企業は、モノやサービスを人に売って利益を得ている。つまり、企業の製品やサービスを購入するのは生きた人間であり、そこには人間の心理が働いている。
日刊工業新聞社は、書籍『よくわかるデザイン心理学 人間の行動・心理を考慮した一歩進んだデザインへのヒント』を12月23日(水)に発行する。
デザインの科学的根拠を知りたい!
同書の監修者・著者は、千葉大学大学院工学研究院 教授(日本で唯一のデザイン心理学研究室)・株式会社BB STONEデザイン心理学研究所の技術顧問である日比野 治雄氏。
同社によれば心理学では、記憶、学習、思考などを含めた人間の行動全般を科学的に扱う。「どういうデザインが好まれるのか」「何がストレスになるのか」「どうすれば注意を引きやすいのか」といった商品開発時に発生するデザインの課題解決に、心理学の手法を用いることが「デザイン心理学」で、これは形あるものだけでなく、サービスやシステムのような目に見えないものにも応用できる手法だという。
同書では、心理学の基礎的な要素を随所で解説。また、デザインの初心者や心理学の知識がない人でも興味を持って読み進めることができるよう、1項目読み切り形式になっているという点も特徴だ。
消費者・利用者に選ばれるデザインとは
利用する人に配慮したはずの商品でも、消費者に選ばれないものがたくさんあるのはなぜか。同書によると、1つの理由として考えられるのは、消費者が使いたいと思うようなスマートで洗練されたデザインの要素が欠けていること。
人を惹きつけるデザインをつくるためには、対象となる人間の特性を知ることが大切だという。
強制されると反発したくなる気持ち(心理的リアクタンス)や変化を避けようとする気持ち(現状維持バイアス)などといった、デザインに欠かせないという"人間の特性"をやさしく解説。
機能とデザインを両立させるにはどうすればよいのか、そのヒントについて触れるほか、「シニアが欲しくなる商品」「作業がはかどるノート罫線」「居心地の良い店舗」など、著者がデザイン心理学を応用して取り組んだ具体的な事例をいくつか紹介している。
■目次
第1章 「デザイン心理学」とは
第2章 デザインへのヒント ―人間の特性を知る
第3章 シニア向け商品をデザインする
第4章 ノートをデザインする、文字をデザインする
第5章 空間をデザインする
第6章 色とデザイン
第7章 科学的根拠が求められる理由
価格は2200円(税抜)。詳細について、同社プレスリリースを参照。
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