時から13時までの間が吉、それ以外を凶とされる凶日です。陰陽道の神さまで、鬼神を使役する「赤口神」が由来とされています。
赤という字が血や火などの災いをイメージさせることから、祝い事を避けるべきだとされています。また、赤口神の配下の鬼神が人を威嚇したり弁舌を妨げたりすることから裁判や契約を、それぞれ避けるべき日だともいわれます。
祝い事との相性は次に紹介する「仏滅」よりも悪いと考える人も多いので、念頭に入れておくとよいかもしれません。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅(ぶつめつ)は、六曜の中で最も縁起が悪いとされる凶日です。元は「虚亡/空亡(こもう)」と呼ばれていたのが「物滅」と変化し、今の仏滅になったといわれています。
虚亡は「すべてが虚しい」、空亡は「天すら味方しない」の意味で、仏滅も字の如く「仏も滅びる日」の意味。
祝い事には適さない凶日であるため、結婚式場の予約は取りやすく、仏滅に割引をするところもあるほどです。縁起を気にしない人には、結婚式の狙い目といえる日かもしれません。
字面から「仏陀が入滅した日」と受け取られることの多い日ですが、六曜は仏教由来の言葉ではなく、仏陀の入滅した日ではありません。
六曜を気にしたいイベント、行事
大安と仏滅以外の六曜には「縁起のよい時間帯」「悪い時間帯」があります。一概に「この日なら安心」といえる日はなく、それぞれの日がどんなイベントに適しているのかも異なります。
次からは、六曜を気にしたいイベントや行事について紹介します。どんな行事をどの日に行うとよいのか、避けるべき日はあるのかを確認しましょう。
結婚式・入籍日
結婚式や入籍日は、長い人生の中でも大きな節目となる日です。普段は六曜や縁起を気にしなくても、結婚式・入籍日だけは縁起のよい日を選びたいという方も多いでしょう。
六曜から見て結婚式・入籍日に適したタイミング、適さないタイミングは、次の通りです。
- 大安
- 友引の午後13時以降
- 先勝の午前
- 先負の午後
友引は午前も午後も吉ですが、正午が吉ではありません。「午前から午後にかけて」と考えるより、「友引の午後から」と考えた方がいいでしょう。
- 赤口
- 仏滅
赤口の11時から13時までの間は吉とされていますが、結婚式の長さやその後の披露宴・二次会のことを考えると、適しているとはいえません。気になる人は避けるのがよいでしょう。
葬式・葬儀
日本で行われる多くの葬式・葬儀は、仏教式のものです。六曜は仏教とは関係のないしきたりなため、葬式・葬儀では、特に気にしなくてもかまいません。
ただ、古くから「友を引き込む」とされる友引だけは避けた方がよいとされています。友引に葬儀は縁起が悪いとして、休業日としている火葬場もあるほどです。
縁起を気にしない方でも、「友引に葬儀をしたくても、火葬場が休みだからできない」となるかもしれません。
法事
法事の日程は、個人の命日により自然と決まるものです。法事を避けた方がよい六曜はあるものの、そう気にしなくても大丈夫でしょう。
ただ、次のタイミングは法事に適さないと考える人もいます。
- 友引
- 赤口
友引は葬儀と同じく「友を引き込む」の意味であるため、赤口は「赤」の字が血や火を連想させることから、それぞれ法事に適さないと考えられています。
もしもこれらのタイミングを避ける場合は、本来の日程よりも前倒しで法事を執り行いましょう。
お宮参り
お宮参りに適したタイミングは、結婚式とほとんど同じです。ただ、お宮参りには結婚式ほど時間がかからないため、凶日とされる赤口でも、吉である正午を狙って行くこともできます。
お宮参りに適したタイミング、適さないタイミングは次の通りです。
- 大安
- 友引の11〜13時以外
- 先勝の午前
- 仏滅
- 赤口の正午
- 先負の午後
ただ、赤ちゃんを連れて行くお宮参りでは、縁起だけでなく赤ちゃんの体調も考えなければなりません。赤ちゃんの様子を見ながら、調子のよい時間帯を選ぶのがおすすめです。
宝くじ
宝くじを買うときも、どうせなら縁起を担ぎたいものです。基本的には、宝くじは次のような縁起のよい日に買った方がよいとされています。
