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フェルミ推定の意味とは?就活の面接対策や、地頭を鍛える例題、おすすめの問題集を紹介

U-NOTE編集部

2021/07/16(最終更新日:2021/07/16)


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フェルミ推定は、基礎知識や解き方を知らないと、事前知識なく自力で解くのは難しい問題です。

本記事では、フェルミ推定の意味や誰でもわかりやすく解説した例題、おすすめの問題集などをご紹介します。

就活でも出題されることが多いフェルミ推定。解けるようになりたい人はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

本記事の内容をざっくり説明
  • フェルミ推定とは?
  • 就活で頻出のフェルミ推定の例題5つを解説
  • フェルミ推定を学ぶおすすめの本や問題集

 

フェルミ推定とは?意味がない・無意味・役に立たないって本当?

そもそも「フェルミ推定」あどんなものなのか、よく知らない人もいるのではないでしょうか。

フェルミ推定とは、調べないとわからないように思えることを論理的に推測して答えを出すことです。

例えば「日本にマンホールはいくつあるのか」のような問題がフェルミ推定の例題です。

フェルミ推定は「調べたらわかることをわざわざ推定する意味がない」と言われることもしばしばあります。しかし、フェルミ推定は本当に役に立たないものなのでしょうか。

フェルミ推定の目的とは「調べたらわかるものを推定すること」ではなく、問題を解くための「論理的な思考プロセス」の練習にあります。答えを出すことが大切なのではなく、その論理的な思考力が問われていることに注意しましょう。

また、調べてもわからない未来のことや過去のことを知りたいと思ったときにもフェルミ推定は役に立ちます。

調査ができない未知のことを推測できたり、論理的な思考力が身につけたりできるフェルミ推定は有意義なものだと考えられます。

 

フェルミ推定のやり方や練習方法・コツ

「フェルミ推定ができるようになりたい」と思っても、どのように計算したらいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

まずは、基本的なフェルミ推定のやり方や練習方法をご紹介します。フェルミ推定を解けるようになるコツを押さえて、どんな問題でも解けるようになりましょう。

フェルミ推定の基本的なやり方は、簡単な式を検討することです。中でも大切になるのが「答えをすぐに出そうとしないこと」です。

例えば「世界に女性はどれほどいますか」のような問題に、「女性はどのくらいいるのかな」と考え始めるのはNG。

上記の問題の場合、まずは世界の人口から考えていきます。世界人口白書2021によると、2021年の世界人口は「78憶7500万人」だといわれています。

男女比はだいたい1対1の関係だと推測できるので、女性の数は「78憶7500万人」を2で割ると答えが出ます。

つまり、世界にいる女性の数=世界の人口の半分といった式を想定して考えると答えに行き着くのです。

 

フェルミ推定で覚えておきたい数値や数字

フェルミ推定は、頻出の数値や数字を覚えておかなければ問題は解けません

下記のフェルミ推定の例文でも、日本の国土面積や人口などを使って問題を解いています。

では、どのような数字を覚えておけばいいのでしょうか。以下では、フェルミ推定で覚えておきたい数値や数字をご紹介します。

フェルミ推定で覚えておきたい数値や数字
  • 2021年の世界人口:78憶7500万人
  • 日本の人口:約1億2000万
  • 日本の国土面積:約37万8000平方キロメートル
  • 日本の世帯:6000万世帯
  • 女性の平均寿命:87.45歳
  • 男性の平均寿命:81.41歳
  • 大学進学率:約54%
  • 日本の可住地:約30%
  • 海と陸の面積:7対3
  • 一年は約52週間

 

就活で頻出のフェルミ推定の例題5つを練習問題を苦手な人でもわかるように解説

フェルミ推定を練習したい、実際の問題を通して学びたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

以下では、就活で頻出のフェルミ推定の例題5つをご紹介します。

フェルミ推定が苦手な人でもわかるように丁寧に例題を解説するので、参考にしてください。

 

例題1.日本にマンホールはいくつあるか

フェルミ推定の例題の1つ目は「日本にマンホールはいくつあるか」です。

この問題で導きたい式は「日本の可住地の面積×1キロ平方メートルあたりのマンホールの数」です。

まずは、母数になるものを検討します。母数にするものはマンホールがある場所、つまり「日本の国土面積」です。

日本の国土面積は外務省によると「約37万8,000平方キロメートル」です。

フェルミ推定は概算で問題ないため、計算しやすいように約40万平方キロメートルと考えましょう。

「平方キロメートルってなに?」となっている人もいるのではないでしょうか。1平方キロメートルとは、1辺が1キロメートルの正方形のことです。また、1平方キロメートルは、100万平方メートルであることも覚えておきましょう。

このような単位を知っておくことも、計算をする上で大切なので覚えておくとよいでしょう。

日本の国土面積のうち、山や砂浜などにはマンホールがありません。国土技術研究所センターによると、可住地は約30%といわれています。

そのため、マンホールが存在する可能性があるのは約40万平方キロメートルの30%である「約12万平方キロメートル」となります。

次に、マンホールの数を検討していきましょう。日常生活を考えることによって、経験的にだいたい1万平方メートル(100メートル×100メートルの正方形)あたりひとつのマンホールがあると仮定できます。

このようにフェルミ推定では、経験的に割合を自分で考える必要があります。毎日の生活でいろいろなものにアンテナを張り、考える力が試されているのがわかります。

1万平方メートルにひとつのマンホールがある場合、100万平方メートル=1キロ平方メートルに、100個のマンホールがあることがわかります。

1キロ平方メートルに100個のマンホールがあると、12万平方キロメートルには、1200万個と比例計算できます。

実際に日本には、次世代型高品位グラウンドマンホール推進協会によると、1400万個のマンホールがあるので推測は大きく外れていないといえるでしょう。

 

