自分ならではのキャリアを歩みたいと思ってはいるけれど、「自分にとって本当に大切な価値観がわからない」「どの道に進むか、なかなか決められない…」と悩み、一歩踏み出せないでいる人は少なくないのでは?
将来の目標を定め、その実現に向けて行動を始めているビジネスパーソンは、自分ならではの価値観をどうやって見つけたのでしょうか。
株式会社ウィルゲートの西本卓真さん(23歳)は、就職活動を始めた当初は大手企業を志望していましたが、就職活動を通して自分の価値観に気づき、ベンチャー志向に転換。現在、新卒1年目社員として、先輩のサポートを受けながらコンサルティング事業に携わっています。
どうやって“自分の価値観”に気づくことができたのか?もともとは大手志望だったのに、就職先としてベンチャー企業を選んだ理由とは?西本さんに取材しました。
一人ひとりのwillを実現「ウィルゲート」
株式会社ウィルゲートは、SEOコンサルティングとウェブ記事作成支援を中心に、デジタルマーケティング全般のコンサルティングを展開する、2006年設立のベンチャー企業。
「一人ひとりが自身のwill(意思・想い・やりたいこと)を実現する」を理念に掲げ、現在はデジタル変革と働き方変革を核にサービス領域を拡大。
同社が運営している「プロモ二スタ」では、コンテンツマーケティングとコンテンツSEO、SEO対策を中心にwebマーケティング関連の最新情報やノウハウ、同社の事例を発信しています。
約30社のインターンに参加
西本卓真さんは1997年8月生まれ、現在23歳。
大学では理学部物理学科に所属し宇宙物理学を専攻。もともとは大学院に進学して研究者になりたいと考えていましたが、「自分も一度は就職活動を経験してみてもいいのではないか」と考えて、大学3年生の時に就職活動をスタート。
就職活動では、短期インターンも含めると、約1年間でおよそ30社ものインターンに参加したそうです。
-----約30社ものインターンに参加したのはなぜですか?
西本さん:自分の進む道を判断するにあたって、まずは社会や会社を実際に自分の目で見たいと思ったからです。
自分がまだ知らない大学の外の世界を知るために、大学があった関西のインターンだけでなく、東京の企業のインターンにも参加。業界も、クレジットカード会社やITベンチャー、金融系の企業など、幅広く見るようにしました。
大手企業のインターンで気づいた違和感
西本さんは、就職活動を始めた当初は、年収の高さやシェアの大きさといった大手企業の“ハード面”に魅力を感じ、外資系戦略コンサルティングファームや財閥大手企業、クレジットカード会社といった、大手企業を中心にインターンの選考に数多く参加していたそうです。
しかし、大手企業のインターンに参加していく中で、「待遇や企業のネームバリューなどのハード面を重視して就職先を選択して、果たして納得できるのか…」「自分の価値観とは、あまりフィットしないのではないか」といった違和感を抱くようになり、途中からベンチャー企業のインターンや選考を受けるようになったといいます。
-----どうやって“違和感”に気づくことができたのですか?インターンをするにあたって大切にしていた視点を教えてください。
西本さん:インターンでは、その企業の社員の方々がどんな意思・想いを持って働いているのか、また、その会社の事業がどういう人のためになるのか、という2点を見るようにしていました。
-----社員の方々の意思・想いを知るために、具体的にどのようなアクションをしましたか?
西本さん:社員の方々に直接「どうしてこの会社に入ったのですか?」と聞いて、働いている人たちがどういう想いを持っているのかを探りました。
大切なのは“一緒に成長していきたいか”
そうして、さまざまな会社の人とインターンや選考を通して接する中で、自分が本当に大切にしたいのは、「一緒に成長していきたいと想える組織かどうか」「自分の仕事が三方に対して良い影響を与えているのか」といった“ソフト面”だと気づき、大手企業中心だった就職活動からベンチャー企業に絞った就職活動にシフトしたそうです。
-----「一緒に成長していきたいと思える会社」として、ベンチャーに絞ったのはなぜですか?
