「就活の軸」がまだ決まっていない人も多いのではないでしょうか。
就活の軸は面接でも頻出の質問項目ですが、単に面接対策としてだけではなく、就活の軸を決めることには、たくさんのメリットがあります。
本記事では、就活の軸のメリットや決め方、面接での就活の軸の答え方などを詳しくご紹介します。
就活の軸について悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
- 就活の軸を決めておく3つのメリット
- 就活の軸の決め方・見つけ方5つの方法
- 就活の軸の面接での答え方の3つのポイント
就活の軸とは?
「就活の軸」をよく知らない人もいるのではないでしょうか。
就活の軸とは「これだけは譲れない」と自分の中で思っている就活における基準のことです。
例えば「人を助けられる仕事をしたい」「IT系企業に入社したい」「食品に関わる仕事がしたい」などが就活の軸になります。
「就活の軸はなんですか?」と面接で聞かれるほど、就活の軸は就活において大切な存在です。
自分にとっての就活の軸とは何なのか考えたことがない人は、就活の軸を考え言語化してみることをおすすめします。
軸はなぜ必要なの?就活の軸を決めておく3つのメリット
ではなぜ就活の軸は、就活において必要だといわれているのでしょうか。
以下では、就活の軸を決めておくことのメリットをご紹介します。
1.就職してから「やっぱり違った」を防げる
就活の軸を決めておくメリットの1つ目は、就職してから感じる可能性がある違和感を防げることです。
軸を明確に決めずに就職先を決めてしまうと、いざ働き始めてから「なにか思っていたのと違うな」と後悔してしまう可能性があります。
就活は内定が取れたらそれでいいのではなく、今後の人生を決める大切なものです。新卒で就職した会社がこの後の人生やキャリアに大きな影響を与えます。
未来の働いている自分にとって「その会社で本当にいいのか」「自分の価値観と合っているのか」などの自分の軸との差異を考えておく必要があります。
就活の軸を決めて就活をすると「〇〇がしたくて入社したのだから頑張ろう」となり、前向きに仕事を頑張れるようになるでしょう。
2.企業・会社選びをするときの判断基準となる
就活の軸を決めておくメリットの2つ目は、企業・会社選びをするときの判断基準となることです。
経済産業省によると、日本には421万もの企業があると発表されています。
大企業だけでも1.2万社もある中、特にこれといった軸がない場合は自分にあった企業を選ぶのは難しいでしょう。
例えば「人を説得したり、人に喜んでもらえる営業職につきたい」のような軸があると、企業も絞れていき自分の価値観にあった企業を選びやすくなる可能性が高いです。就活の軸は、企業選びの条件になると考えておくといいでしょう。
3.面接対策になる
就活の軸を決めておくメリットの3つ目は、面接対策になることです。
就活では「あなたの就活の軸はなんですか?」という質問が頻繁に聞かれます。これは、企業が就活生の価値観を知り、企業とマッチングするか確かめるためです。
就活生にとって、マッチングしない企業に就職することは就職後後悔する可能性がありますが、企業にとっても離職率が高まるためマイナスです。そのため、事前に就活生が自分の価値観を把握しているのか、そしてその価値観が自社とマッチしているのか、求めている働き方ができるのかは確かめたい項目です。
就活の軸を決めておくと、この質問に迷わずに堂々と答えられるようになります。
もっと頻出の質問が知りたいという人は「就活での採用面接でよく質問される25項目と質問の意図【就活の面接対策】」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
企業が「就活の軸」を聞く理由とは?
