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会員200人突破!学生限定ジム「SAIL KYOTO」を立ち上げた京大起業家に学ぶ、"好き"を仕事にする方法

和泉ゆかり

2021/05/22(最終更新日:2021/05/22)


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加藤恵多さん/提供:株式会社Life Coach

「好きなことを仕事にしてみたいけれど、どうすればよいか分からない」「好きなことで起業したいけれど、一歩を踏み出せない」という人は多いかもしれません。好きを仕事にしている人たちは、一体どのようなことをしてきたのでしょうか?

京都大学医学部人間健康科学科4回生の加藤恵多さん(21歳)は、筋トレ好きが高じて、ジムを立ち上げることを決意。現在は株式会社Life Coachの代表として、学生限定フィットネスジム「SAIL KYOTO」を運営しています。

「勉強して大手企業に就職」という京大生に対する世間のイメージに逆らって、「フィットネスして起業」の道を選んだ加藤さん。自分が好きなことを仕事にする方法を取材しました。

学生による学生のためのフィットネスジム「SAIL KYOTO」

SAIL KYOTO/提供:株式会社Life Coach

「SAIL KYOTO」は、京都市にある学生限定フィットネスジム。クラウドファンディングで455人から約400万円の支援が集まり、2021年2月1日にオープンしました。会員数は今年4月末時点で、200人を突破しています。学生であるならば、所属に関係なく、誰でも入会することが可能です。

見慣れぬマシンが並び、常連たちが黙々とトレーニングをする一般のジムは、初心者にとって、ハードルが高いもの。独特の雰囲気に圧倒される人も少なくありません。

その点、「SAIL KYOTO」にいるのは、全員学生。会員はもちろん、スタッフも学生なのでコミュニケーションもとりやすく、「気軽に質問できる」と、男女問わず初心者からも好評だといいます。会費も月額2500円とリーズナブルで、通い続けやすいのも魅力です。

筋トレの素晴らしさを一人でも多くの人に知ってほしい

加藤さんは愛知県瀬戸市出身。筋トレに目覚めたのは高校2年生のとき、ラグビー部に入部したことがきっかけでした。

加藤さん:今となっては、あまり信じてくれる人はいないのですが、高校1年生のときは痩せ体質で52キロしかありませんでした。でも、ラグビー部に入部して筋トレを続けた結果、高校3年生のときは76キロになるくらい体を大きくすることができたのです。頑張ればその分数値として結果に表れる。そんな筋トレの魅力にどんどん夢中になっていきました。

そして何よりも、筋トレを始めて実感したのは「体が変わると心、そして行動が変わる」こと。体が大きくなると、自信がつき、堂々と振る舞えるようになったのです。

自分自身の経験から、一人でも多くの人に筋トレの素晴らしさを知ってほしいと思い、「SAIL KYOTO」をオープンすることにしました。

-----コロナ下でジムをオープンすることは、チャレンジングではありませんでしたか?

加藤さん:「大学のジムが閉まって困っている」という多くの学生たちの声に応えたい一心でした。そして、コロナ禍で打撃を受けたスポーツジム産業を盛り上げたいという気持ちも強かったです。現在は、消毒や換気、マスク着用など、感染対策を徹底しながら営業を続けています。

今は1店舗のみですが、今後は店舗数を増やして、より多くの学生に楽しんでもらえるよう奮闘中です。

-----クラウドファンディングを通じた資金集めから、スタッフ採用や集客など、どのように仲間を集めているのでしょうか?

加藤さん:飾らない本当の自分をSNSなどを通して発信することを心がけています。「自分は何をしたいのか」「どんな価値を生み出していきたいのか」を表明することで、自然と同じような考えを持った人たちが集まってくると感じます。「SAIL KYOTO」に集まってくる人たちは、自分が本当に好きなこと、やりたいことをしているから、みんなとても輝いているんです。そんな僕らを見て、どんどん新たな仲間が増えています。

集客についても、最近は既存の会員からの紹介が多いですね。楽しいジムならば、自分の友達にも紹介したいと思ってもらえるはずですから。

関わるすべての人たちに、自分の成長のために「SAIL KYOTO」を活用してほしいです。「SAIL KYOTO」は、全員が全力で挑戦できる後押しをする、新たな船出のきっかけとなる港です。

本当に自分の好きなことに挑戦しない方がリスク

提供:株式会社Life Coach

加藤さんと同じ京都大学医学部健康科学科の学生で、起業する人は決して多くはなく、ほとんどの人が研究の道に進んだり、企業に就職したりするといいます。

加藤さん:世間では、京大生に対して「勉強して大手企業に就職」というイメージを抱いている人が多いかもしれません。一方僕は、そのイメージに逆らって「フィットネスして起業」の道を歩んでいます。

-----周りの人たちと違うことをするのは、勇気が必要だったのではないですか?

加藤さん:僕は今まで、いわゆる"普通"とは違うことをたくさん経験してきました。例えば、高校は実家のある瀬戸市から名古屋市にある進学校に通学。こういうことは、田舎ではめずらしいケースです。大学受験も、高校3年の秋まで京大医学部はE判定が出ていました。リスクを避けて志望校を変更する人が多い中、僕は最後まで続けて現役合格したのです。

自分の気持ちに忠実なのは、本当に自分がしたいことでなければ、続けられないと思っているから。周りからどう思われるかは関係ありません。

起業すると言ったとき、親は反対。親心からでしょうし、心配してくれてありがたいと感じていました。それでも、頑張り続ける僕の姿を見たことで、今は応援してもらっています。

挑戦すれば失敗することだってあるでしょう。でも、価値としては残ります。もしかしたら、他のものに生まれ変わるかもしれません。周りの目を気にして何も行動しない方がリスクがあると考えます。

-----新たな挑戦をするとき、不安を感じることはありますか?

加藤さん:どんな挑戦をするときも、僕は確固たる自信なんて持っていません。不安なことだって、たくさんあります。例えば、クラウドファンディングで金額が伸びない日が続いたときは、かなりストレスを感じました。オンラインを通しての人々の反応は、見えやすいようで見えないものですから。

そんなとき意識しているのは、「悩む」のではなく「考える」こと。目標を達成するためにできることは何なのか、逆算して考えるようにしています。

「好きなこと」を探すときは、仕事に活かすことを前提にしない

-----仕事に活かせそうな「好きなこと」が分からない人も少なくないようです。そのような場合、どうやって「好きなこと」を見つければよいと思いますか?

加藤さん:仕事にすることを前提にしているから、見つけるのが難しいのかもしれません。ゲームや漫画など、誰でも好きなことは一つぐらいはあるはず。「仕事に活かそう」からではなく、「自分が楽しいと思えること」を起点に考えてみてはどうでしょうか。

また、僕は「大学での専攻を仕事に活かさなきゃいけない」とも、考えていません。大学で医療を学んできましたが、それらの知識や経験をジムの運営に活かす必要性を今は感じていないのです。それなのに、無理矢理活かそうとすると、「want to」ではなく「have to」になってしまいますよね。

小さな頃から目指していた医療の道です。いつか本当に専攻を活かしたいと心から思ったタイミングで、実行に移そうと思っています。

-----最後に今後の展望を教えてください。

加藤さん:自分がやりたいことをとことん追求して、世の中に発信していきます。今は筋トレの素晴らしさを一人でも多くの人に知ってもらいたいです。同時に、そんな僕の姿を見て、誰かが何かを感じたり、行動を起こしたりするきっかけになれたらと思います。

出典元:SAIL KYOTO

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