コロナ禍において先行きが見えない中、就活生が抱いている不安は大きい。
株式会社ハロネットがスタートしたTwitter就活の支援事業「リモーターズ」も、学生から受ける就活への不安相談が急増しているという。
リモーターズは、全国の就活生の相談に乗るキャリアセンターの役割を果たすべく、毎日多くの学生と面談を行い、毎週就活イベントを開催。就活コミュティ「みんキャリ」の運営も通じ、この半年間で約200人の就活生の相談に乗ってきたそうだ。
就活浪人やインターン難民も増加傾向にあるという今、学生たちはどのようにして就活に向き合い、乗り越えていけば良いのだろうか。
リモーターズの一員であり、新卒社員でもある小倉秋登(おぐら しゅうと)さんに話を聞いた。
自身の就活軸は「自己成長」と「新しいことができる環境」
同社によれば「Twitter就活」とは、大手求人媒体ではなく、学生と企業人事担当者が、Twitterを使ったコミュニケーションにより就職活動を進めていく方法のこと。
リモーターズはこのTwitter就活の支援事業として、SNSを用いた学生の就活支援および、 SNSを活用した学生と企業を繋ぐ採用支援を行っている。
所属社員は、今年4月に同社へ入社した新卒社員が中心。新型コロナウィルス感染防止対策として、主にリモートで活動を行っているということから、事業名を「リモーターズ」としているそうだ。
具体的には、企業4社と学生20~30人を対象としたマッチングイベントを月に2回程度開催しているほか、新卒採用を実施している企業に対しTwitter採用のコンサルティングサービスも提供。Twitterでのブランディングや学生の集客のノウハウを活かし、開始3カ月でフォロワー1000人・4カ月でTwitter経由での学生面談100人という実績も持つ。
ーご自身が就活生だった時は、どのような軸でどのような方向に向かって就活を行っていましたか?
小倉さん:私は「自己成長」「新しいことができる環境」という軸をもって就活を行っていました。
また、「どこからでも求められるような価値の高い人間になり、様々な組織を創っていきたい」というビジョンを掲げていました。
小倉さんは、「どこからでも求められるような価値の高い人間」=「より多くの知識を持っていて、あらゆるスキルを持っている人」だと考えているという。
20代でのそのような人間になるために圧倒的成長を遂げたいという思いから、1つ目の軸を「自己成長」に、そして、様々な組織を創っていくために企業の中でゼロイチや新規事業の経験を積みたいという想いから、2つ目の軸を「新しいことができる環境」に設定していたそうだ。
これらのビジョンと軸により、ベンチャー企業で働きたいと思い、就活を行っていました。
そして、入社前からチャンスをもらえる、新規事業プレゼン制度に魅力を感じ、弊社への入社を決意しました。
「ビジョン就活」のすすめ
リモーターズに寄せられる就活の悩みは実にさまざまだが、その内容をみるとやはり新型コロナウイルスの影響が大きいようだ。
2021年卒業予定の現4年生からは、「1度も企業訪問していないので実際の社風がわからない、働くイメージができない」「選考途中で、企業からの連絡が途絶えた」「最終面接までいったが、コロナの影響により採用活動が中止となった」等の声が多い。就活浪人を考えている学生も急増しているという。
2022年卒業予定の現3年生には、インターン枠減少・中止によりインターン選考の倍率が例年の2倍以上となっていることや、学歴フィルターがより鮮明になっていることなど、今年ならではの出来事に直面し困惑する人が増えている。
ー学生から就活に関する相談を受ける際、アドバイスをされる時はどのようなことを意識していますか?
小倉さん:「ビジョン就活」を意識しています。
「ビジョン就活」とは、将来のビジョンから逆算することで軸や働く業界業種を絞っていくやり方です。
多くの学生にとって就活のゴールが内定になってしまっていますが、私は、ビジョンを達成するために働き、そのために就活をするものだと考えています。
ですので、ビジョンからの逆算をして就活を進めるようアドバイスしています。
「なぜ就活をするのか?」「将来どういう人になりたいのか?」を学生に問いかけることで、学生自身が気付けていない部分を認識できるよう意識しているという。
また、私が運営している就活コミュニティ「みんキャリ」では、就活だけではなくキャリアやビジョンを考えていくことを徹底しています。
例えば、グループディスカッションでは「なぜ就活をするのか?」「なぜ安定を求めるのか?」、模擬面接では「あなたのビジョンを教えてください」など、就活の本質や普段あまり考えることのないようなテーマを考えてもらい議論や発表をしてもらっています。
そして、価値観や視野を広げるために多くの社会人との座談会も行っています。
まずは就活を楽しむことが大切
ーTwitter就活は、就活生の立場からみてどんなメリットがありますか?また、Twitter就活のもつ可能性についてはどのようにお考えですか?
小倉さん:多くの情報を収集でき、就活仲間を作ることができるというメリットがあります。
また、直接企業の方とTwitter上で繋がることもできます。
Twitter就活では、学生と企業の双方の本質を見た上で判断ができるので入社後のミスマッチを防ぐことができるほか、地方の就活生の情報格差を埋めることができるという可能性もあると、小倉さんは考えている。
これからの時代は「個」の力が重要です。
Twitterは今後、自分自身の「個」を発信する場になっていくのではないかと考えています。
ー就活浪人やインターン難民が増えているとのことですが、コロナ禍において就活生はどんなことを意識し、何を大切に就活を行えばよいのでしょうか?
小倉さん:まずは就活を楽しむことが大切です。
ただ内定を取ることだけを目標に就活をしていると苦しくなります。周りの友達が内定を取り始めると焦る気持ちはよく分かります。
内定を取ることを目標にするのではなく、その企業に入って何をしたいのか・どうなりたいのかも考えてみてください。
そして、将来像のために楽しみながら就活をしていきましょう!
「周りが就活しているから」「親に言われたから」という理由で就活をするのではなく、まずは自分自身が「将来どうなっていたいのか」「なぜ就活をするのか」をしっかり考えてほしいと小倉さんは訴える。将来のことを考えた上で就活をしていくと、目指すべき場所が見えてくるからだという。
自分のビジョン、ありたい姿を想像すれば、厳しい環境のなかでも希望の光が見つかりそうだ。納得できるかたちで就活を終えられる学生を増やすべく、リモーターズの挑戦は続いていく。
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