では、どうして企業は就活の軸を聞いてくるのでしょうか。
先程も紹介したように、企業が就活の軸を聞く理由は企業と就活生の「価値観」が合っているかを確かめるためです。
例えば就活生の就活の軸が「営業職で自社の商品を売って人を幸せにしたい」であることを伝えると、営業職を担える人を採用したいと思っている会社は、就活生を魅力的に感じるのではないでしょうか。
逆に、営業職ではなく事務職がほしいと思っている会社とは「価値観」が違うとなり、縁がなかったことが早めにわかります。
もし就活の軸を伝える機会がなければ、自分の希望ではない仕事につくことになったり、理想の環境で働けなかったりすることもあります。就活後の自分が「やりたかったこと」とは違うことをやることに耐えられずに仕事をやめてしまうと、また就活をしなければいけません。
企業にとっても大切な新入社員が仕事をやめることになるのは、指導した時間やコストが無駄になってしまうため、避けたいと思っています。
「就活の軸」によって早めに価値観の違いを知っておくことは、お互いの将来にとってもいいことだといえるでしょう。
就活での企業・会社選びの軸の例
「就活の軸といっても具体的に何があるのかよくわからない」「ざっくりとした軸はあるけれど、深い理由はない」という人もいらっしゃるかもしれません。
以下では、就活での企業・会社選びの軸の例をご紹介します。
まだ軸が決めっていない人は、例を参考に自分の軸を考えてみてはいかがでしょうか。
「やりがい」を軸にする場合
「やりがい」を軸にする場合は、何についてやりがいを感じるのかについてを考えてみることをおすすめします。
例えば「やりがいを感じられる御社の仕事に携わりたいです」と伝えたとしても、自分がどのような点にやりがいを感じるかが伝わりません。
やりがいを感じるところは人それぞれなので、自分にとっての「やりがい」が何かを言語化しましょう。
また、仕事やバイト、インターンなどの実際にやりがいを感じたエピソードを伝えられると、説得力のある就活の軸になります。
「この会社の仕事内容に惹かれるな」と思っている場合は、具体的に何に対して心を動かされているか言語化してみることをおすすめします。
なんとなく思っていることを言葉にすることで、自分の軸が見つかるのではないでしょうか。
「社会貢献」を軸にする場合
「人のために役立つ仕事をしたい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
「社会貢献」を軸にする場合は、どのような仕事でも社会に貢献しているので、「どうしてこの職種じゃないとだめなのか」を考える必要があります。
例えば「保険会社に入社したい」と思っている人は、自分が仕事をすることで「安心して医療サービスを受けられるように人を支える」という社会貢献のひとつを成し遂げられるでしょう。
どうして「医療サービス」で人を支えたいと思ったのか・どのように仕事に関わるのかなどを具体的に考えることで、よりしっかりした就活の軸が見つかります。
「人」を軸にする場合
「働くなら優しい人たちとのびのびと仕事したい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
「人」を軸にする場合は、入社前に希望の企業の内情を深く知る必要があります。
例えば「担当の人事さんが優しかったから」という理由では、浅い就活の軸になってしまいます。会社は1人で成り立っているわけではなく、またその人だけと働くわけではありません。
「人」を軸にする場合は、インターンや説明会などで希望の企業をよく知っておきましょう。会社のイベントに参加することで、会社の雰囲気がわかり説得力のある就活の軸になります。
就活の軸の決め方・見つけ方5つの方法
「就活の軸が見つからない」と頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。
以下では、就活の軸の決め方や見つけ方をご紹介します。自分の軸が何なのか考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
就活の軸の決め方1.自己分析を行う
就活の軸を決めたり、見つけたりする方法の1つ目は、自己分析を行うことです。
「自分が何をしたいのかがわからない」と就活で迷っている人もいるのではないでしょうか。「どの職業・職種に携わりたいのか」「企業の選び方」がわからない人は、「自己分析」を行いましょう。
すでに自己分析をやってみたことがある人も多いのではないでしょうか。
自己分析をしても何も収穫がなかった人は、自己分析の質が浅い可能性があります。もう一度自己分析をしてみて、自分のことを知ってみましょう。
自己分析の基本的なやり方は「なぜ」を繰り返し考えることです。
例えば自分にとって大切な思い出や出来事を思い出してみましょう。高校のときに部活を頑張ったことを思い出した場合は、「なぜ」部活を続けられたか、「なぜ」その部活にしたのかなどを考えてみるといいでしょう。
なんとなく選んだと思っていても、よく考えてみると理由や自分なりの価値観がある場合もあります。
また、自分の経験を思い出すときは「5W1H」を使って、深く具体的に思い出してみましょう。
「自分は、学校とバイトの毎日で何も経験していない……」と、自分にはなにもないと絶望している人もいるのではないでしょうか。「何もやってこなかった」と思っている人は、大学の授業でのチームを組んでやる発表やバイトの経験などを深堀りしてみましょう。
留学や特別な賞を取っていないと、就活ができないわけではありません。日常の中の小さなことにフォーカスして、自分の経験を振り返ってみてはいかがでしょうか。
就活の軸の決め方2.他己分析を行う
就活の軸を決めたり、見つけたりする方法の2つ目は、他己分析を行うことです。
「自己分析と他己分析ってどう違うの?」と思っている人もいるのではないでしょうか。他己分析とは、自分のことを他人に分析してもらうことです。自分のことは一番自分が知っていると思っている人もいるでしょうが、自分の知らない自分を知っているのが友だちや家族です。
心理学者のジョハリによると、「自分には4つの側面」があるようです。