- 大安
- 友引の正午以外
- 先勝の午後
- 赤口の正午
- (仏滅)
仏滅は一般的に縁起の悪い日ですが、「仏滅に宝くじが当たった」という噂もあり、一概には言えません。普段は大安に買っているなら、気分転換くらいの気持ちで仏滅に買ってみるのもいいでしょう。
- 先負
ただ、「負ける」の字の入った先負に宝くじを買うのは、縁起が悪いかもしれません。
納車
車の運転には交通事故の危険もつきまとうため、「新車は縁起のよい日に納車してもらいたい」と考える方もいるでしょう。縁起のよさで考えると、納車に適しているのは次のような日です。
- 大安
- 友引の11〜13時以外
- 先勝の午前
- 先負の午後
- 仏滅
- 赤口
赤口は「赤」の字が、交通事故を連想させる「血」や「火」につながるので、納車には避けた方がいいでしょう。
ただ、車は生活で使うものなので、早く届いてほしいと感じる方も多いはず。縁起を気にするよりも、自分の都合のよい日で、最短で納車してもらった方がいいかもしれません。
引越し
納車と同じく、新居への引越しも縁起のよい日に行いたいものです。六曜の引越しに適している日は、次のような日です。
- 大安
- 友引の11〜13時以外
- 先勝の午前
- 先負の午後
- 仏滅
- 赤口
友引の正午は凶ですが、時間のかかる引越しの場合、正午はお昼休憩となるでしょう。1日がかりの引っ越しのときには、先勝や先負は午前・午後を気にしなくてはならないため、作業が慌しくなるかもしれません。
「家を出る時間だけを気にする」など、自分の都合にあわせて検討してみてもよいでしょう。
七五三
七五三は11月15日とされていますが、平日であることも多く、前後の日にお祝いをする家庭も多いです。学校・仕事の都合や六曜の由来を考えても、吉日・凶日は意識しなくていいでしょう。
どうしても気になる、親族に強く言われるのなら、仏滅と赤口は避けてもいいかもしれません。
厄払い
厄払いは年明けから立春(2月の頭)までの間に行くべきとされています。七五三と同じく六曜をあまり気にしなくても構いませんが、約1ヵ月の余裕があるため、吉日に行くのもいいでしょう。
- 大安
- 友引の11〜13時以外
- 先勝の午前
- 先負の午後
- 仏滅
- 赤口
Googleカレンダーで六曜を表示させる方法
最近ではオンラインカレンダーを手帳やカレンダー代わりに使う人も増えました。カレンダー・手帳のアプリは数あれど、中でも知名度が高く、機能も豊富なものといえば「Googleカレンダー」でしょう。
Googleカレンダーはデフォルトでは六曜は表示されていません。しかし、六曜が表示できたら、各種イベントの日取りも決めやすくなるかもしれません。最後に、Googleカレンダーに六曜を表示する方法を解説します。
- PCで「公益財団法人 禅文化研究所」のWebページに移動
- 「Google六曜カレンダーの設定手順」内の「禅文化研究所Google六曜カレンダー」をクリック
- Googleカレンダーのログイン画面が出たら、ログインする
- 「カレンダーを追加」で「追加」を選ぶ
こちらの方法は、PCでは有効ですが、スマホでは見られないケースもあるのでご注意ください。
六曜を意識すると、イベントや行事がちょっと楽しくなる
- 六曜の由来は中国であり、仏教とは関係ない
- 六曜にはそれぞれ、縁起のよい時間帯と悪い時間帯がある
- 結婚式や葬儀などの行事で、六曜を気にする人もいる
本記事では六曜の由来や種類、それぞれの日の縁起について解説し、どんな行事にどんな日が適しているのかを紹介しました。
結婚式や葬儀などの重要な行事では、六曜を意識する人も多く、六曜に配慮することは一種のマナーといえるかもしれません。
一方、引越しや納車では六曜を気にしすぎると、スケジュールの余裕がなくなることもあるでしょう。
六曜はあくまでも験担ぎ(げんかつぎ)であり、イベントや行事をより楽しむための「スパイス」として捉えてみるといいかもしれませんね。
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