HOMEインタビュー 内定を辞退して起業を決心!学生起業家を育成する『JOBS CAMP』卒業生の"気づき"から生まれた行動力

内定を辞退して起業を決心!学生起業家を育成する『JOBS CAMP』卒業生の"気づき"から生まれた行動力

白井恵里子

2021/03/17(最終更新日:2021/03/17)


このエントリーをはてなブックマークに追加

山田真愛さん/提供:株式会社Beyond Cafe

自分のなかに叶えたい夢や実現したい目標があったとしても、「どうすればそこに辿り着くことができるのか」という具体的方法がわからなければ、なかなか前に進むことはできません。

行動を起こすことが大切だと分かっていても、進んでいく道筋が少しでも浮き上がってこなければ、目の前に広がる壮大な草原のなかでぐるぐる同じ場所を周ってしまうことになるかもしれません。

では、その夢や目標に近づくための道標は、どのようにして見つければよいのでしょうか?

U23の学生起業家を育成するプログラム『JOBS CAMP』の第1期生である山田真愛さん(22)は、この春入社予定だった企業からの内定を辞退し、起業を決めたといいます。

高校時代から掲げていた「食を通じて人の健康寿命を延ばしたい」という自身のビジョンを実現するために、ついに行動を起こす決心をしたのです。

彼女はJOBS CAMPを通じて、どのような道標を得ることができたのでしょうか。そして、なぜ起業を決心することができたのでしょうか。現在まさに起業準備真っただ中という山田さんを取材しました。

起業家育成プログラム『JOBS CAMP』

JOBS CAMPは、株式会社Beyond Cafeと株式会社サイバーエージェント・キャピタルが共催している起業家育成プログラム。

未来の日本を牽引する起業家を輩出するために、U23の学生を対象とし、若手起業家がメンターとして2カ月間ワークショップを行うというものです。

コロナ禍により多くの大学生が保守的姿勢になりつつある現状を背景に、「ピンチをチャンスに変えるヒーローはこのような時にこそ生まれる」との想いから、全国から挑戦者を募り互いに高め合える場を提供しています。

昨年9月~10月に第1期を開催し、今年は2月~3月に第2期を実施中。株式会社Beyond Cafeの伊藤朗誠代表取締役は、エントリーシートと面接により選抜されたおよそ20人を、「エリートではなくユニーク」だと表現しています。

参加理由は「多くの経営者から学びたい」

山田さんは、現在大学4年生。昨年JOBS CAMP第1期に参加し、その経験を糧に起業を目指すことを決意、その第一歩として2月よりクラウドランディングCAMPFIREにて、オリジナルプロテイン「Health Drink」のプロジェクトを実施中です。

-----JOBS CAMPに参加した経緯について教えてください。何かきっかけがあったのですか?

山田さん:高校時代に病気で母を亡くしたことがきっかけで、自分のなかにずっと「食を通じて人の健康寿命を延ばしたい」という想いがありました。

健康市場において、「イノベーションが起きていない」「ならば自分でイノベーションを起こしたい」と思うようになり、いつしか起業という選択肢がぼんやりと浮かび上がってきたんです。

ですが、起業と一口で言っても、まず何をすればいいのかが全く分からなかったので、視野を広げるためにいろいろな経営者の方にインタビューするというYouTubeチャンネルを創設。

そのうちに「もっと多くの経営者から学びたい」という想いが膨らみ、若手起業家がメンターとして参画されるというJOBS CAMPへの応募を決めました。

-----当時は「起業する他に道はない!」というような明確な気持ちがあったというわけではないのですね。

山田さん:そうです。理系の大学に通っているので、研究ばかりしていてビジネスとはあまり関わりがありませんでした。

でも海外インターンシップを通じてビジネスについて少し知ることができたり、その後人材イベントを立ち上げてみたりという経験のなかで、「自分でビジネスをしたい」という気持ちが生まれてきたんです。それで就職活動も行っていました。

そして、そもそも人の考えに乗っかるよりも「自分でアイデアを出してつくっていくこと」が好きなので、主体的にアイデアを出して実現したいという想いから、「起業」や「新規事業」といったキーワードがだんだんと浮かび上がってきたという感じです。

第1期の様子/提供:株式会社Beyond Cafe

起業への道筋が明確化

自分よりも少し先を生きている経営者から話を聞きたいという理由で、JOBS CAMPに参加を決めた山田さん。そこでは思いがけない学びや気付きが多くあったといいます。

-----JOBS CAMP参加中に最も印象に残っていることは何ですか?

