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【行動心理学】フットインザドアとは?営業や交渉に活用できる心理学のテクニックの具体例と注意点を紹介

U-NOTE編集部

2021/08/12(最終更新日:2021/08/12)


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行動心理学として知られている「フットインザドア」。ビジネスシーンでもプライベートでも使える心理学のテクニックを使ってみたい人もいるのではないでしょうか。

本記事では、フットインザドアの意味や使う際の注意点、具体例などを詳しくご紹介します。

行動心理学を日常や仕事で使えるようになりたい人はぜひ参考にしてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • フットインザドアとは?
  • フットインザドアを使う際の注意点3選
  • フットインザドアを活用する方法

 

フットインザドアとは?

フットインザドアは、日本語では「段階的要請法」と呼ばれ、段階を踏みながら最終的に自分の要求を通す手法のことです。

「フットインザドア」の名前は、セールスパーソンがまずは話を聞いてもらおうとするために、ドアに足をかけるという行動が由来となっています。

人は物事に一貫した態度を無意識に取る傾向があり、それを「一貫性の原理」と呼びます。フットインザドアは、一貫性の原理を利用したテクニックです。

例えば「100円貸して?」と聞かれたときに一度「いいよ」と答えると、「じゃあもう500円貸して?」と言われたときに断りにくく感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

無意識に「一度了承した相手のお願いだから、もう一度聞いてあげよう」と思わせられているとわかるでしょう。

このフットインザドアは論文でも証明されていて、フットインザドアを初めて発見したとされるフリードマンとフレイザーは、以下のような実験を行い論文を発表しました。

フットインザドアの実験
  • 「安全運転を心がけよう」というメッセージの看板を家の前に立ててもいいかどうかを周囲の人に聞いて回った
  • いきなりのお願いを了承してくれた人は全体の「16.7%」
  • 安全運転に関連する簡単なお願いを聞いてもらった後は「76.0%」

最初に簡単なお願いを聞いてもらった後は、その後のお願いも了承してもらえる確率が大幅に上がっていることがわかります。明らかにフットインザドアのテクニックは人の決断に影響を与えることが証明されているといえるでしょう。

 

フットインザドアの逆・反対の意味で使われる「ドアインザフェイス」とは?

フットインザドアと対になって有名な行動心理学のテクニックに「ドアインザフェイス」があります。

ドアインザフェイスは、日本語では「譲歩的要請法」と呼ばれ、一度断った後の要求は断りづらいと思わせるテクニックのことです。

例えば、「10万円貸して欲しい」といわれた場合、「10万円は厳しい……」となって断ったとしましょう。その次に、「じゃあ1000円だけでも貸して欲しい」お願いされると、一度断った罪悪感もあり、了承する可能性が高くなります。これがドアインザフェイスのテクニックです。

もっとドアインザフェイスについて知りたい人は「【行動心理学】ドアインザフェイスの語源や意味とは?具体例や注意点を紹介」からご確認ください。

 

フットインザドアとドアインザフェイスの違い

「フットインザドア」と「ドアインザフェイス」の違いは、状況をイメージするとわかりやすくなります。

フットインザドアは、まずはドアの中に足を入れるという簡単なことから始まり、そこから要求を重ねていくことで最終的な要求を叶えます。

一方で、ドアインザフェイスは、家に入ることを断られてからがスタート。大きな要求を断った罪悪感を利用して、小さな要求を叶えます。

 

フットインザドアを使う際の3つのポイント

行動心理学でもあるフットインザドアを利用すると、ビジネスシーンや日常生活で要求を通す確率を高められます。

ただしどのような要求でも通るわけではないので要注意。最後に、フットインザドアを使うときの3つのポイントを紹介します。

 

ポイント1.最初の要求は大きすぎず小さすぎないものにする

フットインザドアを使う際の1つ目のポイントは、最初の要求は大きすぎず小さすぎないものにすることです。

最初に大きすぎる要求を言ってしまうと、相手は断ってしまう可能性が高いです。1度目の要求を断られてしまうとフットインザドアのテクニックは使えず、むしろドアインザフェイスのテクニックになってしまいます。

また、要求が小さすぎると、自分の最終的に叶えたい要求とのギャップができてしまい、最終的な要求を断られてしまう可能性が高くなります。

例えば「10円貸してほしい」という要求をした後に「5万円貸してほしい」と伝えても、承諾してくれることは難しいでしょう。

最初の要求は最後の要求を逆算して、「ひとつ了承しても、ふたつ了承しても大きく変わらない」と思える程度の、丁度いい要求を相手に伝えることをおすすめします。

 

