漠然と「起業したい」と思う人、「起業という形にはこだわらないけれど何か新しい事業を立ち上げたい」という人、「こんな組織を作りたい」という人…。
一口に「起業を目指す」と言っても、色々な考え方があり、人それぞれ異なる"想い"があります。
「個人の才能を育て、評価できる組織や制度を作りたい」学校法人電子学園 iU 情報経営イノベーション専門職大学(以下「iU」)の1期生・村竹大翔さん(19)は、高校時代からこんな想いで起業を目指しているといいます。
iUは、就職率0%を目指した、起業を目指す人のためのユニークな大学。2020年4月に開学したばかりです。
彼はなぜ若くしてこのような想いを抱くようになったのでしょうか?そして、起業に向けてどんなことに取り組んでいるのでしょうか?村竹さんを取材しました。
就職率0%を目指し、起業家輩出に注力
iUでは、「ICT」「ビジネス」「グローバルコミュニケーション」を3本柱とした学習機会を提供。学生はこれらを手段とし、インターンシップやイノベーションプロジェクトを通じて、革新を創造する実践力を身につけることができるとしています。
具体的には、情報科学、ビジネス・リテラシー、AI(人工知能)やビッグデータなど最先端ICTスキル、ビジネス英語、640時間のインターンシップ、起業を経験するイノベーション実践など、多彩な学びを用意。
学内に設置したデベロップメントセンターでは、ビジネス界での豊富な経験や起業の経験を持つ教職員が、学生の起業に関する相談に対し、様々な視点でアドバイスを行っています。
また、学生・教職員の未来を創る事業会社・i株式会社が、学生の起業をサポート。学びながら起業にチャレンジできる体制も整えているそう。4月には、iU1期生が起業した株式会社さえずりへの初出資が決定しました。
「具体的な行動を起こせる自分へ成長したい」と入学を決意
村竹さんは、2020年4月に1期生としてiUへ入学し、現在2年生。同学の広報・PR担当として、オープンキャンパスのスタッフなどの任務も担っています。
-----iUへ入学されたということは、高校時代から起業を目指していたのですか?
村竹さん:そうですね。高校時代、関東の様々な学校から生徒会役員などが集う学生団体「集まれ文実!」の代表を務めていて、そこで高校の外の世界を知ったことがきっかけでした。
中には起業を目指している人や、実際にそれに向けてクラファンを立ち上げている人もいたので、「自分も何かプロジェクトをやってみたい!」「社会に出てからもリーダーでいたい!」という気持ちが強くなっていきました。
そんな中、iU設立準備室の方からiU開学の案内をいただく機会があり、漠然と起業したいと思っている自分から、具体的な行動を起こせる自分へと成長できるのではないかと考え、入学を決めました。
就職率0%を目指すチャレンジングな大学で、知見のある方から起業に向けてサポートが受けられるという環境に魅力を感じたんです。
目玉は「イノベーションプロジェクト」
先輩もいない、前例もない、そんな環境に飛び込んだiUの1期生は230人。今年4月には2期生229人が入学しました。
-----入学後、一番印象に残っている出来事は何ですか?
村竹さん:クラスを10チームに分けて競い合う、ビジネスコンテストのような授業「イノベーションプロジェクト」です。年に2回実施しています。
各クラス10チームの中から2チームが選ばれて、決勝では客員教授や経営者の前でプレゼンを行い、優勝チームを決めるというもの。
全員が起業を目指している大学で、約300人の前でプレゼンを行う…めったにない機会だと思います。
僕のチームは去年決勝に進出できなかったので、今年こそは!と意気込んでいます。
-----昨年のイノベーションプロジェクトでの学びを今年はどう活かしたいですか?
村竹さん:昨年は、外部のビジコンと比べて、参加者(学生)のモチベーションにばらつきがあるなという印象を受けました。
そのような状況でのチームマネジメントに課題を感じたので、「誰が何をいつまでに行う」というタスク型にしてメンバーに振り分けるということを今年は意識したいと考えています。
例えば「ピボットできるのはいつまで」などしっかり決めておかないと、最初のアイデアに欠点が見つかった時などにアイデアを出した人を責めてしまう雰囲気になってしまうかもしれません。
具体的なプランを立てて、その上でそれぞれのタスクを提示しておくことで、一人一人が責任感を持ってプロジェクトに臨むことができると思います。
若者が夢を諦めない社会をつくりたい
村竹さんには、起業という目標の先に「若者が夢を諦めない社会をつくる」という夢があるといいます。
-----この夢がうまれた経緯について教えていただけますでしょうか?何かきっかけがあったのですか?
村竹さん:小学校5年生の時に、それまで通っていた公立小学校から、"お受験エリート"と呼ばれる私立小学校へ編入し、そのまま中学・高校とエスカレーター式に進学しました。
中高の友達も、編入前の小学校時代の友達も、僕にとってはそれぞれ大切な存在なのですが、前者は何となく後者を見下している感じがあって、逆に後者は「どうせ俺たちは学歴もなくて無理」と夢を諦めてしまうようなムードがあり、高校時代からだんだんとそのことに違和感を抱くように。
それぞれ皆いいところがあって、学業だけでは判断できない指標もあるのに、特に受験や就活といった場面では"学業の要素"が強すぎると感じるようになりました。
そこから、「若者が夢を諦めない社会をつくる」という夢が浮かび上がってきたんです。
具体的には、(社員に上下関係のない)ホラクラシー組織みたいな、人それぞれの才能を育て、評価できる組織・制度を作りたいと思っています。
今の自分だからこそ、種まきが大切
-----そんな想いが高校時代からあったのですね。iU入学以外にも、起業という目標に向かって何か行動を起こされていたのですか?
村竹さん:2020年4月~12月まで、就活生が経営者に直接会えるというサービスを展開するスタートアップで、法人営業インターンをしていました。
もとはそのサービスの利用者だったのですが、「経営者に選ばれた応募学生だけが実際に会える」というシステムだったので、当時高校生だった僕はことごとく落選。色々な経営者に会って話を聞きたかったのに、まったく機会を得ることができなかったんです。
そんな状況を見かねて、サービス運営元企業の方が「うちの会社の社長でよければ会いませんか?」と声をかけてくださったことが始まりでした。
結果、インターン生として活動させていただくことになり、営業として50名ほどの経営者に会うことができたのは貴重な経験だったと思います。
-----積極的に挑戦を続けていらっしゃるんですね。インターンでは何が一番糧になったと思われますか?
村竹さん:インターンを始めて数多くの経営者の方と繋がることができたことで、入ってくる情報の質が高くなり、自分に興味を持ってくださる人も増えました。
まだ起業に向けて具体的な事業が決まっていない段階の僕だからこそ、このような活動で繋がりや縁を増やしておく"種まき"はきっと大切で、この先役立つだろうと感じています。
今後は起業のみならず、「卒業までにファンドを立ち上げてiUの学生に投資できるスキームをつくりたい」と大きな目標を掲げている村竹さん。
高校時代から胸に秘めている想いを形にするために、ずっと継続していることは"挑戦"でした。
機会が巡ってくるのを待つのではなく、挑戦を続けて自らチャンスを掴みにいく…そんな彼は、「自分も何か行動を起こしてみたい」と同世代のビジネスパーソンに思わせてくれる刺激的な存在ではないでしょうか。
さて、あなたは次、どんな挑戦をしてみますか?
出典元:学校法人電子学園 iU 情報経営イノベーション専門職大学
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