「新人時代は周りと比べて3倍の量をこなしていました」「でも闇雲に頑張っていたわけではありません」株式会社営業ハック代表取締役の笹田裕嗣さん(32)は、笑顔でそう話す。
営業コンサルティング・代行、および営業特化型の人材支援を行う同社は、昨年12月より営業目標達成にコミットした人材紹介事業を開始しており、その登録相談者数は1月に50人を突破。
「成果を出したい」「結果を残したい」という営業パーソンの活躍を後押しすべく、転職希望者が営業目標を達成するまで入社後もフォロー・サポートをするという人材紹介サービスだ。
メインターゲットは20代前半の第二新卒。入社後の早い段階で成果を出すことが、その後のキャリアや自身のモチベーションに大きく影響を与えると考え、転職後のセミナーやキャリアカウンセリングなどを通じ目標達成に向けて全面サポートする。
では、駆け出しの若手営業パーソンが確実に成果を出していくためには、具体的にどのような努力をすれば良いのだろうか?笹田さんを取材した。
営業目標達成コミット型人材紹介
営業目標達成コミット型人材紹介は、紹介した人材の入社時点の紹介料を一律25万円と安価に設定し、その人材が入社後1年以内に営業目標を達成できた際に100万円の成功報酬を受け取るという、これまでにないビジネスモデルだ。
転職支援は「転職=働く会社を変えること」がゴールではないと考え、入社後も月1の営業ノウハウのセミナーや継続的なキャリアカウンセリングを実施し、転職者の早期目標達成を後押しする。
-----この事業の目指す理想のかたちは、どのようなものですか?
笹田さん:今回の新しい形での人材紹介事業では、転職者が感じる「商材や会社に対する納得できない部分」を解消するためにキャリアカウンセリングを行っているのですが、その内容については採用側の会社や営業部にもフィードバックします。
その結果、組織全体の質が向上し、個人も成果が出しやすい環境になり、利益も上げることができる…そのような好循環を目指しています。
入社後の早い段階で成果を出せると、その後のキャリアがぐっと拓け、自信にも繋がる。このような考えに共感した若手営業パーソンが笹田さんのSNSに続々と集まり、わずか1カ月で登録相談者数は50人を突破した。
先輩から奪い取った「数値集計」の仕事をうまく活用
笹田さんは20歳から営業キャリアをスタート。大学在学中に始めたインターンで、飛び込み営業を経験したことが始まりだった。
多数の訪問先に赤丸がついた地図を渡され、ひとつひとつ営業にまわるという、言わば「泥臭い」営業。「営業ってこういうものなのか」と知ることができた貴重な経験だと、笹田さんは当時を振り返る。
-----そもそも営業としてキャリアをスタートさせたのはなぜですか?何かきっかけがあったのですか?
笹田さん:高校時代に野球部のキャプテンをしていて、当時はプロ野球選手が夢だったんです。
でもそのうちに、「その夢を叶えることはかなり難しいだろう」と現実を知り、20歳頃に将来を決める時期がやってきて。大学では経営学部に所属し、教職課程をとっていたので、「先生になる」か「起業する」の2択で悩んでいました。
結果ビジネスを選んだ笹田さんは、様々な職種がある中で、「一番をとるにはこれしかない!」と、体育会系の経験も活かせそうな"営業"に目を付けたのだそう。
入社1年目で営業成績TOPに
大学卒業後、新卒で人材会社に入社した笹田さんは、なんと入社1年目で営業成績TOPに輝いた。
-----何が要因だったとご自身では分析されていますか?
