同じ趣味を持つ仲間とのコミュニティや同好会などで、「大好きなこの業界を盛り上げたいけれど、知識や経験もないのでなかなか行動に移せない」「もっとこの業界のために役立つようなアクションを起こしたい」という学生は多いのではないだろうか。
内輪だけで楽しみを共有する集まりから始まり、仲間同士で学びを深めながら、具体的なサービスを開発し注目を集めている学生たちがいる。
日本酒が好きな理系東大生の集まり「東大日本酒研究会」は10月、顔画像をAIが分析してその人に合った日本酒をおすすめするLINE上のサービス「日本酒オタクくん」をリリース。SNSでも注目を集め、盛り上がりをみせている。
「日本酒オタクくん」に込められた想いとは?活動していくなかで感じられる、学生だからこその"強み"とは何か?東大日本酒研究会の代表者を取材した。
"今のあなた"におすすめの日本酒を紹介
東大日本酒研究会は、日本酒が大好きな理系東大生が中心に集まって形成している団体。現在のメンバーは5人だ。
日本酒の魅力をもっと多くの人に伝えたいという想いで、定期的に日本酒製造や日本酒業界に詳しい外部の人を招いて勉強会を開催するなど熱心に学んでいるという。
今回リリースした「日本酒オタクくん」は、ユーザーが自分の顔写真を送信すると、"今のあなた"におすすめの日本酒を紹介してくれる。
位置情報を送信すると、近くの酒屋の一覧を取得することもでき、銘柄名を送信すると、類似銘柄の名前や特徴といった情報も入手ができるそうだ。
日本酒に関するニュースを閲覧できる機能もあり、まさに"日本酒との新たな出会いをサポートする"サービスとなっている。
日本酒が若者に浸透していない状況に疑問
ー研究会発足のきっかけを教えてください。
もともとはちょっとした日本酒好きな集まりで、勉強会などもしていました。
数カ月ほど前から「何かしらのアウトプットを対外的にしたいな」と考えはじめ、正式に東大日本酒研究会として動き出しました。
ー「日本酒オタクくん」開発の経緯や、サービスに込めた想いを教えてください。
僕たち東大日本酒研究会は、ここまで美味しい日本酒がなかなか若者に浸透していない状況に疑問を感じていました。
その原因は以下の3点からなのではないかと考えています。
1.どの日本酒を飲めばいいのかわからない。
2.日本酒は「おじさんの飲み物」というイメージが強い。
3.販売単位が大きいせいか値段が高い。
そこで、「まずは1.を解消しよう」ということで、今回「日本酒オタクくん」を開発することになったという。
日本酒を知らない方は、「どういう日本酒を飲みたいのか」というイメージも沸かないはずです。
そこで、誰もが手軽に送信できる「顔」を入力として、そこからお勧めの日本酒をこちらで選定して送るという仕様にしました。
「学生だから」という理由で助けてくれる人が多い
ー東大日本酒研究会が今抱えている課題は何ですか?
なんと言っても新型コロナウイルス関連ですね。
勉強会では実際に日本酒のビジネスに関わっている方や、大学の先生、酒屋の方などをお招きしてお話を聞いています。
しかしその勉強会のほとんどを、Zoomを用いたオンラインで行なっているため、「オフラインで顔を合わせて」という会ができていません。
リアルでは一度も会っていないというメンバーもいるといい、このような状況のため共同作業を進めていくことが難しく、足並みがうまく揃わないこともあったという。
また、「実際に酒蔵訪問」という動きが難しい、という点もありますね。
本来なら足を運んで交流して、というようなこともやっていきたいのですが…。
ー活動を進めていくなかで、学生だからこその強みや、学生だからこそできる挑戦というものは感じられますか?
まだ酒蔵の方に実際にヒアリングするという機会が少ないのですが、みなさま、「学生だから」という理由で親切にしてくださっていることはすごく感じます。
若年層への浸透不足を課題に感じている日本酒業界の方々はとても多く、積極的に助けていただけることもあるため、大変ありがたいです。
僕たちはまだまだ若く、日本酒に関する知識も足りないと実感しているため、是非ともいろいろな方からお話を伺いたいと思っています。
利益活動が目的ではなく、勉強中の身である学生だからこそ、あらゆる人々の協力が得られ、情報や学びが入ってきやすい環境なのだという。
今後は法人化も
ー今後の展望についてお聞かせください。
日本酒を広める活動として、実際に日本酒を販売することも考えています。
酒蔵の方から一押しの日本酒銘柄を購入し、それを若年層を中心に、好みにあったお酒を紹介・販売できればと思っています。
また、これらに関連したイベント等も出来ればと考えています。
「学生の集まり」だからこその強みはあるものの、「自分たちも責任を持って動かなければ信頼を得られない」との考えから、今後は法人化も予定しているという。
まずは「好き」という感情から始まり、「対外的に何かアウトプットをしたい」と具体的アクションに踏み出し、目標の実現に向けて着実に進んでいる彼らから学ぶことは大きい。
今後、若年層への日本酒の浸透は進んでいくのだろうか。彼らの活躍が楽しみだ。
出典元:東大日本酒研究会
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