就活で必要になる「送付状」の書き方がわからない人も多いのではないでしょうか。また、送付状について詳しく知らない人もいらっしゃるでしょう。
本記事では、送付状の書き方や必要な項目、書くときに気をつけたいポイントなどをご紹介します。
マナーを守った送付状を書くことで、企業に好感をもってもらえるようになりましょう。
- 就活で必要になる「送付状」とは?
- 就活で使う送付状に必要な項目
- 送付状を書くときに気をつけたいポイント
就活で必要になる「送付状」とは?
「送付状(そうふじょう)」という言葉を聞いたことはあるけれど、よくわからないという人もいるのではないでしょうか。
まずは「送付状」とは一体どういうものなのかをご紹介します。
送付状をつけて郵送する目的
書類を郵送するときに必要になる「送付状」は、どのような種類の書類が何枚入っているかを確認するためのものです。
書類を受け取る側は、送付状を見ればどのような書類が入っているのかすぐに確認できます。もし送付状にあるのに入っていない資料があれば、ミスが起きていることも把握できます。
また、送付状には、本題にスムーズに移行してもらうための潤滑油のような役割も持っています。
履歴書や職務経歴書という本題を相手に一方的に押し付けるのではなく、送付状によって「ご査収いただけますと幸いです」のように書類を見てもらうことをお願いできます。
就活では履歴書などの書類を郵送するときに必要になる
「送付状をつけずに書類を送ってしまった」という人もいるのではないでしょうか。また、送付状は必要ないだろうと思っている人もいるかもしれません。
送付状をつけずに書類を送ることは、書類を送るためのマナーが守れていないとみなされ、相手に悪い印象を与えてしまう可能性もあります。
書類を送るときには、次からは確実に送付状をつけるようにしましょう。
就活で送付状がいらないケース
就活では、書類を準備しても、送付状がいらないケースもあります。送付状がいらないケースとは、「書類を持参する場合」です。
書類を手渡しで渡す場合は、郵送する場合と比べて書類を紛失するリスクがないため、送付状は必要ありません。
しかし、書類を持参する場合でも「封筒」に入れて持ち運ぶようにしましょう。封筒に入れていなければ、書類が折れたり汚れたりする可能性があります。また、雨で濡れたり書類がばらばらになったりしないように、書類は一旦クリアファイルに入れてから封筒に入れるようにすることをおすすめします。
書類を手渡しするタイミングは企業によって異なりますが、受付で渡す場合と面接官に直接渡す場合の2パターンが基本です。
受付で渡す際は、面接官に書類が届くまで書類が汚れないように封筒に入れたまま渡しましょう。
面接官に直接渡す場合は、封筒から出してクリアファイルにいれた状態の書類を封筒の上に乗せて渡します。
どちらの場合も書類を持参しているので、送付状は必要ありません。
就活での送付状の書き方は?手書きのほうがいいの?
「履歴書を手書きで書いたから送付状も手書きのほうがいいのかな?」と思っている人もいるのではないでしょうか。
送付状は、手書きでもパソコンで作成してもどちらでも問題はありません。
送付状は封筒に入っている書類の内容を知らせるものであり、機械的な側面があります。そのため、熱意や気持ちを伝えるというよりも読みやすさを優先して「パソコン」で作成することをおすすめします。
パソコンで作成した場合、間違いがあったらすぐに修正できて楽に送付状を作れるでしょう。一方手書きの場合は、送付状に不備があると始めから送付状を書き直す必要があります。
忙しい就活生が時間を有意義に使うためにも、パソコンで作成するほうがよいでしょう。
就活で使う送付状に必要な項目
これまで送付状を書いたことがない人も多いのではないでしょうか。ビジネスシーン以外では、送付状を使うケースはほとんどないので、書いたこともなければ、見たこともないことも多いでしょう。
送付状は、決まった型に沿って作成すれば問題ありません。
以下では、就活で使う送付状に必要な項目について詳しくご紹介します。
1.郵送する日の日付
就活で使う送付状に必要な項目の1つ目は、郵送する日の日付です。
書類に日付を書き入れる場合は、「右上」に書くのが一般的です。
履歴書やエントリーシートが横書きなので、送付状も横書きに合わせましょう。横書きの場合の日付や数字は「アラビア数字」で書くのが基本です。
「2021年3月12日」のように「何年何月何日」まで正確に書きましょう。もちろん「令和◯年」と書いても問題ありません。
また、パソコンで作成する場合は、数字は「半角」を使いましょう。
日付は半角数字、書類の枚数は全角数字のように表記がぶれてしまうと、読みにくくなってしまいます。送付状を作成したら最後に数字がすべて半角になっているか確かめてみることをおすすめします。
2.宛先
就活で使う送付状に必要な項目の2つ目は、宛先です。
