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欲しい環境は自分で作る!名古屋で起業家を耕す、25歳代表に学ぶ「自分らしいキャリアを作る方法」とは

長澤まき

2021/02/27(最終更新日:2021/02/27)


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提供:株式会社UNERI/河合将樹代表取締役

テレワークの拡大により、場所に縛られない働き方が広がりつつある現代。生まれ育った地元や自然豊かな地域など、「地元で働きたい」「地方で起業したい」という想いを持っている若手ビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか?

名古屋で起業家エコシステムを構築するための事業を展開する株式会社UNERIは1月、名古屋市主催事業として「名古屋地域の起業家×全国のシードVC マッチングイベント」を開催。完全オンライン開催で、113件の新しいマッチングを生み出しました。

なぜ、名古屋の起業家と世界をつなぐビジネスを展開しているのか?また、地方でビジネスを展開するにあたって、どのようなメリットやハードルがあるのか?河合将樹代表に取材しました。

名古屋の起業家エコシステムを構築

同社は、起業家に代表される「つくりたい社会を実現するために事業を立ち上げる人」の可能性を耕し、豊穣な生態系をつくることをビジョンに掲げ、愛知県・名古屋地域から、スタートアップや社会起業家などの多様な起業家が育まれるエコシステムを耕し続けるための事業を展開しています。

1月27日には、名古屋市主催事業として、名古屋地域の起業家と全国のシードステージに投資を行うVCのマッチングイベントをオンラインで開催。

名古屋から起業家が生まれる仕組みづくりに取り組んでいます。

名古屋地域の起業家×全国のシードVC マッチングイベント(1月27日開催)

挑戦する人が賞賛される文化をつくる

河合将樹代表は1995年・愛知県生まれの25歳。大学在学中から学生団体の代表や、内閣府事業「世界青年の船」第31回日本代表青年を務めるなどの活動をしていたそうです。

自身の経験から「挑戦する人が賞賛される文化をつくりたい」と考え、2019年にNPO法人ETIC.が主催する未来の起業家・イノベーターのための学校「MAKERS UNIVERSITY」の運営に参画。

名古屋から起業家を育む場を作っていきたいと考え、2020年2月に東海最大規模の起業系カンファレンス「UNERI 500」を企画。累計参加者は500人を超えたそうです。

その後、5月に株式会社UNERIを設立し、代表取締役として就任。現在は、名古屋市スタートアップ支援室主催の「名古屋市共創促進コーディネーター」として、愛知県中のインキュベーション施設に訪問しながら、自社でも社会起業家を育成する事業を展開しています。

-----大学生時代に、どのようなキャリアを思い描いていましたか?

河合代表:「自分の欲しい環境は自分たちの手でつくる」をテーマに、大学生活を過ごしていました。

僕はもともと、東京や海外に出たいと考えていたのですが、名古屋の大学に進学することになりました。大学進学後、自分の欲しい環境や学びが周囲にないことが課題だと考え、東京や海外などで行われている活動に積極的に参加するようにしていました。

さまざまなことに飛び込み続けているうちに、自分が望んでいた、学びの機会や切磋琢磨できる仲間などに囲まれる環境をつくることができました。

そこで、「今度は、自分が昔欲しいと思っていた機会や環境を名古屋でつくっていこう」と考えたことが、今の会社をスタートした原点になっています。

-----「挑戦する人が賞賛される文化をつくりたい」という考えのもとになった経験について教えてください。

河合代表:名古屋は製造業の街として有名ですが、その反面、イノベーティブなことが受け入れられ辛い面があるなと、僕は25年間実感し続けてきました。

チャレンジはうまくいかないことも多いです。だからこそ、何かに挑戦する人たちが結果だけではなく過程も含めて賞賛されるようにならなければいけないと思っています。

そのような思いから、「挑戦する人が賞賛される文化をつくりたい」と考えるようになりました。

最初のクライアントが名古屋市

UNERIは、もともとは河合代表が創業メンバーとして参画していた別の会社の一事業で、イベント開催をメインに展開していたそうです。河合代表は2020年5月、自身が立ち上げたUNERIをスピンアウトする形で、株式会社UNERIを設立しました。

-----同社を起業した経緯を教えてください。

河合代表:「自分の子どものような存在だったUNERIを、もっと大きく育てたい」と思ったことが一番のきっかけでした。

イベント事業を行なっている時も、「インキュベーションなどの人を育む事業を行いたい」という想いが根底にありました。

起業家の気持ちを真に理解できるのは起業家のみだと思っていたので、挑戦する人を育む事業を加速させていくためにも、起業を決意しました。

-----起業後はどのように行動しましたか?

