就職先が決まらずに就職浪人を視野に入れている人もいれば、もうすでに就職浪人が決まった人もいるでしょう。
本記事では、就活で成功しなかった際の就職浪人以外の進路や、就職浪人が就活で注意する点などを詳しくご紹介します。
将来に不安を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。
- 就職浪人の割合や就職留年との違い
- 就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路6選
- 就職浪人として就活をする際の4つの注意点
そもそも就職浪人とは?割合は?就職留年との違いは?
就職浪人がどういった存在なのか知らない人や、「就職浪人」と「就職留年」の違いを曖昧にしか理解していない人もいるのではないでしょうか。
以下では、就職浪人の定義や割合、就職留年との違いなどを詳しくご紹介します。
就職浪人と就職留年の違い
就職浪人とは、大学を卒業しても就活を続ける意思がある人をいいます。
似たような言葉である「就職留年」は、就職浪人と同様に就活で成功できなかったため、就職をするために留年をして大学にとどまり再度就職活動を行うことです。
就職留年と就職浪人が大きく異なるのは、大学に籍をおいているか否かだといえるでしょう。
就職浪人の割合
「どのくらいの人が就職浪人しているのだろう」と割合が気になる人も多いのではないでしょうか。
文部科学省によると、令和元年の大学生の就職率は「98.0%」です。
また、短期大学の就職率は97.0%、高校生の就職率は98.1%なので、学生の2〜3%ほどが就職浪人していることがわかります。
この数字には就職留年した人は含まれていません。そのため、就職で成功できなかった人は学生の2〜3%以上はいることが推測できます。
就職浪人をする理由は人によっていろいろ
就職浪人をする理由は、人によって異なります。例えば、以下のような理由があります。
- 希望の企業に内定をもらえなかった
- 公務員志望
- アナウンサー志望
- 内定がもらえなかった
- 大手企業への就職を志望
公務員試験は、試験によって難易度は異なりますが、決して合格率は高くありません。勉強し直して公務員試験を受けようと決意して浪人する人もいます。
また、「どうしても〇〇企業に行きたい」と強く望み、もう一度同じ企業を受けるために浪人する人もいるでしょう。
就職浪人は新卒扱いされるの?既卒扱いされるの?
「就職浪人は新卒ではなく、既卒扱いされる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。事実、ほとんどの就職浪人は、既卒扱いされてしまうことも多いです。
「新卒と既卒ってどう違うの?」と不安になってしまっている人もいるでしょう。以下では、新卒と既卒の違いを簡単にご紹介します。
新卒は「新規卒業者」の略で、卒業した直後に内定をもらった企業に就職をする人のことです。
以下の「厚生労働省告示第四百六号」によると、卒業後三年まで新卒として扱うようにするように企業に要請していることがわかります。
意欲や能力を有する青少年に応募の機会を広く提供する観点から、学校等の卒業者についても、学校等の新規卒業予定者の採用枠に応募できるような募集条件を設定すること。当該条件の設定に当たっては、学校等の卒業者が卒業後少なくとも三年間は応募できるものとすること。
しかし、いまだに多くの企業が、卒業後3年以内に就職をしようとしている人を就職浪人と捉えてることが多いのも事実です。
既卒とは、すでに大学や高校を卒業した人のことをいいます。就職せずに就職浪人をしている人だけではなく、中途採用枠で就活をする人、海外留学から帰ってきた人などが含まれます。
就職浪人は不利になる?就活への影響とは
「就職浪人は就活で不利になる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
残念ながら、就職浪人は就職で不利になることが多いです。
上記でご紹介したように、ほとんどの就職浪人は「既卒」として扱われます。既卒者は、新卒用の求人には応募できないこともあり、そもそも行きたい企業に就職活動できないことも。
また、既卒として扱われることによって、就活におけるライバルがすでに経験を積んでいて基本的なマナーを知っている転職希望者や、留学をしていた人などキャリアや経験がある人が多くなります。