宛先を書くことで、間違いなく目的の郵送先に書類を渡せます。宛先は、書類の「左上」に書くのが基本です。
宛先は、相手の「会社名・役職・氏名」を書きましょう。
会社名を書くときは、略語を使わずに正式名称を書く必要があります。送り先が株式会社の場合、「〇〇(㈱)」ではなく「〇〇株式会社」と正式に書きましょう。
また、採用担当者個人に書類を送る場合は「人事部 〇〇様」と書きます。「〇〇人事部長様」と書くと、敬称が重なってしまうのでNGです。
相手の名前がわからない場合は「人事部 採用ご担当者様」と書きましょう。
会社や部署などの書類を見てもらいたい対象が複数の場合は、「様」ではなく「御中」を使います。「〇〇株式会社 御中」や「〇〇株式会社 人事部 御中」のように書きましょう。
3.名前・住所・連絡先などの自分の情報
就活で使う送付状に必要な項目の3つ目は、名前・住所・連絡先などの自分の情報です。
書類に万が一不備があった場合すぐに連絡が取れるように自分の情報をしっかり載せましょう。また、自分が作った文書であることを証明する意味もあります。
自分の情報は、宛先の右下に書くのが基本です。
郵便番号・住所・電話番号・氏名の順番を守って記入しましょう。
4.タイトル
就活で使う送付状に必要な項目の4つ目は、タイトルです。
住所や名前を書いた後は、タイトルを中央に書き入れましょう。
「応募書類の送付につきまして」「応募選考書類のご送付の件」「書類送付のご案内」のようなタイトルが一般的です。
5.挨拶文
就活で使う送付状に必要な項目の5つ目は、挨拶文です。
ビジネス文書では「拝啓」のような頭語が必要になります。
また、「拝啓」の後には、時候(じこう)の挨拶・相手の今後の発展を願う言葉を書きます。
時候の挨拶とは、「新春の候」「新春のみぎり」「新春の折」のように季節感を表す礼儀文です。季節や月が変わるにつれて、時候の挨拶は変化します。
以下では、時候の挨拶を月別にご紹介します。「これがいいな」と思うものを選んで使ってみてはいかがでしょうか。
- 1月:寒冷 厳寒 初春 新春
- 2月:立春 春寒 季冬 余寒
- 3月:早春 浅春 春暖 水ぬるむ
- 4月:桜花 陽炎 暮春 花曇り
- 5月:薫風 立夏 新緑 若葉
- 6月:梅雨 薄暑 初夏 向暑
- 7月:猛暑 大暑 炎暑 酷暑
- 8月:残暑 晩夏 立秋 新涼
- 9月:初秋 新涼 新秋 仲秋
- 10月:秋雨 秋晴 夜長 初霜
- 11月:晩秋 深秋 深冷 落葉
- 12月:初冬 師走 新雪 歳晩
上記の言葉に「〜の候」をつけると、簡単に時候の挨拶がかけます。
また、相手の今後の発展を願う言葉は「貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます」「貴社ますますご繁栄のことと存じます」「貴社におかれましてはますますのご繁栄のこととお慶び申し上げます」のような文章が使われます。
「拝啓 初春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」のように書き入れると、いい挨拶文になるでしょう。
6.書類を送付する目的
就活で使う送付状に必要な項目の6つ目は、書類を送付する目的です。
挨拶文を書いた後には、どうして書類を送ったのかを簡単に書きましょう。
「このたび、貴社の新卒採用において選考の機会をいただきたく、下記の通り応募書類をお送りいたします」「貴社の新卒採用にご応募させていただきたく、応募書類一式を同封いたします」などが一般的に使われています。
書類を送付する目的を書く際には、相手の会社を表す尊敬語を間違えないように注意が必要です。
特に間違えやすいのは「御社」と「貴社」。御社は「話し言葉」であり、貴社は「書き言葉」なので、声に出して話す際は御社を使いましょう。送付状は、書いて提出するものなので「貴社」と書きます。
細かな言葉遣いで知識や教養の差が出るものだと思って、言葉遣いを意識してみることをおすすめします。
もっと会社を表す尊敬語・謙譲語などが知りたい人は「「当社・弊社・貴社・御社」の違いは?ビジネスにおける会社の正しい呼び分け方を解説!」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
7.相手にお願いする内容
就活で使う送付状に必要な項目の7つ目は、相手にお願いする内容です。
書類を送った目的を書いた後には、書類を相手にどうしてほしいのかを伝える文章を書きましょう。
「ぜひご検討のほど、宜しくお願い申し上げます」「ご検討の上、ぜひとも面接の機会をいただけますと幸に存じます。ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」「選考の機会をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします」などが一般的に使われています。