笹田さん:主に3つ挙げられます。
1つ目は、周りよりも3倍の量をこなしたこと。架電数、商談数、紹介数、すべて「とにかく数を多くこなす」ことを意識していました。
2つ目は、「1年目でTOPになります」と周囲に宣言していたことで、先輩や上司など、周りが応援してくれたことです。「TOPになるって言ってるから、笹田にこれをやらせてみよう」などと仕事をくれることもあって、そういう意味では周りがTOPにしてくれたと思っています。
そして3つ目は、「闇雲に頑張る」のではなく、先輩の数字を常に見て分析していたことが挙げられるという。
3~4年目の社員が担当する仕事で「数値集計」というものがありました。個人の受注・売上額などを週間でまとめる作業です。
色々働きかけて、この仕事を自分が担当することになったのですが、これを機に周りを分析したり、成果を出している人のやり方を真似したりと、(自分が1位だったので)2番手の人を引き離すための作戦を立てることができました。
「量をこなせ」「無知はリスク」「先人に感謝せよ」
笹田さんは4年間この会社に勤めた後、転職・副業を経て26歳で営業代行事業で独立。29歳で株式会社営業ハックを創業した。
現在は企業経営を行いながら、20社以上の営業支援を担っているという。また、営業コンサルティングや営業職専門のコミュニティづくりなどを行い、「営業の悩みを0にする」というミッション実現に向けて邁進している。
-----今でこそ営業のプロとしてお仕事されていますが、新人時代のご自分にアドバイスできるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
笹田さん:先にもお話しましたが「量をこなす」ということは、振り返ってみてもやってよかったと思いますので、「それは間違っていないから継続しよう」と言いたいですね。
先輩を追い抜くためには、知識や経験以外の何かで補う必要がありますので、先輩よりも時間がある新人時代には、その時間を量に転換して周りよりも多くをこなすことは必要だと考えています。
また、当時の自分には「ツールやITのリテラシーは高めておこう」とも伝えたいです。
新人時代、メールを一斉配信できる機能があるということを知らずに、名刺交換をした一人一人に手動で同じ内容のメールを何時間もかけて送っていた時期があったんです。
しかし、ある時先輩が同じような作業を一斉配信ソフトを使って短時間でパパっとやっているのを目の当たりにして、「今までなんて無駄な時間を費やしていたんだ!」と(笑)。
無知ってリスクだし、コストですよね。
そして、一番大切なことは「先人に感謝すること」だと続ける笹田さん。
お客様に対してももちろんそうですが、昔の自分には、先輩や上司に対し感謝・尊敬の念を忘れてはいけないとアドバイスしたいです。
先輩から何か教えてもらったとしても、「そんなに成果を出していない先輩に言われても…」と反発心を持つことが多かったのですが、そうではない。
先人は、自分がこれから直面するであろう壁や困難を既に経験しているのだから、そういった経験や失敗を糧にするためにも、もっと学ぶ姿勢を持っていたら良かったと思います。
教えてもらえば失敗や困難を経験せずに済むこともある。早く成果を出すためには、「学ぶ姿勢」「教えてもらう姿勢」が欠かせないという。
成果を出している人の真似をしよう
-----この記事を読んでいる若手ビジネスパーソンのなかには、「数年後、先輩のようになれるだろうか…」と、"できる先輩"を前に自信を失ってしまっている人もいるのではないかと思います。そういった迷える若手にアドバイスがありましたらお願い致します。
笹田さん:まずは、成果を出している人の真似をしてみてください。
その先輩は、朝何時に起きて、どんなテレビを見て、何時に出社して、いくつ商談をこなしているのか?その人の生き方・生活レベルを真似れば、同じ成果が出てくるはずです。
しかし、「追い抜く」ためにはそれでは不十分。そんな時は、我流で何かをプラスするのではなく、先にも申した通り「量を増やす」ことです。先輩が商談を3件こなしているなら、自分は5件!このように目標を設定していきます。
さらに、「3年後、現在3年上の先輩と同等レベルになる」のでは自分の市場価値は上がらないと笹田さんは指摘する。市場の成長に追いつき、自分の市場価値を確実に高めていくためには、「1~2年後、現在3年上の先輩と同等レベルになる」ぐらいの目標設定が必要だという。
笹田さんのアドバイスは、営業パーソンのみならず、上を目指すすべての若手ビジネスパーソンにとって参考となりそうだ。
在宅勤務の機会が増え、すぐ隣に先輩や上司がいるオフィス環境と異なり、先人から"スキルを盗む"機会が減ってしまった状況ではあるが、まずは自分ができることから始めてみてはいかがだろうか。
出典元:営業ハック
出典元:営業目標達成コミット型人材紹介
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