「内定辞退をしたいけれど、人事担当者に伝えにくい」「内定を承諾した後に断ると気まずくなりそう」などと思っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、就活で内定承諾後に内定辞退を伝える方法やポイントなどを詳しくご紹介します。
穏便に内定辞退をしたいと思っている人はぜひ参考にしてください。
- 内定辞退をするときに知っておきたい3つのこと
- 内定辞退をする場合の5つのポイント
- 内定辞退する理由の伝え方
内定辞退をするときに知っておきたい3つのこと
「内定辞退は誰に伝えればいいの?いつまでに伝えないといけないの?」と内定辞退の方法に悩みがある人も多いのではないでしょうか。
以下では、内定辞退をするときに知っておきたい3つのことを詳しくご紹介します。
1.内定辞退を伝える相手
内定辞退をするときに知っておきたい1つ目のことは、内定辞退を伝える相手についてです。
内定辞退を伝えるべき人は、「採用担当者」です。採用担当者のメールアドレスや電話番号がわからない場合は、説明会や面接などでもらった名刺を参考にしましょう。
就職エージェントを利用した場合は、エージェント経由で行うのが一般的です。
2.いつまでに伝える?内定辞退をする時期・期限・タイミング
内定辞退をするときに知っておきたい2つ目のことは、定辞退をする時期・期限・タイミングについてです。
内定をもらった後すぐに辞退することを決めた場合は、内定をもらって2〜3日後には伝えることをおすすめします。
また、内定をもらってから長くても一週間以内には、内定辞退をするのが理想的です。
一週間以上超えてしまっている場合は、内定辞退を決めてすぐのタイミングで伝えましょう。
以下の第六百二十七条では、入社2週間前まで内定辞退をしていいことになっていますが、そこまで引き伸ばすことは避けておくほうが賢明です。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
企業は、内定を出した後の新入社員を受け入れる準備を始めています。内定辞退をされると、時間をかけて準備したことが水の泡になってしまう可能性があります。
また、内定者数が少なくなってしまうと、もう一度採用活動をする必要ができてしまうことも。
内定辞退をすることで迷惑はかけてしまいますが、迷惑を最小限にするためにも早めに連絡をしましょう。
3.内定辞退をすることは法的には問題なく、損害賠償請求もされない
内定辞退をするときに知っておきたい3つ目のことは、内定辞退をすることは法的には問題なく、損害賠償請求もされないことです。
「内定辞退したら、訴えられるかもしれない」と焦っている人もいるのではないでしょうか。
かりに内定承諾書を出していたとしても、法的拘束力はないので訴えられることはありません。
「内定辞退をするなら、会社に多大な損害を出すので訴える。今なら内定辞退を聞かなかったことにしてあげるけど?」のような高圧的な態度を取られて困っていた就活生は、安心してくださいね。
内定辞退の連絡方法は?電話は必須?メールのみではダメ?
「内定辞退はやっぱり電話しないとダメなの?」と連絡手段で迷っている人もいるのではないでしょうか。
以下では、内定辞退の連絡方法について詳しくご紹介します。
電話で内定辞退を伝えることがおすすめ
内定辞退の連絡を、電話で直接伝えるのが怖いと思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、誠意を伝えるためにも電話で内定辞退を伝えることがおすすめです。
相手に一方的に伝えるのではなく、会話ができるため電話はより誠意を伝えるのにふさわしい連絡手段です。
また、すぐに伝えたほうがいい内容をなるべく早く伝えられるので電話で伝えるのがいい方法でしょう。
電話で内定辞退をした後は、メールでも再度謝罪をすることをおすすめします。誠意が伝わるだけではなく、自分が内定辞退をした証拠が残ります。
「内定辞退をしたいなんて聞いていない」と後でもめないためにも、メールを送っておくとよいでしょう。
電話をするのが怖い人はメールだけでも大丈夫
「電話をすると強く責められたり、色々聞かれるのがどうしても怖い」という人もいるのではないでしょうか。
電話をするのは、絶対に避けたいという人は、メールだけでも大丈夫です。
メールで、自分が内定辞退したいこと・謝罪や感謝をめいいっぱい伝えましょう。
お詫びの気持ちをさらに伝えたい場合は手紙を書いてもOK
申し訳ない気持ちをさらに伝えたい場合は、企業に対して手紙を送っても大丈夫です。
最近は、手紙でお詫びの気持ちをわざわざ送る就活生も少なくなってきましたが、手紙を書くことで誠意が伝わるのも事実です。