例題2.日本に電柱はいくつあるか

フェルミ推定の例題の2つ目は「日本に電柱はいくつあるか」です。

この問題で導く式は「荷重値の面積×1キロ平方メートルあたりの電柱の数」です。

マンホールの例と同様に、電柱がある場所、つまり「日本の国土面積」に注目しましょう。

上記でご紹介したように、日本の国土面積のうち電柱が生えている可能性があるのは「約12万平方キロメートル」です。

ここで日常生活を考えてみると、だいたい1万平方メートルあたり3つの電柱があると仮定できます。

よって、100万平方メートルつまり1万平方キロメートルには300個の電柱があると仮定できるので、12×300で3600万個の電柱があることがと仮定できます。

電線のない街づくり支援ネットワークによると、日本にある電柱の数は3592万本なので、親しい答えが出せていることがわかります。
 

 

例題3.ビールの市場規模

フェルミ推定の例題の3つ目は「ビールの市場規模」です。

この問題で導きたい式は「お酒を飲む人数× 一人あたりのお酒を飲む量 × 一人あたりのお酒を飲む金額」です。

日本のビールの市場規模を考える際に注目したいのは「日本の人口」です。

総務省統計局によると日本の人口は、1億2536万人といわれています。フェルミ推定は概算でいいので、約1.2億人と覚えておきましょう。

日本の人口1.2億人のうち、どのくらいの人が飲酒するのか、またその頻度はどのくらいなのか検討して、飲酒量を割り出しましょう。

日本の人口のうち、0〜18歳は約2000万人います。そのため、お酒を飲む可能性がある人は、約1億人と推定できます。一億人のうち、実際にお酒を飲む人は、全体の40%と推測すると、4000万人です。

毎日の飲む人もいれば、土日しか飲まない人、付き合いでしか飲まない人など様々な人がいるでしょう。

よって、お酒を飲む人は、365日の半分の約180日飲むと考えます。150円の缶を平均2.5缶飲むと考えると、180日×2.5缶×4000万人×150円=2兆7千億になります。

この事例でもわかるように、日本の人口や、年齢ごとの人口などは予め記憶しておく必要があります。すべてを正確に覚えておく必要はありませんが、概算できる程度には記憶しておきましょう。

 

例題4.日本で割り箸は一年でどれほど使われている?

フェルミ推定の例題の4つ目は「日本で割り箸は一年でどれほど使われている?」です。

この問題で導きたい式は「日本の人口 × 一年で一人あたりが割り箸を使う量」です。

ここで、注目したい母数は、割り箸を使う可能性がある「日本の人口」です。前述の通り、日本の人口は「1.2億人」です。

割り箸をよく使う人はどのような人なのでしょうか。例えば、外回りや付き合いなどで外食する社会人や、一人暮らしをしてコンビニで買い食いをする大学生などが挙げられます。

0歳〜20歳は、割り箸を使う機会が少ないとして、3日に1本程度、つまり年間100本使うと考えましょう。

また、20歳〜60歳は社会人が多いので、平日は毎日1本程度、つまり年間250本程度使うと推測できます。

60歳〜100歳は、割り箸を使う機会が社会人よりも少なく、若い世代よりも多いと考えて、年間150本程度と推測できます。

よって、すべての世代を平均して1年間辺り180本と推測しましょう。1.2億×180膳で、216億の箸が使われていると推測できます。

森林・林業学習館によると、年間200億本の割り箸が消費されているといわれているので、推定は近いといえるでしょう。

 

例題5.日本のカフェ市場の売り上げ

フェルミ推定の例題の5つ目は「日本のカフェ市場の売り上げ」です。

この問題で導きたい式は「カフェに行く人 × 頻度 × 一回の使用料金」です。

カフェに行く人は、1.2億人のうち30%と推測すると、3600万人になります。

3600万人は平均で年に10回程度行くとして、カフェの一回の料金は約500円と推定します。

よって、3600万×10回×500=1800億と推測できます。

 

フェルミ推定を学ぶおすすめの本や問題集

もっとフェルミ推定を勉強したいという人もいるのではないでしょうか。

以下では、フェルミ推定を学ぶおすすめの本や問題集をご紹介します。

 

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

フェルミ推定を学習する際に読んでおきたいおすすめの本の1つ目は、「地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」」です。

「シカゴにピアノ調律師は何人にいるのか」「世界で一日で食べられているピザの数は?」などの質問に対して、わかりやすく解説してくれています。

フェルミ推定を通して地頭を鍛えたいという人は、「地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」」を読んでみてはいかがでしょうか。

 

現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!

フェルミ推定を学習する際に読んでおきたいおすすめの本の2つ目は「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!」です。

この本では、フェルミ推定を「5ステップ」に分けてわかりやすく解く方法を紹介しています。汎用性が高い解き方が載っているので、就活で結果を出す必要がある人におすすめです。

 

就活対策としてフェルミ推定を理解しておこう

本記事のまとめ
  • フェルミ推定は、論理的な思考プロセスを練習できる
  • フェルミ推定をする際には知っておきたい数字や数値を覚えておく
  • 本を使って練習するのもおすすめ

本記事では、フェルミ推定の例文やおすすめの本、フェルミ推定とは一体どういうものかなどをご紹介しました。

フェルミ推定は一見難しそうに見えますが、基本的なデータを記憶し、考え方を理解すれば同じような方法で計算できるとわかります。

また、推測した数字が間違っていても、考え方があっていれば問題ないケースも多いです。

本記事を参考に、フェルミ推定に必要なデータを覚えて、練習問題を解いてみてはいかがでしょうか。

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