ポイント2.焦らずに段階を踏む

フットインザドアを使う際の注意点の2つ目は、焦らずに段階を踏むことです。

前述では「10円」と「5万円」のように要求の差が大きすぎると、フットインザドアが失敗することを紹介しました。成功させるためには、最終的な目標に近い要求に徐々に近づけていくことがポイントです。

例えば、「1,000円」「2,000円」をお願いした後「5,000円」をお願いすると、要求が通る可能性が高くなります。

しかし、段階を積みすぎると相手は不思議に思ったり、不自然に感じるため、頻繁にお願いをすることは避けることが賢明です。

 

ポイント3.報酬を渡さない

フットインザドアを使う際の注意点の3つ目は、報酬を渡さないことです。

自分の簡単な要求を通すために、相手に何らかの報酬を渡そうとした人もいるのではないでしょうか。人は報酬を受け取ってしまうと、自分から進んで行っていた行為に対してやる気を失うという性質があります。これを「アンダーマイニング現象」といいます。

例えば営業中に自ら興味を持って話を聞いてくれた人に対してパンフレットや試供品を渡すと、最初は興味があったはずなのにモチベーションが下がってしまうことが例としてあげられます。

そのため、「話を聞いてくれたから」と報酬を渡すことは、最終的な「契約」という目的の達成に悪影響を与える可能性もあることを知っておきましょう。

 

フットインザドアを活用する方法【シーン別の例】

フットインザドアを使ってみたいけれど、どうやって使えばいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

以下では、フットインザドアを活用する方法を日常生活・営業・恋愛のシーンに分けてご紹介します。

 

フットインザドアを日常生活で使う方法

まずは、フットインザドアを日常生活で使う方法をご紹介します。

例えば、相手に「皿洗いをしてほしい」という要求を持っていたとします。いきなり最後の要求を突きつけてしまうと断られる可能性が高いです。

まずは、簡単なお願いの「お皿をシンクに運んでほしい」と伝えましょう。その後に「お皿を水につけといて」と要求を重ねるとGOOD。

最終的に「お皿を洗っておいて」と伝えると、要求が叶う可能性は格段に上がるでしょう。

このように要求を細分化して伝えるとフットインザドアのテクニックによって要望が叶いやすくなるだけではなく、最終的な目的を達成するための順序を踏めて、ステップがわかりやすいところもポイントです。

 

フットインザドアを営業で使う方法

次は、フットインザドアを営業で使う方法をご紹介します。

呼び鈴を鳴らした後、まずは簡単なお願いをしましょう。例えば「〇〇と申します。xxの営業に来ました。5分だけでもお話を聞いていただけませんか?」のようなお願いがおすすめです。

他にも「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「現在一年間無料で使えるサービス中ですが、試してみませんか?」などの要求を段階を踏みながら聞きましょう。

最終的に商品を購入してもらうことを勧めると、初めから商品購入をお願いをするよりも格段に商品を販売する難易度が下がります。

 

フットインザドアを恋愛で使う方法

最後に、フットインザドアを恋愛で使う方法をご紹介します。

例えば、意中の人をデートを誘う場合も段階を踏んで誘うことで、デートの約束をこぎつけられる可能性があります。

例えば「前話していた映画見てみたよ。僕は〇〇のシーンが好きだった。〇〇ちゃんが好きだったシーンはどこか教えてくれる?」のような簡単なお願いをしましょう。

その後に「同じ俳優さんが出ている面白そうな映画があるんだけど、一緒に行かない?」と段階を踏んで誘います。

フットインザドアのテクニックを使って、相手の同意を引き出してみましょう。

 

フットインザドアを理解して日常生活で役に立てよう

本記事のまとめ
  • フットインザドアとは、段階を踏んで自分の要求を通すこと
  • 最後の要求を逆算してから最初の要求を決める
  • 焦らずに段階を踏み、報酬を渡す際は注意する

本記事では、フットインザドアの意味や由来、使う際の注意点などを詳しくご紹介しました。

フットインザドアを使う際は、焦らずに段階を踏むことが大切です。また、相手との会話の流れを読み、要求をする回数や最初の要求の程度を考えてみることをおすすめします。

行動心理学を利用して、自分の要求を相手に聞いてもらいやすくしてみてはいかがでしょうか。

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