しかし、メールも電話もせずに、手紙だけ送るのはNGです。
手紙は、確実に送り先にたどり着いたのかがわからず、郵送するのにも時間がかかります。
内定辞退はなるべく早く伝えなければいけないものなので、手紙だけで内定辞退するのは避けておきましょう。
内定辞退をする場合の5つのポイント
内定辞退をするのは後ろめたい気持ちがある人もいるでしょうが、自分が選んだ企業に入社するためには必要なことです。
どんなに内定辞退することを伝えにくても、必ず採用担当者に伝えましょう。
以下では、内定辞退をする場合の5つのポイントをご紹介します。
ポイント1.感謝やお詫びの気持ちを伝えることを忘れない
内定辞退をする場合の1つ目のポイントは、感謝やお詫びの気持ちを伝えることを忘れないことです。
一度は縁があった企業に対して雑に、「内定辞退します」だけを伝えるのはおすすめしません。
今後の人生に影響を与えるトラブルに発展してしまう可能性があります。例えば同業他社に入社した後、取引先が内定辞退をした企業であったような気まずい関係になることも考えられます。社会人になる一員として、誠意のない対応はやめましょう。
内定辞退する際には、内定をいただけた感謝と、断ってしまうお詫びの気持ちを精一杯伝えて、丁寧な対応をすることをおすすめします。
例えば「貴重な時間をいただいたのにも関わらず、誠に申し訳ありません」と、言葉遣いにも気を使って自分の誠意を伝えましょう。
ポイント2.メールや電話をする時間帯に注意する
内定辞退をする場合の2つ目のポイントは、メールや電話をする時間帯に注意することです。
いつでも相手が見る時間を選択できるからといって、時間を考えずにメールを送っていいわけではありません。
受信音で相手のプライベートな時間を邪魔してしまう可能性があるだけでなく、なによりも非常識です。
また、電話は相手が電話に対応する時間を選べず、業務の妨げになる可能性もあるので、時間帯に注意して電話をかけることをおすすめします。
電話やメールを送る際のおすすめの時間帯は、勤務時間中です。勤務時間中の中でも、業務開始直後・業務開始終了近くは忙しいので電話をするのは避けておくほうが賢明です。
ポイント3.メールは必ず返信し、返信がない場合はもう一度メールを送る
内定辞退をする場合の3つ目のポイントは、メールは必ず返信し、返信がない場合はもう一度メールを送ることです。
ビジネスマナーのひとつに「自分から送ったメールは自分で終わらす」というマナーがあります。
特に内定辞退の場合は、後ろめたい気持ちがありメールを返すのが億劫になる人も多いでしょう。
しかし、穏便に内定辞退をするためにも、メールを送った後の企業からもらったメールには、必ず返信をしましょう。
また、メールを送ったのに返信がなく困っている人もいるのではないでしょうか。
メールが届いていなかったり、相手が読んでいない可能性があったりします。相手に内定辞退をしたい旨が伝わっていないと、トラブルに発展する可能性があるので、もう一度メールを送りましょう。
「◯月◯日に送ったメールは届いておりますでしょうか。念の為、再度転送いたします」と伝えてから、同じ内容のメールを貼り付けて送ります。
2回メールを送っても返信が来ない場合は、電話をかけて内定辞退の旨を伝えましょう。
ポイント4.内定辞退をいつまでも後回しにしない
内定辞退をする場合の4つ目のポイントは、内定辞退をいつまでも後回しにしないことです。
内定を辞退すること自体は法律的には問題がないといえども、相手に迷惑をかけてしまうことを恐れる気持ちや怒られたらどうしようという気持ちでなかなか行動に移せない人も多いのではないでしょうか。
どんなに怖くても内定辞退は必ず伝える必要があります。「明日こそ内定辞退の電話をかけよう」と後回しにせず、なるべく早くに相手に内定辞退の旨を伝えましょう。
ポイント5.他社の社名は出さないほうがベター
内定辞退をする場合の5つ目のポイントは、他社の社名は出さないほうがベターなことです。
他社の社名を出してしまうとトラブルのもとになってしまう可能性があります。
たとえ「どの企業に行くのですか?」と言われた場合は、「〇〇業界です」のように業界や業種を伝えることをおすすめします。
どうしても答えたくない場合は「お答えできません」と伝えても大丈夫です。
内定辞退する理由の伝え方
内定辞退を伝える際に「弊社が第一志望とおっしゃっていたのに、どうして内定辞退をするのですか?」と質問されることもしばしばあります。
対策をせずに急に質問されるとしどろもどろな回答になり、言わなくてもいいことを言ってしまう可能性があります。
以下では、内定辞退する理由の伝え方をご紹介します。事前に考えることで、丁寧な回答をできるようになっておきましょう。