西本さん:ベンチャーのほうが、一緒に成長したいと思える人(=社長)が近くにいる環境で働くことができ、かつ、その会社の成長に対して自分が寄与できる幅が大きいと思ったからです。
-----就職先としてウィルゲートを選んだ理由は?
西本さん:複数の企業の最終面接に進み、どの企業を選ぶか迷っていた時に、ウィルゲートの社長 小島が執筆した本「ウィルゲート 逆境から生まれたチーム」という本を読みました。
その本で、ウィルゲートはかつて「ウィルゲートショック」というピンチに陥ったが、会社の体制を整えて乗り越えたことを知り、そのエピソードに心を動かされました。また、成功体験だけではなく失敗体験も紹介する人間味のある姿勢にも共感し、「この会社で理想の会社づくりに向けて一緒に歩んでいきたい」という想いが強まりました。
新卒ならではの視点を大切に
就職してからおよそ3カ月。インターン時代よりも携わる業務の幅が格段に増えた中、西本さんは先輩のサポートのもと、SEOコンサルティング業務に取り組んでいるそうです。
-----新卒として、仕事にどのように向き合っていますか?
西本さん:あたり前に感謝し、あたり前を疑うことを意識して仕事に取り組んでいます。
新卒の大切な役目として、今まであたり前とされているものに感謝しながら、新卒ならではの視点でそれを疑い、新しいものをつくっていくことが求められるのではないでしょうか。
そのため、仕事に取り組むにあたっては、「なぜ、これをやっているのか」「どういう意味があるのか」を常々考えながら取り組むようにしています。
-----入社してからこれまでに大変だったことは?
西本さん:覚えることが多く、目の前にある業務をこなすのが大変でした。
-----それを乗り越えるために、どんな工夫をしましたか?
西本さん:素直に聞くことが一番大切だと思っています。自分は何もわからない新卒だということを認識して、素直に周りに聞くように心がけています。
-----仕事をするにあたって、大切にしていることは?
西本さん:ビジネスにおいては、自分たちだけではなく、相手にもきちんと価値を感じてもらえることが良い状態だと思うので、「誰かに何かしらの価値を与えられているか」ということを意識して仕事するようにしています。
自分の決断を正解にする
-----最後に、「自分の大切なもの・価値観を見つけたい」と思っている就活生や若手ビジネスパーソンに向けてメッセージをいただけますか?
西本さん:僕が一番大切にしているのは「決断を正解にする」ということです。
自分のやりたいことや価値観を探すのは大切ですが、それで迷い続けるのはもったいない。そうではなく、決断するための情報を自分で集めて決断し、自分が選んだ道を“正解だ”と思えるように行動することのほうが、自分のためになるのではないでしょうか。
僕自身、いろいろな選択肢を経てたどり着いた現在の道が、本当に自分にとって最適なのかはわかりません。しかし、自分の決断を受け入れ、「ここで頑張っていこう」と思いながら、日々仕事に取り組んでいます。
西本さんのwill(意思・想い・やりたいこと)は、「必要な人に必要な情報を届け、その人々に幸せになってもらうこと」。
そのために、まずは同社の成長に貢献することで、自分の経験・知識・信頼を積み重ねて自己の成長につなげ、ゆくゆくは会社の名前ではなく自分の名前で一人前のコンサルタントになり、情報不足で損をする人を減らしたいと考えているそうです。
自分の選ぶ道を判断するにあたって、頭の中で考えるだけではなく、会社や働く人を自分の目で見ることで、自分の中に潜んでいた価値観に気づくことができた西本さん。
「自分の進む道は本当にこれでいいんだろうか?」「自分の価値観がよくわからない」と不安な人は、その決断や価値観が本当に自分に合っているのかを確認するために、西本さんのように実際にその現場に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
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