HOMECareer Runners 加点式でいこう!いま話題の『U25起業家シェアハウス』代表に学ぶ、未熟な自分と戦う方法

加点式でいこう!いま話題の『U25起業家シェアハウス』代表に学ぶ、未熟な自分と戦う方法

白井恵里子

2021/06/11(最終更新日:2021/06/14)


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日高隆之介さん/提供:Heimat 株式会社

社会人として仕事をするようになると、まず誰もが「未熟な自分」と出会います。知識や経験がなく、スキルもない…そんな自分としっかり向き合いながら前へ進んでいくためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか?

「できないことがあって当たり前なので、まずは未熟な自分を認めるところから始めました」25歳以下の起業家や起業志望者が集う『U25起業家シェアハウス』代表・日高隆之介さん(21)の言葉です。

以前は「自分はなんて仕事ができない人間なんだ…」と落ち込むこともあったそうですが、今ではうまく周囲に頼って楽しく仕事に臨んでいるという日高さん。その背景には、どのような経験や思考の転換があったのでしょうか。

25歳以下限定の「住める起業家育成プログラム」

U25起業家シェアハウスは、25歳以下の起業家/起業家予備軍に対して、「住める起業家育成プログラム」を展開するシェアハウス。

「起業をライフスタイルに」というミッションのもと、同世代の起業家・VC・エンジェル投資家との交流会や、先輩起業家によるアイデア壁打ちの機会などを入居者に提供。日常的に起業や事業アイデアについて語り合う環境を整えることで、「起業したいけれど一歩を踏み出せない」という人の背中をそっと押してくれます。

2020年12月にスタート以降、これまで調布と銀座にて展開。6月には新たに新宿三丁目にオープンし、30人以上の入居申し込みがあったそう。すでにここから起業家が誕生した実績もあり、まさに今注目のシェアハウスとなっています。

提供:Heimat 株式会社

エンジェル投資家との出会いがきっかけ

日高さんは、学生時代にベンチャー企業での営業インターンや映像制作のフリーランスなどを経験。

エンジェル投資家などとの出会いがきっかけで、昨年秋頃からU25起業家シェアハウスの立ち上げに関わるようになり、同年12月にシェアハウス第1弾(調布)をオープン。このスピード感には、目を見張るものがあります。

-----もともと起業を志していたのですか?

日高さん:経営者や個人事業主ばかりの家庭で育ったので、昔から「起業ってカッコいいな」「起業してみたいな」という漠然とした気持ちは持っていました。ただ、具体的にこんな事業を立ち上げたい!みたいなビジョンはなかったんです。

きっかけは、エンジェル投資家の冨山智広さんとの出会いでした。冨山さんには「インターン生としてお手伝いさせていただけないか」という目的でお会いしたのですが、お話をしていくなかで「君、起業したほうがいいよ」と言われて(笑)。

「え?インターン探してるんですけど…?」と目が点になりましたね。ユニークなことばかりしている、営業インターンの実績、グローバルなビジネスに挑戦したいと思っている、といった自分の特徴を汲み取って、そう言ってくださったのだと思っています。

-----そこからU25起業家シェアハウスが生まれた経緯について教えてください。

日高さん:実際に冨山さんの出資先視察に同行させていただいて、彼の本気を目の当たりにしたことが始まりでした。

どんな事業を立ち上げるか、色々アイデアはあったのですが、「世界規模のイノベーションを日本で起こす」「起業をライフスタイルに」と言ったキーワードや、冨山さんとの話のなかでU25起業家シェアハウスの構想が生まれたんです。

「シェアハウスやろう!」と決まったのは昨年11月頃。翌月の12月には、調布で第1弾をオープンしていました。

-----すごいスピード感ですよね。U25起業家シェアハウスでどんなことをやるか、という企画内容もその1カ月で日高さんが考えたのですか?