山田さん:メンターの方が毎回課題を出してくださったのですが、その課題に取り組む時間(アウトプットする時間)がとても心に残っています。

特に、「自分のポジショニングをしてください」というお題が印象的で、とても難しかったことを覚えています。

第1期生24人のなかで、「自分が誰よりも負けない"一番"と思えるところを考える」というものでした。

同期は皆優秀な人ばかりだったので、これは本当に難しくて、「自分の一番の強みって何だろう」と、それまでにないほど考え抜いた時間でした。

-----参加期間中で得られたことや学んだことについて教えていただけますでしょうか。

山田さん:まず、同世代の起業志望者やメンターの方などと繋がることができ、人脈形成ができたことは大きな収穫でした。

また、起業するための具体的なプロセスや方法論について認識ができたことで、それまでふわっとしていた「起業」という概念がはっきりして、自分が取り組むべきことが何なのか、という道筋を見出すことができました。

第1期の様子/提供:株式会社Beyond Cafe

「行動できていなかった」という気づきが大きく影響

昨年10月に第1期の活動を終えた彼女は、同年12月に「Health Drink」のクラウドファンディンクを計画、今年2月には支援募集を開始するなど、迷わず行動を起こし続けている印象です。

-----卒業後、実際に起業に向けて動くことができたのは、JOBS CAMPで具体的な道筋が見えたからなのでしょうか?

山田さん:それもそうなのですが、「自分は全然行動できていなかったんだ」と気付けたことが一番大きかったと思います。

何かを始めるときや挑戦するときって、どうしても不安な気持ちが付きまといますが、それは単純に「やったことがないから」。やりたいことがあるのに不安がっている自分がダサいなと思ったんですよね。

ならば、まずは行動してみよう、と。インターンシップやYouTubeでの経営者インタビューなど、行動を起こしているつもりではありましたが、自分のビジョンを形にするためには行動の質も量も足りなかったんだと気が付きました。

-----そこから「Health Drink」立ち上げに至った経緯について教えてください。

山田さん:人の健康寿命を延ばすという目的意識のなかで、プロテインを摂取する人の抱える「自分に合うものがわからない」などといった悩みはずっと感じていました。

クラウドファンディングなので、リターン品として支援者の方に届けられる「モノ」であることも基準として据えた結果、「Health Drink」の事業に辿り着いたという感じですね。

-----すでに目標金額の100%を達成されているとのこと、おめでとうございます。成功の要因としてどんなものが考えられますか?

山田さん:ありがとうございます。まずは知人に個人的にお願いしてまわるところから始めたので、周りの支えが大きいと本当に感じています。

というのも、私は自分のビジョンについてこれまでたくさんの人に語り続けてきたんです。

そういった私の想いを知ってくれている方々が、「ついに夢をかたちにできる時がきたんだね」と、サポートしてくださっていることが本当にありがたいですし、夢を語り続けてきてよかったなと思っています。

提供:山田さん

「後ろの扉を閉じなければ、前の扉は開かない」

常に挑戦を続け、前に進み続ける山田さんのなかには、どのような考え方があるのでしょうか。

-----行動を起こすときに大切している考え方などがあれば教えてください。

山田さん:母を早くに亡くしていることもあり、「明日死んでも後悔しない選択をする」ということは心がけています。

実は行動する前に「こっちへ行ったらこうなるよね」「あっちへ行ったらこうなるかな」といろいろ考えてしまうタイプなんですが、そのたびに人に相談し、時間はかかってもちゃんと考えてから進むようにしています。

----どんな人に相談しているのですか?

山田さん:自分が悩んでいることに対して、すでにそれを乗り越えている人など。

知らない人でも、SNSなどで自分の相談事を端的に伝えてアポをとって、話を聞いていただくこともあります。学生という立場なので、この点は有利なのかもしれません。

-----そのように相談した人からもらった言葉で、特に響いたというものがあれば教えてください。

山田さん:最近響いた言葉は「後ろの扉を閉じなければ、前の扉は開かない」。人は失うことが怖い生き物なので、後ろの扉を閉じるのってすごく勇気がいることだと思うんです。ただ、少しばかりの勇気を持ち区切りをつけて進んだ際には、新たな扉を開くことができるということを教えられた気がしました。

例えば今回、内定先の方には辞退することでかなりご迷惑をかけてしまいましたが、自分の気持ちを正直にお話したところ、「応援しますよ」と気持ちよく送り出してくれました。新たな行動を起こすときには、後退りないように区切りをつけることで、次のアクションに誠心誠意、取り組むことができるのだと思います。

取材の様子(オンライン)

夢に向かって

山田さんは現在、クラウドファンディングと同時並行で、ひとりひとりに合った健康的な食事が手に取りやすい社会を目指し会社設立の準備も進めているそうです。

JOBS CAMPで得られた気づきや学びをしっかり自分のものにして自分の夢を実現するための一歩を踏み出す決心をしたという姿からは、潔い覚悟も垣間見られ、「自分は夢を実現するために、十分な行動を起こせているだろうか?」と、思わず自問したくなるインタビューとなりました。

起業だけでなく、人それぞれビジョンや夢は持っているはず。そこに少しでも近づくために、まずは道標を見出すために小さな一歩でも踏み出してみてはいかがでしょうか。

出典元:株式会社Beyond Cafe

出典元:JOBS CAMP

出典元:CAMPFIRE/【身体を気遣う全ての人へ】オーダーメイド感覚であなた専用のプロテイン

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード