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2020年の顧客体験価値(CX)ランキングが発表!コロナ禍でトップに躍り出たブランドは?

白井恵里子

2020/11/18(最終更新日:2020/11/18)


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最近よく耳にする“顧客体験価値(CX)”という言葉。近年日本でも広く知られる概念となり、多くの企業がその向上に取り組んでいるという。

インターブランドジャパンのグループの一員であるC Space Japanは11月、「顧客体験価値(CX)ランキングTM2020」を発表した。

購入意向との強い関係性もみられるというブランドの「顧客体験価値(CX)スコア」を数値化・分析し、ランキング化したものだ。

「RELEVANCE」など5要素をもとに分析

同社によれば、顧客のCXを高めるためには顧客の期待を超える体験を提供し続けていくことが重要だといい、「顧客中心主義(Customer Centricity)」がスタンダードになりつつある今、企業が自ら売りたいものをつくる時代は終わり、発信力を高め顧客をパートナーとして尊重する企業だけが成長できる時代へと突入しているという。

そこで、「顧客満足」や「顧客中心主義」とは何かということに着目し、「真の顧客満足」に基づくブランディングについて改めて検証する契機とすることが、同ランキングの目的だとしている。

具体的には、一般消費者に「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」ブランド・企業をまず頭に思い浮かべてもらい、そのブランドについて「RELEVANCE(私向けのものだと思える)」「EASE(私にとって意味がある)」「OPENNESS(オープンで、正直である)」「EMPATHY(私の立場で考えてくれる)「EMOTIONAL REWARDS(いい気分にさせてくれる)」の5要素をもとに評価を行った。

第1位は「ディズニー」

今年のランキング第1位は、「ディズニー」(前年17位)。「ディズニーランド」も7位にランクインし、特に30代以下から高い支持を得ていたそうだ。

顧客体験の5要素のうち、「私向けのものだと思える」以外のすべてにおいてトップという結果に。評価の理由として「ユーザーが楽しめるように追及をやめない」「カスタマーファースト」など、コロナ禍でも顧客中心主義の姿勢が随所で評価され、信頼感に繋がっていることが分かったという。

第2位は、くら寿司(前年圏外)。幅広い年代から支持を得て、顧客のニーズや好みを理解し、価値観にあった体験を提供してくれるブランドとして急上昇した。

評価ポイントは、メニューの豊富さや安全・衛生対策、顧客を楽しませるサービスなど。価格を理由に挙げた人は一人もいなかったそうだ。

第3位は、オーケー(前年13位)。一都三県を中心に約120店舗と限られた店舗展開にもかかわらず、40代男女と60代以上の女性から強い支持を得て、2年続けてトップ20入りを果たした。

次いで、無料配送も含めたデジタルでの購買体験が評価に繋がったヨドバシカメラ、接客などコロナ禍の細やかな対応が体験価値を上げたコメダ珈琲店、「考え方や価値観があっている」がトップクラスとなったユニクロ、と続いた。この3ブランドは、主に新しい生活様式への対応が躍進に繋がった「大躍進ブランド」だという。

潜在顧客が7割以上を占めた「星野リゾート」

注目ブランドは、星野リゾート(16位)。

星野リゾートは、評価者の7割以上がサービス利用経験のない消費者(潜在顧客)であったという。

潜在顧客からは「経営者が色々考えて企業活動を進めている」などの評価があり、このことから、顧客にとっての体験価値というものは、実体験のみならずそのブランドの考え方や発信するメッセージからも影響を受け、総合的に形成されているということが分かった。

顧客は「共に事業を育てるパートナー」

インターブランドジャパン株式会社は11月11日(水)、同ランキングに関する記者発表会を実施した。

発表者である同社代表取締役社長兼CEOの並木将仁氏は、「コロナ禍の影響もあり、デジタルシフトしている会社にランクアップの傾向がみられる」「これまでCX向上のために努力を続けてきた企業が、結果としてコロナ禍にも評価されてトップに躍り出ている」などとコメント。コロナ禍でも、「だからこそ何をすべきか」を理解してしっかり実行に移していくことがCX向上に効果的であるとの考察を示した。

同氏によれば顧客を単なるターゲットではなく「共に事業を育てるパートナー」として捉え、「本当に顧客に提供すべきものは何か」を改めて問い直すことが、これからの時代に必要とされているという。

同ランキングの詳細についてはプレスリリースを参照。

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