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大学生が熱意をぶつけられる場をつくりたい!就活生と経営者を結ぶHUNT BANK代表の新しい挑戦

白井恵里子

2020/12/18(最終更新日:2020/12/18)


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晒名駿さん/提供:HUNT BANK株式会社

就職活動の面接でも聞かれる確率が高いという「学生時代に打ち込んだことは何ですか」という質問。しかし、コロナ禍でさまざまな活動が制限されてしまった昨今、「打ち込めるものがない」「何かしたいけれどその機会が見つからない」と悩んでいる学生も多いのではないだろうか。

HUNT BANK株式会社は、2019年9月にリリースした大学生と経営者限定プラットフォームサービス「ハントバンク」のアプリ化における新CM制作を目的に、クラウドファンディング「CAMPFIRE」にて1月28日(木)まで支援募集を行っている。

「大学生が熱意をぶつけることができる機会を創出したい」という同社の想いのもと、CM制作にあたっては大学生限定のコンペ形式を想定しており、最終的にはそのCMをテレビで放送することを目標に掲げている。

コロナ禍で熱意をぶつける機会や新しいことに挑戦する機会が減ってしまった学生は、今後どのようなモチベーションで将来について考えていけば良いのだろうか?「ハントバンク」開発者としてこれまで常に大学生の気持ちに常に寄り添ってきたという、同社代表取締役社長CEOの晒名駿さん(23)を取材した。

毎日、企業の経営者をレコメンド

ハントバンクは、「探さない選ぶだけの採用・就活」を実現できる新卒採用・就活サービスとして、2019年9月にリリースした。

このサービスでは、学生ユーザーに毎日、企業の経営者(ユーザーが経営者の場合には学生)が3人ずつレコメンドされる。その中から会いたい人を選び、お互いマッチングすればチャットを開始。面接の約束を交わし、実際に会って話ができるという流れだ。

リリース後1年間でマッチング件数は1000組以上に

大学入学当初から卒業までの好きなタイミングで就職先企業を選べる状況になった今、学生の就活観は「楽しく働きたい」が上位を占めているという。

そこで同社は、中小・ベンチャー企業がこの「楽しくやりがいをもって働く」という土俵で魅力を発揮すると考え、学生が経営陣と実際に会える機会を設けることで、企業の採用コスト削減や学生の一次情報が不足しているといった課題を解決し、効率的に双方を繋げたいと考えた。

このようにして生まれたハントバンクはリリース以降の約1年間で、SNSと口コミを通じて計2200人以上の大学生および経営者の登録があり、マッチング件数は計1100組を突破。

そして今年11月、多くの要望を受け、ついにアプリ版をローンチした。

毎日100人の学生から相談を受け、サービス内容に活かす

晒名さんは高校時代、当時流行した書籍「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」より影響を受け、経営学を勉強することを決意。

18歳で明治大学商学部に進学し、21歳で、学生団体の代表や幹部陣が中心となる企画集団・「AGESTOCK」実行委員会の2018年度代表を務めた。

そして、22歳でHUNT BANK株式会社を設立し、現在に至る。

-----ハントバンクのリリース後約1年で2000人以上の登録者を突破されたとのこと、おめでとうございます。急速にサービスが広まった背景には何があると思われますか?

晒名さん:日々の地道な発信活動、口コミを生む仕組み作り、そしてユーザーと寄り添ったコミュニケーションによるものだと考えています。

晒名さんは月に30人以上の大学生とオンライン面談を行っており、さらに毎日100人ほどの大学生とSNS上で話し、相談に乗っているという。

相談内容は、就活のみならず、大学生活全般において多岐にわたるそうだ。

ユーザーはもちろん、様々な大学生と経営者からリアルな話を聞いて、それを基にサービスの内容やプロモーション施策を検討しています。

また、弊社の発起人株主39名や全国の学生団体、各提携先企業による口コミもハントバンクの認知拡大を支えています。

学生との面談の様子/提供:HUNT BANK株式会社

-----ハントバンクで実際に就職が決まった人がすでに新入社員として働き始めている頃かと思います。彼ら・彼女らからどのような声が届いていますか?