仮に新卒として扱われたとしても、自分よりも若い周りの新卒生と比べられてしまうことがほとんどです。
このように、自分の能力や性格を示すことで他の人よりも優れていることを証明するのが難しくなってしまうので、不利なることが多いでしょう。
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路6選
「就職浪人をすると、新卒のときよりも就活が厳しくなるのだな」と焦っている人もいるのではないでしょうか。
以下では、就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路を6つご紹介します。
これからの人生をどう生きるのか考える参考にしてください。
1.学費を払って就職留年する
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路の1つ目は、学費を払って就職留年することです。
金銭的に余裕がある場合は、大学の学費を払って就職留年する方法が賢明です。
就職留年をするメリットは、「新卒」として就活できることにあります。つまり、就活をするライバルが既卒ではなくなり、就職活動をできる企業の幅も広がります。
また、就職留年をすることで精神的な余裕も生まれます。
就職留年をすると、周りに就活生がいないので、誰かに就活の相談をしにくなってしまいます。就職留年の場合は、身近に同じ境遇の就活生がいて、相談したり愚痴を言い合ったりストレス発散ができるでしょう。
そのため、金銭的に余裕があるのならば、就職留年をするのも一案だといえます。
2.大学院に進学する
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路の2つ目は、大学院に進学することです。
就職留年とは違い、大学院に進むことで就活を2年程先に伸ばせます。2年間の間で自分に足りなかった経験を作れるのもメリットです。
もちろん、大学院では学部生では学べなかったことを学べ、新しいことを知れるので自分の力にもなります。
大学院入試は、9月から10月にある秋入試・1月から2月にある春入試があります。必要な書類を集める必要がありますが、自分のスキルを磨くために大学院に行くのも一案です。
3.フリーターとして働く
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路の4つ目は、フリーターとして働くことです。
就職留年をしない場合は、1年間就活以外やることがなくなります。1年間ずっと就職のことだけをするのは精神的にも金銭的にも厳しくなるでしょう。
フリーターをすると、社会経験を積めるだけではなく、生計を立てることもできます。
「フリーターをすると、就活に専念できなくなるのでは?」と思う人もいるのではないでしょうか。
確かに、シフトを入れすぎてしまうと、就活に影響を及ぼしてしまう可能性があります。優先するべきは就活であることを意識して、スケジュールの管理を徹底しましょう。
4.フリーランスになる
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路の5つ目は、フリーランスになることです。
フリーターとフリーランスはどう違うのだろうと思っている人もいるのではないでしょうか。
フリーターは、アルバイトで生計を立てる人のことをいいます。フリーランスは、会社に属さずに個人で仕事を請け負う働き方です。
フリーランスは、自分のスキル次第で仕事を依頼してもらい、仕事の量や時間を自分で管理できるのがポイントです。
また、自分の努力次第で仕事のスキルを伸ばせるので、就活にも役に立つでしょう。
「バイトだと店長や周りの人に申し訳なくてシフトを少なくしてもらうのは頼みづらい……」と悩む人は、フリーランスになるのも一案です。
5.留学する
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路の6つ目は、留学することです。
就職浪人の期間を留学に使うことで、英語のスキルを磨いたり、コミュニケーション能力を向上させたりできます。
また、現地の大学に入学して新たな自分の可能性を見つけだすこともメリットでしょう。
「自分には就活で話せるエピソードが何もなかった……」と落ち込んでいる人は、実績を作るために留学してみるのも一案です。
6.第二新卒として転職する
就職に成功しなかった際の就職浪人以外の進路の7つ目は、第二新卒として転職することです。
