学術研究団体 日本マーケティング学会は、「日本マーケティング本 大賞2020」の受賞書籍を発表した。
マーケティング理論や実践の普及を目的に、日本マーケティング学会員が選定を行ったものだ。
大賞は「オムニチャネルと顧客戦略の現在」
大賞を受賞したのは昨年10月刊行の近藤公彦氏・中見真也氏編著の「オムニチャネルと顧客戦略の現在」。推薦理由は「オムニチャネルについてバランスよく書かれた意義の大きい1冊」とのこと。
マーケティングにおいて関心の高いオムニチャネルについて、体系的かつバランスよくまとめた、理論的貢献と実践的示唆を両立した好著としている。
オムニチャネルを顧客戦略としてとらえ、消費者行動やマーケティング、組織、サプライチェーンなど多面的な視点から検討されているとし、丁寧な先行研究のレビューを多様な事例と結びつけ、現場の実務家にとって有意義とも。
網羅的かつ具体的な基本書であり、コロナ禍を経てこの先の顧客戦略はどうあるべきかについての示唆にも富んでいるという。
経営学研究をまとめ上げた書とセンサリー・マーケティングに関する書が準大賞に
準大賞に選ばれたのは2作。
入山章栄氏著「世界標準の経営理論」(昨年12月刊行)
推薦理由は「膨大かつ良質な経営学研究をコンパクトにまとめ上げた1冊」としている。
膨大な量の情報を体系的にまとめ上げ、最新の経営学を俯瞰するとともに、良質な学術論文のレビューにより研究が実務に貢献できることを知らしめたという。
経営学を学ぶ基礎となる書で、良質な学術論文がふんだんに紹介されており、アメリカを中心に最新の経営学がコンパクトにまとまっている上、平易な文章とビジュアル、理解しやすい構成など、そのわかりやすさは特筆すべきとも。
石井裕明氏著『消費者行動における感覚と評価メカニズム 購買意思決定を促す「何となく」の研究』(今年1月刊行)
同書は「センサリー・マーケティングの先端的理論を示した有用な1冊」だという。
近年注目されている研究対象のセンサリー・マーケティングについて体系的にまとめるとともに、「何となく」という感覚の重要性を示した、実務に役立つインプリケーションを与える良書としている。
消費者行動研究の理論も先端的のもので、消費者の感覚についてユニークかつ、今後の研究のベースとなる内容になっているそうだ。
<日本マーケティング本 大賞2020概要>
・目的:マーケティング理論や実践の普及のため、日本で1年間に出版されたマーケティング書籍を対象に、日本マーケティング学会員が推奨する優れたマーケティング書籍として選出。
・対象書籍:2019年4月~2020年3月に日本で出版されたマーケティング書籍(翻訳本を除く、および学会員著作に限らず対象とする)
その他詳細については同協会プレスリリースで確認できる。
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