何かに挑戦しようと思った時、あなたはその目的を明確化していますか?
単に「周りがやっているから」「ガクチカと呼べるものがないから」という理由で就活を始めたり、ビジネスコンテストやインターンシップに参加したり、という人もいるのではないでしょうか。
もちろんそのような理由もひとつのきっかけとして否定すべきではありませんが、明確な目的意識を持っていた方が、その挑戦から得られるものを最大化することができるかもしれません。
「自分の周りにいないような、いろいろな分野の人と交流したかったんです」株式会社プロッセルが2月~3月にかけて開催した『Online Intern Contest #11(オンコン)』における優勝チーム代表者の加藤敬太さん(24)は、参加の理由についてこのように話してくれました。
彼はオンコン参加を通じて、あらゆるものを学び、収穫できたといいます。それは、「優勝できたから」ではなく、「明確な目的意識があったから」。
そもそもなぜ、多数あるビジネスコンテストからオンコンを選んだのか?参加を通じて得られたものとは?現在就職活動真っただ中という加藤さんを取材しました。
完全オンラインの学生向けビジネスコンテスト
オンコンは、「気づかないうちに就活してる」をコンセプトに、スポンサー企業が提供したテーマについて参加学生が完全オンラインで取り組むという、10日間にわたるビジネスコンテストです。今回は59人・15チームが参加しました。
完全オンライン開催のため学生は全国どこにいても参加ができるうえ、スポンサー企業は活動プロセスをオンラインで把握することが可能。
また、企業は自社の課題に関連するテーマを提供するので、"お互いをよく知ったうえでの採用"に直結する新しいかたちの採用手法としても注目を集めています。
今回のオンコンで課されたテーマは4つ。
(1)オンコン期間内に10万円の売上を創出するビジネスを考案せよ。
(2)地域に密着したビジネスを考案せよ。
(3)コロナ時代に求められるビジネスを考案せよ。
(4)中小企業における採用の課題を解決するビジネスを考案せよ。
参加学生は、開催初日に初めてチームメンバーを認知。多種多様なバックグラウンドをもつ初対面のメンバー同士が一致団結しながら、優勝を目指して駆け抜けていきました。
コロナ時代に求められるビジネスを考え、提案
加藤さんは、慶應義塾大学メディアデザイン研究科の修士1年生。
彼が率いるチーム(4人)は「コロナ時代に求められるビジネスを考案せよ。」というテーマに取り組み、見事優勝に輝きました。
-----どのようなビジネスアイデアで優勝したのですか?
加藤さん:このテーマを提供した企業が、レジのシステムを手掛ける事業を展開されているということで、スーパーマーケットでの取り組みを企画しました。
タイトルは「音のちからでスーパーもお客様も喜ぶコロナ対策」。具体的にはスーパーの各所にスピーカーを設置して、音の力で密を避けるというアイデアです。
陳列されている商品や周りの状況に合わせて流れる音を変更し、販売促進にも繋がる効果を目指すので、スーパーにとってもメリットがある取り組みとなっています。
-----オンラインでのメンバー間のアイデア出しは、大変ではありませんでしたか?
加藤さん:アイデア出しのためのオンラインツールを駆使して、それぞれが思い思いに、課題やアイデアなどを出し合っていきました。
1日につき6時間のミーティング時間を設けて、各自出したアイデアについて話し合っていくというプロセスだったので、オンラインだから大変ということはありませんでした。
ただ、最初の3日間、なかなかアイデアが固まらなかったですね。とあるメンバーの一言から「それ、いいね!」となり、残りの7日間で一気にアイデアを形にしていくという感じでした。
異なる視点を持つ人とアイデア出しをしたい
そうして彼のチームは優勝という結果を手に入れることができました。
オンコンでは「アイデアの提案」がゴールとなっていますが、実装についての技術は加藤さんの得意分野なので、現在は個人的に実装への試みとしてシステム作りを行っているそうです。
-----そもそも、なぜオンコンに参加しようと思われたのですか?
加藤さん:所属しているメディアデザイン研究科で、美術系の大学の人と共同でプロジェクトを進めることがあるのですが、理系の世界にはあまりいないような、自分と異なる視点を持つ人との交流がとても刺激的で学びになると感じています。
「もっと外部の人と交流したい」「さまざまな分野の知識や視点をもった人とアイデアを出し合いたい」そう思ったことがきっかけで参加を決めました。
また、そもそも「アイデア出し→企画立ち上げ→実現に向けて取り組む」ということが好きで、そのような経験を積みたいと思ったことも、オンコンに挑戦しようと思った理由です。
-----実際に参加してみて、いかがでしたか?
加藤さん:オンコンでは、初めて会う人同士がチームを組みます。
実際僕のチームにも、演劇をやっているメンバーや外国語を専攻しているメンバーなど、本当にいろいろなバックグラウンドをもつメンバーが集まっていました。
僕はどちらかというと、「システムをどうつくるか」「利益をどう上げるか」といった視点で考えることが多いのですが、そのようにして良いアイデアが生まれたとしても、「どうまとめるか」「時間内にどう伝えるか」という視点がなければうまくいきません。
僕のチームについて言えば、まとめ方や伝え方を得意とするメンバーがいたおかげで、優勝という結果を残すことができたと思っています。
目的意識があったからこそ得られた達成感
得意分野の異なる人同士がタッグを組んだからこそ、活動期間中は実にさまざまなアイデアが飛び出ていたそう。アイデア出しを始める前に、メンバーの自己紹介タイムを意識的に多くとったことで、ひとりひとりの強みを活かせる方向へ進んでいくことができたといいます。
-----オンコンを通じて、どんなことが得られたと思いますか?
加藤さん:自分があまり得意ではない「発表のしかた」や「アイデアのまとめ方」について他メンバーから学べたことが印象的です。
また、審査員の方から「そのアイデア、例えばアメリカとかでやってみたら?」という思わぬフィードバックもいただいて(笑)。自分ひとりでは思いつかないような発想や新しい視点が得られたことも、大きな収穫でした。
-----今回の経験を活かし、今後はどんな目標に向かって進んでいきたいですか?
加藤さん:今後も、さまざまなバックグラウンドを持つ人や、自分と異なる分野で活躍している人などとの関わりを持っていきたいと思っています。
そうして色々な視点や考え方に触れ、将来的にはVRやIoTなどといった近未来的な技術を活用した事業に携わりたいです。
もちろん"優勝"という結果も喜ばしいものではありますが、「自分と異なる視点を持つ人とアイデア出しをしたい」という目的意識を持っていたからこそ、彼は達成感や満足感を味わうことができたのかもしれません。
「挑戦したい」という気持ちは大切です。しかし、目的を明確化させ、"その目的を達成するための手段"として何かに挑戦することが、その挑戦から得られる学びを最大化する秘訣なのではないでしょうか。
出典元:株式会社プロッセル
出典元:Online Intern Contest #11
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