HOMECareer Runners 地方学生の可能性を最大化する--岡山の酒店店主が「地方学生のための長期インターン求人サイト」で目指す未来

地方学生の可能性を最大化する--岡山の酒店店主が「地方学生のための長期インターン求人サイト」で目指す未来

長澤まき

2020/10/26(最終更新日:2020/10/26)


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提供:COMPUS/藤田圭一郎代表

地方学生と都会の学生の間に横たわる“就活格差”。住んでいる場所が地方というだけで、インターンシップや企業説明会・選考会への参加など、学生が気軽にチャレンジできる環境に差が生まれており、就職活動における課題の1つとなっている。

そんな地方学生の可能性を最大化すべく、事業を展開している企業がある。

株式会社コンテンツクルーは10月、地方の学生のための長期インターンショップ求人サイト「COMPUS」事業を分割し、新会社「株式会社COMPUS」を設立した。今後、同事業により一層注力し、地方学生が挑戦できる環境を作っていくという。

地方学生が長期インターンシップに挑戦できる環境を用意したことで、どのようなメリット・効果が生まれているのか?藤田圭一郎代表に話を聞いた。

地方学生の「東京に行かないと…」を解決

「COMPUS」は、地方の学生のために作られた長期インターンシップ求人サイト。

長期インターンシップによって学生との接点を持ちたい企業と、キャリアに対する意欲のある学生をマッチングし、初めての長期インターンをサポート。

「東京に行かないと長期インターンができない」「長期インターンのためには、休学して東京に行かないといけない」といった学生の悩みを解決する。

後継ぎとして働く傍ら、会社を設立

藤田代表は、有限会社藤田酒店の店主と株式会社COMPUSの代表取締役という2つの肩書を持つ。

大学卒業後、会社勤務を経て、2011年に家業の業務用酒販店に後継ぎとして入社。その傍ら、2015年に株式会社コンテンツクルーを設立し、“ローカル×コンテンツ”をテーマに様々なサービスを展開している。

2016年からは、岡山にスタートアップ文化を根付かせるための活動をスタートし、岡山市スタートアップ支援拠点「ももスタ」のコーディネーターとして活動。現在は、地方学生のための長期インターン求人サイト「COMPUS」に注力しているという。

-----地方学生のための長期インターンシップ求人サイト「COMPUS」を立ち上げた経緯を教えてください。何かきっかけとなる出来事があったのですか?

藤田代表:私は岡山で5年前から、スタートアップの文化を醸成しようと支援者的な動きをしています。

その活動を通して、起業志向を持つ意識の高い学生たちと関わる中で、彼らが「長期インターンをしたい」と考えた時に、休学して東京にいくしか方法がないという現状に課題感を持ったことがきっかけです。

“地方×学生”の新規事業が生まれた例も

-----COMPUSにはこれまで、どのような企業や学生から、どのような反応がありましたか?

藤田代表:現在、中四国の企業を中心に約30社が掲載しており、登録学生数は約500名です。今までに30程度のマッチングが発生しています。

現時点において、地方で長期インターンの情報をキャッチする学生は、かなりやる気を持っていたり、優秀である確率が高いです。

企業側からは「普段接点をもつことが難しい優秀層の学生と接点が持てる」「入社後に少しの教育で結果を出してくれる人もいる」「社員にも良い影響が出ている」とのフィードバックを頂いています。

-----同サービスを通じて、実際に長期インターンシップを実施した実例・効果について教えてください。

藤田代表:株式会社コノテは、COMPUSを通じて採用した岡山出身の東京大学の学生の持つ課題感を起点に、地元出身者の先生にこだわったオンライン家庭教師マッチングサービス「PENTUS」というサービスをリリースしました。

このように「地方×学生」という視点で、新規事業の企画立案から運営までを行うケースが生まれています。

提供:COMPUS/長期インターンの様子

学生の挑戦の場を用意=企業にもメリット

藤田代表はこれまでは、2015年に設立した株式会社コンテンツクルーの事業の一つとして「COMPUS」を運営し、地方での新たな採用方法、学生と企業の接点の持ち方を作り出してきた。

今回、COMPUS事業を分割し、新会社を設立することを決めたのは、COMPUS事業を展開していく中で、同サービスが地方学生の可能性を最大化させるために非常に有意義だと認識するようになったからだという。

-----具体的に、どのような点が、地方学生の可能性を最大化させるために有効だと認識しましたか?

藤田代表:今地方に足りていないのは、学んだことを学生のうちに実践できる場です。

想定はしていましたが、COMPUSを始めて以来、「地元でチャレンジしたい」「地域に貢献したい」という思いを持っている優秀な学生が非常に多いことが分かってきました。

学生がチャレンジできる場さえ用意すれば、優秀な学生と接点を持つことができるということは、採用に課題を持っている地方企業にとってもポジティブな情報だと感じています。

地方企業が長期インターンのもたらす採用ブランディングへの良い影響に気づくことで、今後さらに受け入れ態勢が整い、地方学生の持つ課題が解決されていくと考えています。

-----事業分割して新会社を設立したことにより、COMPUSのサービスは今後どのように変化しますか?

藤田代表:COMPUSの事業成長において、地方に長期インターンがないことを課題に感じている学生にインターンとして参画してもらうことが非常に重要です。

事業を分割することで、ミッションが組織内外に浸透しやすくなり、採用に良い影響が生まれると考えています。

地方学生の長期インターンを当たり前に

COMPUSは現在、岡山を中心に中四国エリアでサービスを展開している。

今後は、同エリアでサービスを拡大していくとともに、エリアを限定せず、地方学生にアプローチしたいと考えているリモートインターンが可能な企業に参加してもらうことで、より地方学生が挑戦することができる環境を作っていくという。

-----地方学生にメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

藤田代表:コンパスは「地方学生の可能性を最大化する」をミッションに掲げており、地方学生にとって長期インターンという選択肢が当たり前になる未来を目指しています。

都市部と地方における情報や機会格差に課題感を持っている学生の方がいたら、ぜひ一緒にこの課題の解決に取り組んでみたいです。そのような方からのご連絡をお待ちしています。

地方のデメリットをただ嘆くのではなく、その課題を解決し、企業と学生それぞれの可能性をつくり出しているCOMPUS。

住んでいる場所にかかわらず挑戦できる環境が整うことで、これまでは時間やお金などさまざま理由で一歩踏み出せなかった学生の可能性が最大化され、どのようなビジネスや働き方が生まれるのか、期待が高まる。

出典元:COMPUS

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