就職や転職など何か大きな決断をする際、あなたが大切にしていることは何ですか?
「就職をするかしないか」「するのであれば、どこにするのか」「その先のキャリアは?」就職活動ひとつとっても、決めなければならないことは山積み。迷わずその道に進んでいくためにも、自信を持ってひとつひとつ選択していきたいものです。
フィンテックスタートアップのyup株式会社に今年2月インターン入社した小林光紗さん(23)は、既に大手コンサル企業に内定している大学院生。彼女が"行動を決める時の指針"として持っている考え方は、「他の選択肢についても全部知ったうえで決める」ということだといいます。
そのため、学生時代にOB訪問した人数は100人にものぼるそう。
彼女はなぜ、そこまでして決めた内定先がありながら、業界も会社規模も異なるスタートアップでのインターンを始めたのでしょうか?就活を終えても挑戦を続ける理由について、小林さんを取材しました。
フリーランス向け報酬即日払いサービス『先払い』
yup株式会社は、フリーランス向け報酬即日払いサービス『先払い』を開発・提供しているフィンテックスタートアップ。
『先払い』ユーザーは、取引先に送った入金前の請求書情報を登録することで、報酬支払い日まで待たずにその金額を即日受け取ることができます。
2020年10月に本格リリースしたこのサービスは、今年2月時点で、累計申込件数7000件を突破。3月に同社が公開した利用実態調査結果によれば、ユーザーの9割を、デザイナー、エンジニア、コンサルタント、ライターなど、多岐に渡る職種の"個人事業主"が占めています。
目標となる社会人に出会い、就職先を決定
小林さんは、東京工業大学大学院の修士課程2年生。マーケティングサイエンスを専攻しており、統計学やデータ分析などを得意とする理系学生です。
彼女は修士課程1年生の時に、大手コンサル企業へ就職内定。今年2月より、yup株式会社にてインターンを始め、広報やマーケティングなどの業務を担当しています。
-----大手コンサル企業を就職先として決めた経緯について教えていただけますでしょうか?
小林さん:「企業をサポートする仕事がしたい」「マーケティングや経営など自分の得意分野を活かしたい」といった気持ちがあり、コンサル業界を志望していました。
コンサル業界には、ロジカルに正しいことを選択していくイメージがあって、そういった仕事が自分には合っているのではないかと。
そんな中、積極的に行っていたOB訪問で、「こんな社会人になりたい!」と思えるような方に出会ったんです。その方は当時、私が内定している大手コンサル企業に勤めていました。
実際、その企業の選考を通じてかかわる社員のみなさんも、同じように素晴らしい方々で…。
-----そういった「人の魅力」が決め手となったんですね。
小林さん:そうですね。人柄だけでなく、話しているだけで、つい頼りたくなってしまう魅力を持っているというか。
私も将来はそういった存在になりたいと、心から思うようになりました。
「棚から牡丹餅の、棚の下に入る」
小林さんはこれまで積極的なOB訪問をおこない、その人数はおよそ100人にものぼるといいます。
-----なぜこんなに多くの人とお話をしようと思うようになったのですか?
小林さん:自分の行動を決める時、「他の選択肢についてもなるべく知った上で決めたい」と思っているんです。
理系学生ということもあり、就活を意識した時、周りでは研究職に就くような人が多かったので、自分自身にとっての選択肢がすごく少なくて。
「研究職として働く自分」をイメージできず、違和感があったということもあり、「まず、世の中にどんな仕事があるのかを知りたい!」と、OB訪問を始めました。このOB訪問は、就職先が決まった今でも続けています。
-----OB訪問で出会った人からかけてもらった言葉で、印象に残っているものがありましたら教えていただけますでしょうか?
小林さん:「棚から牡丹餅の、棚の下に入る」という言葉です。
これまで大学院や就職先などが自分の希望通り決まったことに対して、「運がいいね」と言われることはあって、自分でもそう思っていたのですが、OB訪問で出会ったある方は、「牡丹餅の入っていそうな棚を探して、小林さんがその下に自分で入っていこうとしたから、その結果なんだよ」と言ってくださって。
単なる「運」ではなく、自分で行動を起こしたことが結果につながっているんだということに、気付けた言葉でした。
視野が広がっていく体験をしておきたい
数多くのOB訪問など自ら行動を起こして、納得したうえで就職先を決めたという小林さん。しかし、彼女の挑戦はそこで終わりではありませんでした。
-----なぜ内定後に、貴社でインターンを始めようと思われたのですか?
小林さん:「学生の時にしかできないことをたくさんしたい」という想いが根底にありました。
もともとは修士1年で就職先を決めた後は、海外留学をしたいと思っていました。ですがコロナ禍でそれが叶わず、他にできることはないかと考えた結果、「就職する企業とは全く異なるところで働いてみたい」と思うように。
OB訪問で、「yupで副業している」という方と出会ったことがきっかけで、昨年秋頃に阪井代表とお話する機会をいただいて、「このサービスを一緒に広めたい」と思ったことが決め手となってインターン入社を決めました。
-----就活の延長ということではなく、内定先への決心は固まっていたなかでの、インターン入社ということですか?
小林さん:そうです。「就職先をここに決めて本当に良かったのか?」という検証のような気持ちではありません。
純粋に、「スタートアップで働くとはどういう感じなのかを体験したい」ということと、「視野を広げ、体験をひとつでも増やしたい」という想いでやっています。
-----実際、インターンを始めてみていかがですか?
小林さん:まだインターンを始めて2カ月強ではありますが、『先払い』サービスの性質上、自由な働き方をしている人の姿を拝見できる機会も多く、自分にとってこの先のキャリアにおける選択肢がぐっと広がったように思います。
まだ就職前なのに、セカンドキャリアについてすでに考えることも(笑)。
このように、視野が広がっていく体験を、今後も学生であるうちにたくさんしておきたいと考えています。それが、社会人になってからも活きてくると信じています。
-----「内定・就職がゴールではない」ということですよね。最後に今後の目標について教えてください。
小林さん:OB訪問で出会ったあの方のように、10年後にはいろいろな人から「つい頼っちゃう!」「あなたなら、なんとかしてくれそう!」と言われるような存在になりたいです。
勤めている企業などの看板がなくても、そんな風に思ってもらえる魅力的な人材になれたらいいなと思っています。
小林さんは現在インターン以外にも、ロンドン芸術大学教授のアシスタント・広報や、単発でデータ分析の仕事を受けるなど、幅広い活動に取り組んでいるそう。
学生という枠組みを超えて様々な挑戦を続ける彼女の姿からは、「ひとつでも多くのことを経験しておくことが、その先のキャリアにおいて糧になる」という強い信念を汲み取ることができます。そうして積み上げたひとつひとつの経験は、次、何かを決める時の判断材料としても活きてくるのではないでしょうか。
出典元:yup株式会社
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