晒名さん:このような声が届いています。

「ハントバンクを通じて当時自分が知る由もなかった企業と出会うことができ、こうして働くことができているのは嬉しい限り。」

「最初に経営者と会うことで会社の文化や事業についての理解をより深めることができ、実際に働いてみてもネガティブなギャップが少なく済んでいる。」

「ハントバンクで出会った企業には就職しなかったが、様々な企業や経営者を見たことで自分の働き方における軸をより磨くことができた。」

また「地方出身の自分が都内の企業とつながるきっかけになった。」との声もあったといい、ハントバンクが地方と都心の間にある就活における機会格差の解消、および地方創生にも貢献していることがうかがえる。

大学生の等身大で柔軟な発想に期待

現在実施中のクラウドファンディングは、「ハントバンクのアプリ化に伴う新CMを大学生限定コンペ形式で制作し、最終的にはそのCMをテレビ放映する」という目標のもと、コンペの賞金・映像制作・宣伝にかかる費用の支援を募るというもの。

コンペでは、「話題になる」「新たなアイデアに溢れている」「ハントバンクの価値や魅力が伝わる」企画を募集。60秒以内の映像を募り、審査・表彰を行う計画だ。

-----今回のCM制作コンペ企画が立ち上がった経緯を教えてください。何かきっかけがあったのですか?

晒名さん:ハントバンクのアプリ化において、大学生向けのCMを新しくしようと考えました。

その際、日々お会いする大学生の方が口々に「新型コロナウイルスの影響でオフラインの機会がなくなり、それに併せて学生のうちに打ち込める機会も失われてしまった。」と話されていたことを思い出し、せっかくなら新CM制作を大学生が熱意をぶつける機会にできたら良いのでは?と思い、この企画を立案しました。

また、自身が大学時代に立ち上げた、大学生のためのサービスだからこそ、CMは大学生の手でつくるべきだと晒名さんは考えたそうだ。

大学生の等身大で柔軟な発想が、ハントバンクをより多くの大学生の元へ届けてくれると信じています。

リアルな声をもとに仮設検証を繰り返す

-----ハントバンクの開発や今回のコンペも含め、新しいことに挑戦する際に心がけていることや、大切にしていることは何ですか?

晒名さん:挑戦を決意する際は、自分の素直な気持ちに従うようにしています。

無茶な挑戦は周りに止められることも多いと思いますが、挑戦するのは自分なので、それらはあまり気にせず自分の感性の赴くままに意思決定することを心がけています。

ただ、自分一人ではできることも限られているので、日々周りの皆さんや目の前のユーザーに感謝の気持ちを伝えることは忘れないようにしています。

具体的なアクションについては、助けたい相手にひたすら寄り添って、できる限りリアルな声をスタート地点として仮説検証を繰り返していきたいという。

また、あえて不完全なクオリティのまま世の中に発信し、そこからブラッシュアップをし続けるといったことも、心がけのひとつだそう。

そして、新しい挑戦を思いつくために、就活や新卒採用だけでなく様々な分野の方のお話を聞くことも大切にしています。

実は今回のCMコンペのアイデアは、自分の親友と飲んでいた時に彼がふと呟いたことから思いつきました。

どんな選択であっても、前に進めば自分の糧になる

-----コロナ禍で就活に苦戦している学生も多いと思いますが、何かアドバイスやメッセージがありましたらお願いします。

晒名さん:現在は分かりやすいくらい不況で、採用枠も少なくなって、これまで以上に苦労する場面が出てくると思います。

しかし、本当に行きたい会社があればそこに採用されるまで就活を続ければ良いとも思うし、第1志望の業界でなくても採用してくれた企業には一旦勤めてみるのも有意義なはず。

要は、目の前の状況を短期的に考えるのではなく、長い目で見て「この選択がゆくゆくは自分の糧になるな」という観点で物事を捉えていくと、前向きに就活やキャリアについて考えることができる気がします。

また、1回の選択で人生全てが決まるわけではない。選択する回数を増やせば自ずと良い方向に進むはず。

なので、理想的な就職先に進めなくても「次また選択すれば良い方向に進む」くらいのスタンスでいるのがちょうど良いと思います。

登記時の様子/提供:HUNT BANK株式会社

自身のキャリアについては、いまだ模索中ではあるものの、「一緒に働きたい人と働きたい」という願いを叶えるべく、生涯起業家・経営者として生きていきたいと晒名さん展望を語る。

晒名さん:これから30歳、50歳、80歳と、その時の自分にしか感じ取れない社会課題があると思いますので、常に等身大で課題に向き合える起業家でいたい、そんなことを考えている次第です。

大学生のリアルな声に寄り添ってビジネスを展開している彼の言葉だからこそ、コロナ禍で不安や迷いを抱える就活生に響くものがあるのではないだろうか。

常に「どんな選択も自分の糧になる」と考えることができたら、新しいことへの挑戦にも、キャリアの開拓にも、前向きに取り組むことができそうだ。

出典元:ハントバンク
出典元:CAMPFIRE/

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