1つ目は、自分が知っていて他人も知っている側面です。1つ目の側面は、自己分析でも他己分析でも発見できます。
2つ目は、自分が知っていて他人が知らない側面です。2つ目の側面は、自己分析でしかわからないものなので、自己分析を行う必要があります。
3つ目は、自分が知らなくて他人が知っている側面です。3つ目の側面は、他己分析でしかわからないものです。そのため、他己分析をして自分が知らない自分を知ってみましょう。
他己分析をしてもらうことで受け入れられないことを言われて、「両親や友だちが言っていることは間違っている」と思ってしまう可能性があります。しかし、相手だけが知っている自分のことを受け入れて、改善が必要なら改善をしてみましょう。
4つ目は、自分が知らなくて他人も知らない側面です。未知の自分を知ることは難しいですが、自分と向き合うことで知らなかった自分の側面がわかるかもしれません。
自分を見つめ直すことは時に苦痛を伴いますが、今後の人生を決めるためにも向き合ってみましょう。
就活の軸の決め方3.OB・OG訪問を行う
就活の軸を決めたり、見つけたりする方法の3つ目は、OB・OG訪問を行うことです。
OB・OG訪問とは、就職をした大学の先輩の話を聞くことです。
OB・OG訪問をすると、先輩のリアルな就活についての話が聞けます。先輩の就活の軸を聞いてみたり、先輩の働いている会社の内情を聞いてみたりしてみましょう。
まだ社会人としての経験がない自分と比べると、働いている先輩はより広い視野を持っています。いろいろな人から話を聞くことで、自分の視野を広げてみることをおすすめします。
「〇〇業界は忙しいって噂で聞いたから、嫌だな」と思っていても、実際に話を聞いてみると「やりがい」を感じる仕事であることもあるでしょう。
自分の視野を広げてみると、やりたいことや就活の軸が見つかるのではないでしょうか。
就活の軸の決め方4.インターンを行う
就活の軸を決めたり、見つけたりする方法の4つ目は、インターンに参加することです。
インターンをすることで、その企業の実情や企業の空気感がわかるようになります。
長期インターンで実際に業務に関わると「やりがい」を感じたりその企業で働く「人」のよさがわかったりします。
また、インターンに行くことで「なんとなくこの仕事とは合わない気がする」と思うこともあるでしょう。
違和感を覚えてインターン先の職種を諦めるのは、決して「時間の無駄」にはなりません。自分には合わないことがわかったことは大きな収穫になります。また「なんとなく」違うと感じたのなら、なぜ違うと感じたのかを深堀りすると、自分の軸が見えてくる可能性があります。
このように、インターンに参加すると軸が決まったり、軸を感じるきっかけになったりするので、インターンに参加してみてはいかがでしょうか。
就活の軸の決め方5.自分の考えを友だちや家族に話してみる
就活の軸を決めたり、見つけたりする方法の5つ目は、自分の考えを友だちや家族に話してみることです。
就活の軸がなかなか決まらず就活に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
友だちや家族に自分が今思っていることを話すことで気持ちが楽になります。気持ちが落ち着くことで、冷静にものごとを考えられるようになる可能性があるでしょう。
また、自分の悩みを言語化することで、客観的に自分を見えたり考えがまとまったりします。
アドバイスをもらうことで、自分の軸を見つけられる可能性があるので、友だちや家族を頼ってみるのもおすすめです。
就活の軸を決めるときに知っておきたい3つのポイント
就活の軸がなんとなく決まってきた人もいるでしょう。
次に、就活の軸を決めるときに知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
ポイント1.複数ある場合は、優先順位をつける
就活の軸を決めるときに知っておきたい1つ目のポイントは、複数ある場合は、優先順位をつけることです。
「仕事をする環境がいい」「給料が高い」「福利厚生も充実している」「やりがいがある」「社風が自分にあっている」などの複数の就活の軸がある人もいるのではないでしょうか。
もちろん、自分の企業選びの軸がすべてある企業を探すのもいいでしょう。しかし、複数の条件のすべてを満たしている企業を見つけるのは難しい可能性が高いです。
そのため、就活の軸の中で特に何を優先するのか、を考えてみましょう。優先順位をつけるのもいいですし、必須条件と希望条件をわけて検討するのもおすすめです。
ポイント2.自分本位ではなく、社会と結びつけた回答を用意する
就活の軸を決めるときに知っておきたい2つ目のポイントは、面接で答える軸は自分本位なものではなく、社会と結びつけたものにすることです。
「自分がこの会社が出しているゲームが好きだから」「自分が成長できそうだから」のような、自分本位な就活の軸を面接で答えるのは避けておくことが賢明です。
企業は就活の軸を聞く質問を通して、就活生がどのように企業にコミットしてくれるかを感じ取りたいと思っています。そのため、自分本意な回答をすると、企業にもたらす利益を相手に伝えられることは難しくなります。
また、「それってうちの会社じゃないとだめなの?」という厳しい質問にうまく答えられない可能性もあるので、自分本位な回答は避けておきましょう。
企業を通してどのように社会に貢献するのか、どんな未来を作っていきたいのかを話すと、企業は就活生に魅力を感じるでしょう。
ポイント3.就活時には本音と建前を使い分ける
就活の軸を決めるときに知っておきたい3つ目のポイントは、就活時には本音と建前を使い分けることです。
「福利厚生のよさ」や「労働条件」は、就活生にとって大切な就活の軸である場合が多いでしょう。しかし、就活では「福利厚生がいいから入社したいです」と伝えるのは避けておくことが賢明です。
「もっと条件がいい企業から内定を貰えればそこにいくのかな?」と企業に思われると、就活ではうまく行かない可能性があります。
また自分のことしか考えられていない人のように思われる可能性があるので、労働条件を就活の軸であると答えるのは避けておきましょう。
就活の軸がない・みつからない場合はどうしたらいい?