日高さん:いえ、「まずは立ち上げてみよう!」ということで、物件を探して集客して…ということだけです(笑)。

実際に集まってくださった入居者の皆さんに、「何がしたい?」「どんなプログラムを求めている?」と話を聞いて、そこから具体的な内容をつくっていきました。

冨山さん(左)・日高さん(右)/提供:Heimat 株式会社

熱狂する若者が集うシェアハウス

U25起業家シェアハウスの展開期間は、およそ1カ月。この期間、入居者はとことんワークショップなどのインプットや事業アイデアのブラッシュアップを行います。

実際に起業家を輩出した実績もあり、回を増すごとに入居者の緊張感や本気度も増しているのだそう。

-----入居者の方々を一言で表現すると?

日高さん:「熱狂」ですかね。常に事業のことを考えている、熱い若者の集まりです。

一緒に暮らしている人たちなので、例えば「何時から何時まで」といった時間の区切りがあまりない。夜な夜なテラスで事業について語り合う時間が本当にエモーショナルなんですよね。

そういった"暮らしのなかの会話"から新しいアイデアや「それ、いいね!いけるよ!」という勢いが生まれるんです。そしてその翌日、そのアイデアをメンターに打診して、気持ちいいほどにダメ出しされたり…(笑)。

ここで生まれる繋がりや熱狂が、確実に入居者の皆さんの背中を押していると確信しています。

提供:Heimat 株式会社

できない部分も含めて自分を認める

そんな熱狂する若者を集め、シェアハウスの活動を確実に広げている日高さんですが、以前は自分の未熟さゆえに悔しい想いをしたこともあったといいます。

-----ご自身の力不足や経験不足を感じた時、やってよかった思考の転換などはありますか?

日高さん:メンターさんや仕事仲間など、頭のキレも良くて仕事のできる人たちに囲まれていると、「この人たちのスピードについて行けない」「自分は、なんて仕事のできない人間なんだ…」と落ち込むことがありました。

でも、いったん未熟な自分を認めて、「できないことがあって当たり前」「自分は"まだ"できないだけ」と気持ちを切り替えたことで、メンタルがブレなくなりましたね。

自己否定するのではなく、できない部分も含めて自分を認めることからスタートすると、人にも頼れるし、うまくいった時に"加点"ができる。減点方式だとどんどんネガティブになってしまうし、そもそも全部自分ひとりでできるわけがないですから。

-----うまく人に頼ることもできるようになったのですね。

日高さん:苦手なことや経験のないことは、それを得意としている人に頼れるようになりました。

でも、代表者として、しっかり責任は取りたいと思っています。

冨山さんから以前、こんな言葉をかけてもらいました。「強くても、竜の尻尾にはなるな。弱くても、鶏のように前に出ろ」

誰かの後ろにくっついて責任逃れするのではなく、リーダーとして責任をもってちゃんと「出しゃばる」ことを忘れてはいけないんです。このことは常に意識しています。

-----最後に、今後の目標についてお聞かせください。

日高さん:U25起業家シェアハウスでは、今後もう少し長い期間のプログラムをつくって、"アクセラレーターシェアハウス"をやってみたいですね。例えば3カ月間という長期で、最終日にはデモデイもあって…そんな本格的なプログラムを今年中に実現したいです。本気で、日本のYコンビネーターを作りたいと思っています。

個人としては、将来的には中国やアメリカなど海外でスタートアップをするのが夢なので、それに向けて今はU25起業家シェアハウスの運営を通じて幅広い知識や経験を得ていきたいです。

取材の様子(オンライン)

「自分ひとりでできるはずがない」「できなくて当然」と未熟な自分を認めることで、加点方式に切り替えたという日高さん。その思考転換のおかげか、「U25起業家シェアハウスの運営が楽しくてしかたがない!」という様子もひしひしと伝わってくるインタビューとなりました。

今、自分の足りない部分にばかり目がいってしまう人は、まずはそんな自分を肯定することから始めてみると、楽しみながら成長することができるかもしれませんね。

出典元:U25起業家シェアハウス

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