河合代表:昨年の5月に登記した後、名古屋市のコンペティションで案件を獲得し、6月頃に名古屋市の共創コーディネーターに就任。初めてのクライアントが名古屋市という状況で、責任を感じながら会社運営をスタートしました。

この1年間はほぼ毎日、およそ30カ所ある愛知県中のインキュベーション施設に定期的に訪問しています。各施設のコミュニティマネージャー向けの勉強会の開催や、施設に入居している企業家の成長につながる機会を創出するマッチング支援などを実施してきました。

提供:株式会社UNERI/インキュベーション事業(2020年10月~12月)

徹底的なフォローアップで高い満足度

1月に開催した「名古屋地域の起業家×全国のシードVC マッチングイベント」は、オンライン開催ながらも113件の新しい面談を創出しました。実際に投資検討段階に繋がっている起業家の事例も複数あるそうです。

-----効果的なイベントにするために、どのような工夫をしましたか?

河合代表:徹底的にアウトカムにこだわること、社会的なインパクトをしっかりと出すことにこだわる姿勢を大切にしました。

特に工夫したのは、事前事後のフォローアップを徹底的に行うことです。参加する起業家16人全員とイベント開催前に個別ミーティングを行い、彼らがどういったVCと話したいと考えているのか、どういう特性を持ちどういう評価軸で動いているのかなどを把握。それをもとに、それぞれの参加者と相性の良いVCに声をかけました。

地方起業のメリットとハードルとは

-----地方で起業することにはどのようなメリットがあると思いますか?

河合代表:メリットは「応援してもらいやすいこと」「ライバルが少ないこと」「資本主義だけではない世界で起業できること」の3点です。

若くして起業する人が少ないエリアなので、若手起業家というだけで応援してもらえいすく、また、同じように起業を目指す人とはライバルではなく、一緒に頑張る仲間になれることが多いです。

さらに、頑張っているからという理由で応援してもらえたり、サービスを利用してもらえたりすることがあるのも、地方ならではのメリットだと思います。

-----逆に、地方で起業することにはどのようなハードルがあると思いますか?

河合代表:切磋琢磨する仲間がそう多くないので、事業を継続できるかどうかということが課題になるのではないでしょうか。

また、先行事例がない新しい事業を作ることに対してなかなか理解が得られない傾向や、起業家とVCの絶対数が明らかに少ないこともハードルだと感じています。

周囲に様々な起業家やVCがいない環境だと、本来は価値がある事業でも、まるで評価されていないかのように錯覚してしまうことがあります。弊社ではこの課題を解決するために、様々な起業家の存在を知ってもらえる機会を作っています。

提供:株式会社UNERI/インキュベーション事業(2020年10月~12月)

まずは、一緒に頑張れる仲間と出会おう

-----最後に、「地方でも自分らしいキャリアを作っていきたい」と考えている同世代に向けて一言メッセージをいただけますか。

河合代表:「自分の欲しい未来は自分たちの手でつかみ取る」「自分の欲しい環境は自分で作る」に尽きるのではないかと思います。

私自身、トライアンドエラーを繰り返していると、最初は理解してくれなかった人からも「面白いね」「君が言っていたように世の中が変わってきたね」と言われるようになりました。自分の欲しい未来を信じてやり続けると、一気に潮目が変わってくるタイミングがあると感じています。

自分の信じる世界を実現するために諦めないでやり続ける。

そのためには、切磋琢磨する仲間や先輩起業家の存在が重要となるので、まずは一緒に頑張れる仲間と出会うためにがむしゃらに動くことが大切なのではないかと思っています。

提供:株式会社UNERI/カンファレンス事業(2020年2月撮影)

自分が望む環境が周囲にないからといってただ諦めたり嘆いたりするのではなく、自ら動くことでその環境を作り上げ、さらにはその環境をエリアに根付かせるためのエコシステムづくりにビジネスとして取り組んでいる河合代表。

自分の望むキャリアを切り拓いていくためには、「自分の欲しい未来・環境は自分の手で掴み取る」というガッツのある姿勢が大切だということを教えてくれます。

出典元:UNERI

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