「気分がなんとなく優れない……やる気も出ない」と憂鬱になっている人もいるのではないでしょうか。
気分が優れないのは「5月病」のせいかもしれません。
本記事では、5月病の症状や対策方法などを詳しくご紹介します。
体がだるかったりやる気が出なかったりする人は、ぜひ参考にしてください。
- そもそも5月病とは?
- 5月病になる主な原因
- 5月病の対策方法や治し方は?試したい5つのこと
そもそも5月病とは?
「なんだか最近気分が優れない」「もしかしたら5月病だからかもしれない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
実は、「5月病」は、医学的には存在しません。
では、どのような状態を「5月病」と呼ぶのでしょうか。以下では、5月病の意味や症状をご紹介します。
5月病の意味
「5月病」は正式な医学用語ではなく、ゴールデンウィーク明けや梅雨入の前に体に不調が出ることをいいます。
5月病の人が病院で正式に診断を受けると「軽度の鬱」や「適応障害」と診断される可能性もあります。
うつ病というと深刻なイメージを持ちがちですが、「自分は知らない間に鬱になってしまったのか……」と深刻に捉えすぎる必要はありません。
チューリッヒ生命の「2018年 ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査」によると、「5月病になったことがある」と回答した割合は、男性で「21.6%」女性で「25.0%」でした。
5人に1人は5月病になったことがあると回答しているほど身近な5月病。「自分はメンタルが弱いのかもしれない」と落ち込まずに、自分の状態を正しく認識し、健康になるように対策していくことが求められます。
最近では6月病とも呼ばれることも
最近では、新卒の研修や配属が終わる6月頃に5月病のような症状が出てくる人も増えてきています。そのため、5月病は「6月病」とも呼ばれるようになっています。
5月病の主な症状
「どんな症状が出ていたら5月病なんだろう?」と思う人も多いのではないでしょうか。
5月病の症状を、体に起こる不調・心に起こる不調の大きく2つに分けてご紹介します。
- 食欲が減る
- 頭痛や胃痛、肩こりなどを感じる
- めまいや動悸がする
- 吐き気がしたり、吐いてしまったりする
- なかなか寝られなくなる
- 寝てもすぐ起きてしまう
上記の症状に心当たりがある人もいるのではないでしょうか。
症状が改善せず日常生活に影響する場合は、病院に相談することもおすすめです。
食欲や睡眠欲が満たされないと体に不調が生じるだけではなく、心にも不調が起こってしまいます。
以下では、心に起こる不調をご紹介します。
- なんとなく虚しい気持ちや悲しい気持ちになる
- なんでもないことにイライラする
- 無性に不安になる
- 緊張し続けている
- 何もやる気が起きない
- 気分が落ち着かない
今まで当たり前にできていたことができなくなったり、やる気が起きなくなっている人は要注意。心が疲れてしまっている可能性が高いです。
ゆっくり休んだり、病院に行ったりして自分の体や心に向き合うことをおすすめします。
5月病になる主な原因
「特に大きなハプニングがあったわけではないの気分が優れない」といった人もいるかもしれません。5月病になる原因は何があるのでしょうか。
以下では、5月病になる主な原因をご紹介します。
環境が変わったことによるストレス
5月病になる主な原因に環境が変わったことによるストレスがあります。
大きく変わった環境に順応しようとすることは、知らないうちに体に負荷がかかっていることが多いです。
「自分は仕事が楽しいと思っているし、別にそんなにストレスじゃない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
実は、人間は悲しいことや理不尽なことにだけストレスを感じるわけではありません。
「ライフイベント法とストレス度測定」のストレス調査によると、人は「引っ越し」や「妊娠」「収入の増加」にストレスを感じていることがわかりました。
自分自身はストレスだと思っていなくても、体は変化に対応できていなかったり、ストレスを感じてしまっていたりする可能性があることを受け入れましょう。
生活リズムの変化
生活リズムの変化も5月病になる主な原因のひとつです。
通勤のために朝早く起きなければいけなくなった人や、慣れない仕事のため夜遅くまで働かなければいけない人もいるのではないでしょうか。
体内のリズムが崩れてしまうと、体や心に影響が出てきてしまいます。
燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)
「仕事に精を出していたけれど、急にやる気が無くなった」という人は燃え尽き症候群の可能性があります。
「燃え尽き症候群」は別名「バーンアウトシンドローム」と呼ばれ、「活力を持って仕事をしていたのに、急に無気力状態になる」こと。
野心が強い人や、仕事にやる気がある人などがかかりやすい病気です。
新しい環境で張り切った後、少し慣れてきて燃え尽きたような気分を感じた人は、燃え尽き症候群になっているのかもしれません。