上記でご紹介した就活の軸の見つけ方を実践しても、どうしても就活の軸がない人や見つからない人もいるのではないでしょうか。
どうしても就活の軸が見つからない人は、具体的に企業の条件や社風を見て「ここで働きたい」と思うか否かを考えてみてはいかがでしょうか。
入社したい、働きたいと思った場合はどうして働きたいと思ったのかを考えてみましょう。そこからどの条件がなくなれば働きたくなくなるのかを考えてみると、それが自分にとっての軸になります。
また、働きたくないなと思った場合は、どうして働きたくないと思ったのかを考えることをおすすめします。
この際に気をつけておきたいのが「偏見」です。「なんとなく忙しそう」「何となく自分に合っていなさそう」と感じたら、本当にそうなのかを考えてみてください。
偏見によって自分の企業選びの幅を狭めないようにすると、自分にあった企業を選べる可能性も高くなるのではないでしょうか。
就活の軸の面接での答え方の3つのポイント
「あなたの就活の軸は何ですか?」「弊社を選んだ決め手は何ですか?」のように面接では、就活の軸に関わる質問が行われます。
以下では、好印象を与えられる就活の軸の面接での答え方の3つのポイントをご紹介します。
面接対策をしたい人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
ポイント1.面接を受けている企業の価値観と合う内容を答える
就活の軸の面接での答え方の1つ目のポイントは、面接を受けている企業の価値観と合う内容を答えることです。
「就活で嘘を付きたくない」と思っている人もいるのではないでしょうか。嘘をつくことと、言わなくていいことを言うのは別です。
もし、企業の価値観と70%ほどしか合っていないからといって、30%違うことを言う必要はありません。
70%合っていることに焦点を合わせて、価値観が合っている内容だけを答えるようにすると良いでしょう。
ポイント2.原体験や具体的なエピソードで、説得力をもたせる
就活の軸の面接での答え方の2つ目のポイントは、原体験や具体的なエピソードで、説得力をもたせることです。
例えば「新しいものを創造できる業種である〇〇に関わりたい」と思っている場合は、どうしてそう思ったのかを経験とともに伝えることを意識しましょう。
「ロボットコンテストに参加して、ロボットを作る楽しさを学んだから」という具体的なエピソードを伝えると、説得力があがり納得できる就活の軸になります。
ただ「〇〇ができる企業だから」と面接で伝えても「どうして〇〇をしたいのか」「浅い答えだ」と思われるので気をつけておきましょう。
ポイント3.結論から話す
就活の軸の面接での答え方の3つ目のポイントは、結論から話すことです。
就活の軸を答える際、エピソードから話してしまうと結局何を言いたいのかが最後にならないとわかりません。
結論から話さない場合、面接官はエピソードと結論を関係づけて話を聞けず、上手に自己アピールに繋がる回答にはならない可能性が高いです。
また、面接では論理的にわかりやすく話す力があるのかということも判断されているので、なおさらわかりやすく話すことを意識しましょう。
自分のために就活の軸を見つけてみよう
- 就活の軸を考えると、就活を進めやすくなったり面接対策になったりする
- 自己分析や他己分析を徹底的に行う
- 複数ある場合は、優先順位をつけて上手に就活の軸を活用する
本記事では就活の軸の見つけ方や面接での答え方などをご紹介しました。
就職は、人生の中で何十年も過ごす可能性がある居場所を決めるものです。そのため、適当に就活の軸を決めるのではなく、慎重に悩みながら軸を決めていきましょう。
まだ、就活の軸が決まっていない人は本記事を参考に就活の軸を決めてみてはいかがでしょうか。
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