理由は詳しく伝える必要はない
メールや電話で自分から内定辞退の理由を詳しく伝える必要はありません。
条件の違いや内定辞退をする企業の悪い点をあげるのは失礼になってしまいます。
具体的な理由ではなく「将来のことを精一杯考えた結果」「一身上の都合により」などと曖昧に伝えましょう。
詳しく聞いてくる採用担当者もいる
内定辞退の旨を電話で伝える場合は、「一身上の都合とは何ですか?詳しく説明してください」と言われることもあります。
そのため、内定辞退をする理由の答え方を考えておくことをおすすめします。
例えば「第一志望の企業に内定をいただき、そちらに入社したいと強く思った」「大学院に進学することにした」「家族の体調が悪くなり実家に帰らなければいけなくなった」のように具体的に伝える練習をしていてもいいでしょう。
ただし、どうしてもいいたくない場合は「申し訳ありませんが、お答えできません」と伝えても大丈夫です。
内定辞退をする際のメールの例文
内定辞退をするメールの書き方がわからないという人も多いのではないでしょうか。
以下では、内定辞退を伝えるメールの例文をご紹介します。メールを参考にして自分のオリジナルの内定辞退メールを書くことをおすすめします。
- 【内定辞退のご報告】〇〇大学山田太郎
〇〇株式会社
田中二郎様
お世話になっています。◯月◯日に内定の連絡をいただいた〇〇大学の山田太郎です。
この度は内定をいただきまして、大変感謝しております。
このようなありがたいご連絡をいただいたのにも関わらず、誠に恐縮ですが内定辞退させていただきたくメールを送らせていただきました。
貴重なお時間をいただいて選考していただいたのに、このようなご報告をになりますことを誠に心苦しく思っております。
また、本来ならば電話で感謝と謝罪の気持ちを伝えるべきであるのにも関わらず、メールでご連絡することを何卒お許しください。
面接をしていただいた〇〇様や人事の皆様には大変お世話になりました。
最後になりますが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
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山田太郎(やまだたろう)
〇〇大学〇〇学部〇〇学科3年
携帯電話:090-xxxx-xxxx
メールアドレス:taro.yamada@xxxxx.ac.jp
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転職や中途採用の場合の内定辞退はどうする?
転職や中途採用の場合も内定辞退の手順は同じです。
転職や中途採用の場合は、転職エージェントを使用している人も多いのではないでしょうか。すでにご紹介したように、転職エージェントを使用した場合は、転職エージェントの担当者に内定辞退の旨を伝えるのが一般的です。
内定をもらった企業に直接内定辞退を伝えるのではないことを覚えておきましょう。
どうしても、申し訳なく内定先の企業に連絡を入れる場合は、転職エージェントの担当者と相談してから行うことをおすすめします。
内定辞退をする際はよく考えてから行うべき
内定辞退は、一度辞退をしてしまうと撤回することは不可能です。
すでにご紹介したように内定辞退をすると、企業に多大な迷惑をかけてしまいます。金銭的な問題だけではなく、自分にかけてもらった時間や気持ちを無駄にする行為です。
「やっぱり内定辞退したことはなしでお願いします」のような虫のいい話は通用しないので、必ずよく考え抜いてから行いましょう。
特に、企業の口コミに踊らされていないか、本当にやりたい仕事は何なのかなどを自分自身で振り返ることをおすすめします。また、就活の初心に帰って自己分析をしてみてもいいでしょう。
自分の決心は揺るがないと決めたのなら、自分の判断を信じて、勇気を持って内定辞退の連絡をしてください。
内定辞退をするときは相手へのお詫びの気持ちを伝えよう
- 内定辞退は決心したらなるべく早く伝える
- 内定辞退の連絡の基本は「電話」
- 電話がどうしても怖いならメールだけでも必ず内定辞退の旨を伝える
- 内定辞退の理由は詳しく説明する必要はない
本記事では、内定辞退のポイントや伝え方、メールの例文などを詳しくご紹介しました。
内定辞退は、就活において避けられないものになってしまうことも多々あります。
企業に迷惑をかけてしまっても、自分の大切な一度きりの人生です。
後悔をしないように自分の人生に決断をしてみてはいかがでしょうか。
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