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「遠くまで行きたければみんなで行け」キャリアに悩む24歳の若手女性が、自身の軸に出会えた理由

白井恵里子

2021/02/05(最終更新日:2021/02/05)


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原田梨世さん/提供:株式会社 Project MINT

「自分なりに自己分析をして内定獲得したが、それが本当に自分のやりたいことなのか自信がない」「これからのキャリアにおいて、何を軸に進んでいけば良いのか分からない」このように、自身のキャリアの"軸"が定まらず、モヤモヤした状態で日々を過ごしている若手ビジネスパーソンは意外と多いのではないだろうか。

そんな時、軸を定めるためにはどうすれば良いのか?自己分析を一人で黙々と行うことが唯一の方法なのだろうか?

原田梨世さん(24)は、毎日"すべきこと"に追われて自分と向き合う時間がなかったことに気付き、昨年10月より、大人のための自己革新プログラム「Project MINT」に第1期生として参加。およそ3カ月間にわたるプログラムを通して自分の軸を発見したことで、このたび教育ベンチャーである株式会社SPACEの事業に複業参画することが決定した。

「自分の軸を見つけたい」と悩める若者は、どのようにしてその壁を突破すれば良いのだろうか?プログラムを終えた直後の原田さんを取材した。

自身に眠るパーパス(目的)を再認識するプログラム

「Project MINT」は、大人が自己革新するための、自分の内面を起点にして"学ぶ・働く"を融合した実践的な短期集中プログラム。

ひとりひとりに眠るパーパス(目的)を再認識したうえで、それらを実現するために必要なスキルを習得し、パーパスに合致した複業に参画する。

10週間+Moonlighting (複業参画)期間で、実践的な自己革新のための没頭体験ができるという。

2020年10月に開始した第1期には、20代から50代まで幅広い年代の12人が参加し、同年12月には卒業イベントを実施。受講生それぞれが解決したい社会課題について、ゲストの有識者らと対話会を行った。

Project MINT第1期生

自分の「無意識」に気付いた瞬間

原田さんは、1996年生まれの24歳。イギリス留学を含めた5年間の大学生活では、オーストラリアでのホームステイや映像制作のインターンシップなど、国内外にて様々なことを経験した。

2020年4月には新卒として一般企業へ入社したが、会社の業績悪化などの理由により同年10月末に退職。ほぼ同時に、Project MINT第1期生としての活動を開始した。

現在は個人事業主として映像の企画制作や子育て支援事業などに従事しているが、2月からは放課後事業を展開する「放課後NPOアフタースクール」に第二新卒として入社する。

-----Project MINT参加への経緯を教えていただけますか?何かきっかけがあったのですか?

原田さん:参加を決めたのは退職を決断する前だったのですが、自分がやらなければならないこと=DOばかりが多すぎて、自分と向き合う時間がないことに気が付いたんです。

そんななか、コーチングやメンタリングを受けてみたこともあったのですが、「もっと自分と向き合って、"学びながら"実践できる環境に身を置きたい」と思うようになり、最終的に友人の勧めでProject MINTに辿り着きました。

ここなら、いろんな年代の人から刺激を受けられるし、「自分は何で今の道を進んでいるのか」「何を大切にしているのか」といったことを言語化できるかもしれない、と。

-----そうして参加したプログラムの中で、最も印象に残っている場面を教えていただけますか?

原田さん:参加者の皆で集まって、自分たちのこれまでの正念場について語り合う時間があったのですが、そこで、小さいころに無意識に気持ちに蓋をしてしまっていたことや、オーストラリアのホストファミリーとの出会いが大きな転機になっていたことなど、それまで自分では気づけなかった色々なことが浮かび上がってきたんです。

その時は自分でもびっくりして、涙してしまうほどでした。

また、他参加者たちと話していくなかで、「"DO"だけではなく、"BE"(自分がどう在りたいか)がどれだけ大切なのか」に気付くことができ、「どんな心の声でもまるごと受け入れることで、やっと自分が本当に在りたい姿が浮かび上がり、"DO"を選択することができた」と、原田さんは当時を振り返る。

プログラム参加の風景/提供:株式会社 Project MINT

映像「ドローマイライフ」でパーパスを表現

このような体験を経て自身のパーパスに向き合うことができた原田さん。

その気持ちを忘れないよう、そして周りにも伝えられるようにと、取材日前日に制作したという自作の映像「ドローマイライフ」を見せてくれた。

幼少期に自分の心に蓋をしてしまったこと、家族に愛されたい・認められたいと思っていたこと、自分の心に素直になれるツール「英語」との出会い、ホストファミリーに恵まれて「失敗しても何度でも挑戦していいんだ」と思えたこと…。

そして、彼女が発見した自分自身のパーパス「凸凹でカラフルな自分を愛す人を増やす港を作り続ける」について、得意のスクライビングを活用して印象的なストーリーに仕立てられていた。

提供:原田さん

原田さん:プログラムを通して、次世代へとバトンを繋いでいくためには、教育のみならず、子どもたちの「暮らし」を良くしていきたいという目的意識が明確になったんです。

「環境格差に関係なく、学校や家庭に居場所を感じづらいすべての子どもたちに安心安全な居場所を提供したい」「なにか挑戦したいと思ったときに応援し、一緒になって喜んで泣いてくれるような仲間のいる環境をつくりたい」兼ねてから英語や教育には関心があったと話す彼女だが、プログラムを通して、このようにパーパスが言語化され、より具体的になったという。

「遠くまで行きたければみんなで行け」

この目的意識を卒業イベントで発表した原田さんは、当日ゲスト参加していた株式会社SPACEの代表取締役CEO・福本理恵さんから共感を得て、不登校の子どもたちのための新事業に複業参画することになったそうだ。

取材の様子(オンライン)

-----「自分を変えたい」「軸を見つけたい」と思っても、なかなか具体的な行動に移せないという同世代にメッセージがあればお願い致します。

原田さん:私の好きな、この言葉を伝えたいです。

"if you want to go fast go alone, if you want to go far go together"
( 早く行きたければ1人で行け、遠くまで行きたければみんなで行け)

私にとって、「自分を応援してくれている人がいる」と思えることが、とても力になるんです。

Project MINTでも、このような人たちと出会えたことが何より大きな収穫だったと思います。

このプログラムを通して、他の参加者などと一緒だったからこそ、一人では辿り着けなかったであろう答えに辿り着くことができたという。

また、具体的な行動に移したい!と"Do"について考えるだけでなく、"Be"(どう在りたいか)についても大切にしてほしいです。

心から聞こえてくる自分の声に耳を傾けて、それをどうかまるごと受け入れてほしいです。

そうすることで、やっと自分が本当に在りたい姿と繋がり、"Do"を選択することができるのではないかと思います。

自分一人で抱え込むのではなく、人と積極的に関わり続けたからこそ、発見できた新しい自分。取材に応えてくれている彼女はどことなくスッキリした印象で、迷いのない眼差しだった。

自分のなかに眠る「パーパス」に、あなたは出会えているだろうか。

迷わずキャリアを積んでいきたいという人は、一人で抱え込まず、人と関わりながら"自分の在りたい姿"を追求することで、そのヒントが得られるかもしれない。

出典元:Project MINT

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