燃え尽き症候群の詳細は「仕事人間ほど要注意!急にやる気がなくなる「バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」の症状・原因と対処法とは?」からご確認ください。
5月病の対策方法や治し方は?試したい5つのこと
「無気力な自分が嫌だ」「5月病を治したい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
以下では、5月病の対策方法や治し方をご紹介します。
急いで全てを試す必要はないので、できるものから自分のペースで試してみてください。
1.栄養のある食べ物をしっかり食べる
5月病の対策方法の1つ目は、栄養のある食べ物をしっかり食べることです。
食欲がわかないからといって、食事をあまりしていない人もいるのではないでしょうか。
食事をしないと、血液の中の糖の量である「血糖値」が下がっていきます。脳を動かすために大切な血糖が少なくなってしまうと、ボーとしたりイライラしたりしてしまうので、5月病をさらに悪化させることにも繋がりかねません。ご飯は必ず食べるようにしましょう。
また、時間がないからといってカップ麺やお菓子などで手早く終わらしている人もいるのではないでしょうか。
炭水化物ばかり取っていると、摂取カロリーが多くなり肥満の原因になります。また、体に必要な栄養素が供給できず、体がだるくなることも。
主食・主菜・副菜を意識してバランスの取れた食事を行いましょう。
2.早寝早起きを心がけて生活リズムを整える
5月病の対策方法の2つ目は、早寝早起きを心がけて生活リズムを整えることです。
5月病は自分が意識していなくても体にがストレスを感じていたり、疲れたりしていることが原因になっていることもあります。体の調子を整えるには、生活リズムを整えることが大切です。
「なかなか寝られないから、ついついスマホを触ってしまう」という人もいるのではないでしょうか。
しかし、スマホを寝る前に触ると明るい光が目に入り体は「朝になった」と勘違いしてさらに寝られなくなってしまいます。
また、夜中のスマホは体内時計を狂わすことにも繋がります。一日は24時間ですが、人間の体内時計は約25時間です。この1時間のズレは、朝に浴びる光によって調整されています。
夜中にスマホを見ると、体内時計のズレを治そうとしてさらに乱れてしまう可能性があります。寝る前はスマホを触らないようにし、朝起きたらまず太陽の光を浴びることを意識しましょう。
また、どうしても寝られないという人は、病院に相談しに行くのも一案です。
3.運動やスポーツをして体を動かす
5月病の対策方法の3つ目は、運動やスポーツをして体を動かすことです。
運動をすると体は疲れるけど、気分はスッキリした経験がある人も多いでしょう。
武庫川女子大学の内藤義彦先生の「疾病予防および健康に対する身体活動・運動の効用と実効性に影響する要因」によると、運動には睡眠障害の改善やストレスの解消に効果があるといわれています。
運動をする時間がどうしても取れない人は、デスクの下で足を動かしてみたり、エスカレーターではなく階段を使ったりしてみることをおすすめします。
4.好きなこと、趣味に没頭する
5月病の対策方法の4つ目は、好きなことや趣味に没頭することです。
新しい環境に慣れるために頑張っているときには、家に帰ってからも、時には休日でも頭が仕事でいっぱいになっていることもあるでしょう。そのため、リラックスする時間が取れておらず、常に緊張状態になっているのかもしれません。
自分の好きなことや趣味に没頭することで、リラックスし、仕事で溜まったストレスを発散できる可能性が高いです。
仕事のオンオフをつけるためにも、しんどいときこそあえて好きなことを全力で楽しむことをおすすめします。
5.誰かに相談する
5月病の対策方法の5つ目は、誰かに相談することです。
「もう頑張れそうにない……」「一人で解決できそうにない」という場合は、誰かに相談しましょう。悲しみや苦しみを自分ひとりで抱え込む必要はありません。両親や友達、同僚、医者など信頼できる人に相談をしてみることをおすすめします。
話すことでストレスを解消できたり、自分の置かれている状況を客観的に分析してもらったりすることができるので、5月病の解消にも繋がるでしょう。
誰でも5月病になる可能性があるので、意識的に対策をしよう
- 5月病は心にも体にも不調が起こってしまう
- 自分では認識していなくても体がストレスを感じていることもある
- 食事、早寝早起き、運動、趣味に取り組むことなどを心がけて心と体に向き合う
本記事では、5月病の症状や対策方法などを詳しくご紹介しました。
誰にでもかかりえる5月病は、心や体からの「一休みをして」といったメッセージかもしれません。
自分だけでは解決しにくいと感じている人や、つらい思いをしている人は病院に相談しに行くことも検討するとよいでしょう。
本記事を参考に、対策方法を実践して心や体に向き合ってみてはいかがでしょうか。
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