「大学3年生になったからそろそろインターン先を考えてみようかな」「入社3年経ったらステップアップ転職を目指そうかな」など、何らかの行動目標を持つ人にとって、"すぐには行動を起こさず、適切なタイミングを待つ"という選択肢も確かにある。
しかし、それは本当に適切なタイミングなのだろうか?「大体それぐらいのタイミングでやっている人が多いから」という理由ではないだろうか?
人それぞれに"適切なタイミング"は異なるだろうが、株式会社bitFlyer Blockchainで活躍中のインターン生・富木 良さん(19)は、大学1年の6月に同社へインターン入社している。
同社は、ブロックチェーン技術を活用した事業等を展開しているITベンチャー企業だ。彼はここで、事業開発業務やマーケティング業務など、多岐にわたる仕事を担当している。
大学1年生でインターンを開始した理由は何か?なぜ早い段階から自分のキャリアを見据えて行動を起こしているのか?富木さんを取材した。
学生向けのアントレプレナーシップ講座がきっかけに
富木さんは、早稲田大学政治経済学部1年生。生まれてから高校入学までカナダ・ベルギー・ポーランド・ドイツで計13年間生活しており、海外在住時にはインターナショナルスクールに通学していたという。
高校は早稲田大学附属校へ入学し、大隈重信記念奨学金を2度受賞するなど優秀な成績を修めていた。
そして、ブロックチェーンや仮想通貨等の最先端技術に興味を持っていたため、大学入学2カ月後に同社でインターンを開始。現在、学業と両立しながら日々実務経験を積んでいる。
-----そもそもブロックチェーンや仮想通貨に興味を持ち始めたのはなぜですか?
富木さん:海外のインターナショナルスクールでは最新技術に触れる機会が多くあったため、技術系のことに興味を持つようになりました。
帰国後の高校生活では、部活動で忙しかったということもあり、なかなかそういった分野に触れることができなかったのですが、高校3年生の秋に早稲田大学で開催していたブロックチェーン関連講座に参加したんです。
ここで、ブロックチェーンについて学ぶ機会を得たり、いろんな人と出会ったりしたことがきっかけとなり、ブロックチェーンや仮想通貨についての興味・関心が高まりました。
大きな影響を受けたというこの講座。昨秋の開催では、富木さんが登壇する立場になったというのだから驚きだ。「高校生でもわかる基礎セミナー:ブロックチェーン技術が変える今後の産業と社会」と題し、参加学生に向けてブロックチェーン技術について語ったという。
自分の選択に納得したい
自身で調べてこのようなイベントに参加をしたり、大学1年次からインターンを開始したりと、富木さんの行動力には目を見張るものがある。
-----このように具体的行動を積極的に起こす背景にはどのような考えがあるのですか?
富木さん:まず、「大学4年間はとても短い」「有限である」ということを意識しています。
卒業後、新卒の段階で自分の持っているポテンシャルを最大限発揮できる仕事に就くためには、大学生活の後半で数カ月インターンをするのでは不十分だと考えています。
また、自分の出す選択に納得したいので、大学の4年間をなるべく有効活用し、「自分には何が合うのか」「自分にとってどういう業界が面白いのか」を見極めたい。最終的に選択するまでに「十分やったな」と思えるぐらい、いろんなことを経験しておきたいと思っています。
しかし、高校時代は特にキャリアへの意識が高い方ではなかったという富木さん。
このように考えるようになったきっかけは、高校3年生の時に参加した「HLAB」というサマースクールだったと当時を振り返る。
富木さん:もともと国際活動にも興味があったので、先輩にすすめられてこのサマースクールに10日間ほど参加したんです。
ここに参加していた意識の高い同世代と交流するなかで、「みんなすげーな!」と刺激を受けることが多くて。「もっと自分も頑張らないと」「キャッチアップしないと」と思うようになったことがきっかけです。
こうして、今では「同世代とのつながりを重視したい」「コロナ禍でも"外"に目を向けたい」と考えて行動するようになったそうだ。
「絶対に信念を曲げないこと」
インターンでは、ブロックチェーンという最新技術に関する事業にかかわっていることから、自身の経験不足や知識不足を痛感する場面も多いという。
-----そのような時には、どのような行動を心がけていますか?
富木さん:弊社では、事業戦略部に所属しており、商談の場に参加させてもらうことも多いのですが、内容を十分理解することが難しいので、意味のある発言をするということがなかなかできないもどかしさがあります。
用語や知識、経験から得られる感覚などは、今の自分では太刀打ちできないことは明らかなので、そういった時には上司に質問をして、勉強する。そして次に活かすということを意識しています。
一方で、「前に教えてもらったのに出来なかった」というようなミスに関しては重く捉え、どうすれば回避できたのか、どう改善すれば良いのか、仕事の向き合い方について整理するようにしているという。
進捗を自分でしっかり管理できるよう、上司に進捗を伝える際にも活用できる「タスクシート」もこまめに更新するようにしています。
-----周りからかけてもらった言葉などで、仕事に対する向き合い方に影響しているというものがありましたら教えていただけますでしょうか。
富木さん:高校時代から憧れていたCEOの加納からもらった言葉で、「絶対に信念を曲げないこと」というものがあります。
「ブロックチェーン・仮想通貨の時代が来る!」という信念を貫き通したからこそ今があるという、実際の彼の姿には説得力があります。
他の人やトレンドに流されがちな時代だからこそ、自分も信念を大切にしていきたいと思うようになりました。
宣言したことを最後までやり切る意識
-----インターンを通じて、どのようなことを得られていると思われますか?
富木さん:まず、絶対に他の大学生が得られないような経験がここではできていると感じています。
高校生までは曖昧なコミットでも案外うまくいってしまうことがありましたが、ここではしっかりと最後まで宣言したことをやり切ることを意識して、体現することができるようになったと実感しています。
大学卒業までの目標を尋ねると、「最先端技術の業界で、それを牽引し世界に広められるような人材になりたい」と迷わず展望を語ってくれた富木さん。
ビジネスサイドのみならず、技術的側面の知識を身に着けるべく、大学の勉強に加えて情報やプログラミングの勉強も進めているという。
大学の4年間を「短いもの」と捉え、積極的に行動を起こし続ける彼の言葉のなかには、信念や希望などといった前向きな概念しか見当たらない。
行動を起こすタイミングを見計らっている人は、それが「今」であるという可能性を排除しない方がよいのかもしれない。
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