どうしても叶えたい夢があったとして、その夢への道が何等かの理由により閉ざされてしまった時、あなたはどうしますか?
悲観的になってしまい、もう動けない?それとも新たな希望を胸に別の道へ一歩踏み出すのでしょうか?
「こんなことをしてみたいな、といつも考えているので、大なり小なり夢はたくさんあります」株式会社Japan Asset Management(JAM)に今春入社予定の臼井健雄さん(22)は、濁りのないスッキリした表情でこう話してくれました。
彼は、真剣にプロ野球選手を目指してきたという生粋の野球青年。コロナ禍の影響でスカウトへのアピールの場がなくなってしまい、プロ野球選手になるという夢を諦めて大学4年生の4月下旬から就職活動をスタートし、同社への入社が決まりました。
決して「妥協」ではない彼の新しい選択はどのようにして生まれたのでしょうか。4月の入社を心待ちに胸を弾ませているという臼井さんを取材しました。
「より長期的な視野を持ったお金のコンシェルジュ」を目指す
同社は、「IFA」という独立した立場で顧客への最適な提案を行う資産コンサルティング会社。業界内では珍しく、新卒採用に重きを置いて採用活動を行っている創業4年目のスタートアップです。
同社の堀江智生代表取締役は、一般的な証券会社では定期的に転勤が命じられ、営業現場では会社の方針に沿った商品提案を求められるという実情に疑問を抱き、海外のプライベートバンカーなどに倣った「より長期的な視野を持ったお金のコンシェルジュ」を目指しています。
プロスポーツ選手にお金のアドバイスをしたい
臼井さんは日本大学国際関係学部4年生。大学時代では本気でプロ野球選手を目指していたため、就職活動というものをまったく行っていなかったといいますが、コロナ禍の影響により野球を諦め、金融業界に絞って大学4年の春から就職活動を始めたそうです。
-----なぜ金融業界だったのですか?
臼井さん:母が証券会社に勤めているということから、もともと金融や資産管理という分野には興味があったのですが、きっかけは高校の同級生がドラフト1位でプロ野球選手になった時のこと。
彼が大学1年生の時、「いただいた大金をどうしたらいいか?」という相談を受けたんです。
この時、自分に相談してくれたということがとても嬉しかったと同時に、役に立つ回答ができなかったことが悔しくもありました。
このことがきっかけで、「野球人生を終えたら、若くして大金を稼ぐプロスポーツ選手にお金のアドバイスをしたい」と思うようになりました。
-----就活スタート時点で、やりたいことや目指す業界が明確だったわけですね。内定への道のりについても教えていただけますか?
臼井さん:Twitterでたまたま、中学時代の野球の先輩がIFAとして働いているということを知って、そこでIFAという仕事を知ったんです。
すぐにこの仕事に興味を持ち色々調べたのですが、どこも中途しか募集していないようだったので、まずは金融業界で経験を積むほかないと思って銀行などを受けていました。
証券会社も考えたのですが、例えば配属エリアが決まっているという状況下では特定のプロスポーツ選手への資産アドバイスというのは思うようにできないのではないか、売らなければならない銘柄に縛られていては"お客様のための"提案ができないこともあるのではないか…自分がやりたいことを軸にしたときに生まれるそんな疑問が拭えなくて、証券会社は受けていませんでしたね。
そこで、しばらく会っていなかったその先輩に、思い切ってDMを送り相談したところ、新卒採用をしているというJAMを紹介してくれて。その流れで堀江社長はじめ他の役員の方と面談することになったのが始まりでした。
-----面談相手の1人目が社長だったんですね。
臼井さん:はい、ここで社長が見せてくれた「大人の本気」に魅せられました。
僕と同じような問題意識(配属エリアや提案商品の縛りなど)を抱えていらっしゃり、しかもそういった問題意識に対し、行動を起こして真っ向から挑んでいらっしゃる。
「入社したら好きに営業していいよ」と言っていただいたこともあり、「ここで働きたい」という気持ちが固まりました。
刺激を受けた2日間のインターンシップ
選考は、とにかくスピード感があり、ハイペースで進行。ここに臼井さんは、「個人の判断がちゃんと組織内に響く環境なんだな」と実感したといいます。
その後役員3人との面談を経て、2日間のインターンシップへ参加。その後内定に至ったそう。
-----インターンシップではどんなことが印象に残っていますか?
臼井さん:これまで自分の周りにはいなかったような、ビジネスに対してモチベーションが高い人がたくさんいたのでとても楽しかったことを覚えています。
彼らと語り合ったりディスカッションしたりできる場が、自分にとってとても刺激的でした。
これほど、初対面の人たちと「今まで自分がどう生きてきたか」を話せる機会ってこれまでなかったなと感じ、本当に有意義な時間でした。
-----他の社員の方の姿を間近で見て、感じたことはありましたか?
臼井さん:オンとオフの切り替えがすごいなと感じましたね。
懇親会とかでラフに話してくれていたかと思うと、途中で仕事の電話がかかってきてその場を抜けて、おそらくお客様と仕事の会話。この一瞬の仕事モードへの切り替えが印象的でした。
また、社員の方々の心に響く言葉遣いなども印象に残っています。
「いくつかある目標のひとつを選んだ」その結果が今
入社を決めた道のりや臼井さんの考えを聞いていると、就職は決して「妥協」ではなく、彼のなかにあるひとつの目標を叶えるための手段であることが伺えます。
-----プロ野球選手という夢を諦めた後、新たな目標に向けて一歩を踏み出すことができた背景には、どんな要因があるとご自身で分析されていますか?
臼井さん:新しい目標・夢を見つけたというよりは、「いくつかある目標のひとつを選んだ」ということだと自分では思っています。
僕は常日頃から「こんなことをしてみたい」「あんなことをしてみたい」と考えながら過ごしているので、大なり小なり夢はいくつもあります。
プロ野球選手になるという夢が一番大きかったけれど、僕の夢はそれだけではなかったので、すぐに切り替えることができたのだと思います。
-----最後に、個人としての長期的な目標について教えてください。
臼井さん:プロ野球選手になった最初の年が一番まとまった金額をもらえる時期なので、そういった若い「新入学選手」に対して、資産管理に関する講義をNPB(日本野球機構)などと協力してできたらいいな、とは思っています。
就職を決めた時には、周りから「健雄くんらしいね」と声をかけてもらったという臼井さん。
同社ではプロスポーツ選手に対しても資産アドバイスを行っている実績もあるといい、4月からの入社が楽しみな様子でした。
野球一筋の人生でありながらも、「やってみたいな」と思えることを探しながら日々を送っていた彼だからこそ、就職への切り替えをスムーズに、そして前向きに行うことができたのではないでしょうか。
「夢や目標をいくつも持っていることは、自分の可能性を広げてくれる」彼の姿からは、そんなメッセージを汲み取ることができそうです。
出典元:株式会社Japan Asset Management
出典元:note/JAMnote【新卒自己紹介編#2 臼井健雄】
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