第一志望にどうしても入りたくて就職浪人をするべきか悩んでいる人は、今一度就職浪人をするかどうかを考えてみましょう。
上記でご紹介したように、就職浪人が就職をするハードルは格段に上がります。内定をもらっていた企業も内定をもらえなくなったり、書類面接で落ちてしまったりすることもあります。
もちろん、希望の企業を諦めきれないのなら就職浪人をするのもひとつの手ではありますが、スキルを身につけて転職するほうが時間的にも金銭的にも得策でしょう。
どうしても新卒として入りたいのか、本当にその企業じゃないと駄目なのか、どうしてその企業に入社したいのかをもう一度考えてみることをおすすめします。
就職浪人として就活をする際の4つの注意点
「就職浪人として就職をもう一度頑張ろう」と決意した人もいるのではないでしょうか。
以下では、就職浪人として就活をする際の4つの注意点をご紹介します。
注意点1.就職浪人になった理由を言い訳しないこと
就職浪人として就活をする際の1つ目の注意点は、就職浪人になった理由を言い訳しないことです。
言い訳をしてしまうと、嘘だとわかってしまった場合に「不誠実な人間だ」「信用できない」と思われてしまいます。そのため「どうして就職浪人したのですか?」と聞かれた際に、「病気になってしまって……」のような嘘をつくのは避けましょう。
「就活の準備を始めるのが遅かった」と素直に自分の原因を話すと、自己分析できていることが伝わります。
嘘をつかず、誠実に就活を行いましょう。
注意点2.自己PRやエントリーシートを作り直すこと
就職浪人として就活をする際の2つ目の注意点は、自己PRやエントリーシートを作り直すことです。
「去年書類選考は通ったから、自己PRやエントリーシートは作り直さなくていいか」と甘く考えている人もいるのではないでしょうか。
既卒の就活は、新卒の就活よりも格段に不利なことを自覚する必要があります。
去年と同じレベルの自己PRやエントリーシートだと、書類選考を突破できない可能性は高いです。
「時間がなくてできない」は、既卒の就活では通用しません。思うような結果が出なかった面接で使った自己PRやエントリーシートを使い回すのではなく、改めて作り直すのがよいでしょう。
注意点3.よくある質問の回答例を作っておくこと
就職浪人として就活をする際の3つ目の注意点は、よくある質問の回答例を作っておくことです。
「どうして就職浪人をしてしまったのですか?」「この一年はどのように過ごされましたか」のように答えづらい質問は、準備をしていないと印象の悪い答えになってしまいます。
例えば「いや、あのー……就活を始めるのが遅くて……」のようなしどろもどろな回答をしてしまうとポジティブな印象を与えることは難しくなります。
答えづらい質問や後ろめたい質問には、入念に回答を準備しておくようにしましょう。
注意点4.辛い就活でも最後まで頑張り抜くこと
就職浪人として就活をする際の4つ目の注意点は、辛い就活でも最後まで頑張り抜くことです。
新卒の際の就活で心が削れる思いをした人も多いでしょう。既卒の就活は、自分次第でさらに厳しいものになってしまう可能性があります。
就活でつらい思いをすると「来年また頑張ればいいや」と思って、辛いことを先延ばしにしてしまうかもしれません。
しかし、先に伸ばせば伸ばすほど、就活はさらに辛く厳しいものになります。
「この一年で終わらすぞ」と決めたのなら、一年で就活を終わらせられるように努力を重ねることをおすすめします。
就職浪人をする場合のデメリットを知った上で対策をしよう
- 就職浪人は、新卒ではなく既卒扱いされることが多い
- 学費を払って就職留年したり、留学や大学院に行ってスキルを身につけたりする方法もある
- 最後まで諦めずに就活を続ける
本記事では、就職浪人が就活をする際の注意点や就職浪人以外の進路などを詳しくご紹介しました。
就職は自分が否定されているように感じるほど辛く苦しく感じる人も多いでしょう。しかし、志望した企業に自分があっていないだけで、自分自身に問題があるわけではありません。
再度就活する際には、自分の希望を明確にし、入念に準備を行い、冷静に就活を進められるといいでしょう。
本記事を参考に、就職浪人をするデメリットを理解した上で就活に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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