「お願い申し上げます」のような言葉が見慣れない人も多いのではないでしょうか。
フォーマルなシーンでは、フォーマルな言葉を使えるように今のうちに慣れておきましょう。就活時に身につけた言葉遣いは、社会人になっても必ず役に立ちます。
就活で「わかった」ということを伝えたい際に使える表現を知りたい人は「【敬語の意味・違い】承知しました/了解しました/かしこまりました/了承しました」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
8.結語
就活で使う送付状に必要な項目の8つ目は、結語です。
頭語と結語は、決まった組み合わせがある言葉です。
「拝啓」という頭語を使った場合は、他にも「拝啓」と一緒に使える結語はありますが、一般的に「敬具」という結語を使います。
「謹白」「草々」などの結語を知っていても、「拝啓」とは一緒には使えないので、避けておきましょう。
就活では、頭語を「拝啓」結語を「敬具」と書くと簡単に覚えておくことをおすすめします。
9.同封書類の内容
就活で使う送付状に必要な項目の9つ目は、同封書類の内容です。
送付状で一番大切な内容は、送付状の最後に書きます。
まず、「記」という文字を書類の真ん中に書きます。
「記」は、同封書類の内容を伝える際に箇条書きで記入することを伝えるものです。
「記」の下に、左揃えで書類の種類と枚数を書き入れましょう。
すべての書類を書き入れたら、左下に「以上」と書きます。
以上と書くことで、送付状の伝えたい内容が終わりであることが相手に伝わるでしょう。
就活の送付状はテンプレートを作成しておくと便利
送付状を企業毎に作るのは、大変に思う人も多いのではないでしょうか。
送付状を作成する際はテンプレートを作成しておくと、効率よく送付状を作れます。
テンプレートを使う際は、必ず企業の名前や住所を変えることを忘れないようにしましょう。
以下では、就活で使えるおすすめのテンプレートをご紹介します。
送付状を書くときに気をつけたいポイント
送付状の書き方をご紹介しました。書き慣れない送付状はテンプレートを使うと簡単に作成できます。
以下では、送付状を書く際に気をつけたいポイントについてご紹介します。
テンプレートを使う場合でも以下のポイントを気をつけるようにすることをおすすめします。
ポイント1.送付状のサイズは履歴書のサイズにあわせる
送付状を書くときに気をつけたいポイントの1つ目は、送付状のサイズは履歴書のサイズにあわせることです。
履歴書の市販のサイズは、折りたたんで売られている状態で「B5」サイズです。B5とは縦257mm横182mmのものをいいます。
自分の履歴書がB5サイズなのか確かめてから、送付状のサイズを決めることをおすすめします。
ポイント2.書類を送るときには、送付状が1番上になるようにする
送付状を書くときに気をつけたいポイントの2つ目は、書類を送るときには、送付状が1番上になるようにすることです。
送付状は、送付状以外の書類を説明する「お品書き」のようなものです。
一番始めにどんな書類があるのかを確かめてもらうものなので、必ず書類の一番上にくるようにしましょう。
送付状・履歴書・職務経歴書などの書類の順に封筒に入れて、間違いがないか確認してから郵送することをおすすめします。
ポイント3.自己PRや希望している条件などを書かない
送付状を書くときに気をつけたいポイントの3つ目は、自己PRや希望している条件などを書かないことです。
送付状は、あくまで書類を確かめてもらうためのものなので余計なことは書かないようにする必要があります。
自己PRは数行程度なら書いても問題ありませんが、長々と自己PRを書くのはNGです。
また、休日日数や勤務時間などの希望している条件を書くのは避けておきましょう。
希望条件をどうしても書きたい場合は履歴書にある「本人希望欄」に書くことがマナーです。恣意的に自分の条件を押し付けると、心証が悪くなる恐れがあるので注意することをおすすめします。
送付状の内容と同封物が一致しているのかよく確認しておこう
- 書類を郵送する場合は、必ず「送付状」を同封する
- 書類を手渡しする場合は、送付状は必要ない
- 書類を送るときには、送付状が一番上にくるように封筒に入れる
本記事では、書類を郵送する場合に必要になる送付状の目的や書き方、注意したいポイントなどを詳しくご紹介しました。
慣れないことがたくさんある就活で、送付状を作成するだけでも大変に思う人も多いのではないでしょうか。
テンプレートを活用して、企業の住所と相手の名前だけを変更すれば使えるように準備しておくことをおすすめします。
しかし、手を抜きすぎて誤字脱字や相手の名前を間違えるなどのミスをしないようにしましょう。
本記事を参考にマナーを守った送付状を作成してみてはいかがでしょうか。
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