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廃棄ビールから成る特製ジン「REVIVE」若手メンバーに聞く、自分の可能性を広げる方法とは

白井恵里子

2020/08/07(最終更新日:2020/08/07)


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小野力さん(提供:ご本人)

エシカル・スピリッツ株式会社は、ビールブランド"バドワイザー"をグローバル展開するアンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパン株式会社と、老舗日本酒メーカー"月桂冠"の3社協業で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で余剰となった大量のビールを、蒸留によって特製ジンに蘇生。9月1日(火)、特製ジン「REVIVE」の数量限定販売を開始する。

同社は「循環経済を可能にする蒸留プラットフォーム」をモットーに、日本酒やメディア、エンターテインメントなど様々な分野で活躍する個性豊かなメンバーらが共同創業した蒸留ベンチャー企業。

そのうちの一人である小野力(おの ちから)さんは、有名コンサル企業での勤務や英ロンドンでの起業を経て、現在別会社で働きながら副業として同社のプロジェクトに従事している。

20代半ばという若さでありながら、多方面でバイタリティ溢れる活動に携わる小野さんに、「現代社会における自分の可能性を広げる方法」をテーマに取材した。

起業を断念しエシカル・スピリッツ共同創業へ

小野さんは、University College Londonを卒業後、デロイトトーマツコンサルティングにてファーストキャリアを積んだ後、2017年8月に英ロンドンにて友人とともにFuzed Innovations Ltdを創業した。Instagramのインフルエンサー向けにコンテンツ管理やトラフィック最適化を支援することを目標に、BtoB事業化を目指すも止む無く断念。

「これからはチーム全員がそれぞれ成長する期間にしよう」と決め、小野さん自身は2020年1月に株式会社dotDに入社し、大企業との新規事業共創事業に携わりながら、エシカル・スピリッツの共同創業者という顔も持つ。

小野さん:共同創業者になった理由は、3つに分けられると思います。

1.もともとジンが大好きである私にとってこの事業をできることは1つの夢であったこと。

2.使われていない、余ってしまったモノをジンにすることで付加価値を与え、長く続かせるビジョンに誰よりも共感していること。

3.ITやコンサル業界の経験がメインだった私にとってこの事業は新しく、成長できると確信したこと。

共同創業仲間の山本祐也さんとは、ロンドンで起業をしていた頃、小野さんの親戚である佐渡島の酒蔵・尾畑酒造を通じて出会ったという。

小野さん:最初にお会いした時から、私が個人的にジンが大好きであり、将来的にはユニークなジンの事業をやってみたいという想いを共有させて頂いていました。

そこからまずは、当時の山本の事業である未来酒店(日本酒セレクトショップ)の海外展開などのプロジェクトに関わらせて頂くようになりました。

そして、ロンドンでの起業にけじめをつけ、自分が成長できると確信したdotDに入社を決めた頃、新しいクラフトジンの形を体現するエシカル・スピリッツが走り出すことを教えて頂き、初期メンバーとして関わる機会を頂きました。

一見、全く違う事業であるからこそ、事業を形にしていく力を違う観点から学ぶことができると思っています。

廃棄ビールに新しい生命を吹き込んだ「REVIVE」

同社は第1弾として、産業廃棄物として処分される酒粕を再蒸留したジン「LAST」を3月にリリースし、6月には新商品「LAST EPISODE 0 -ELEGANT-」の販売を開始。

今回発売が決まった「REVIVE」は、余剰となるばずだった約8万杯分(1杯あたり250mlでの換算)のビールが、革新的な香りと味わいに生まれ変わったという期待の新作だ。

ー小野さんの同社での役割、「REVIVE」にはどう携わっているかを教えてください。

小野さん:エシカル・スピリッツでは、共同創業者として経営メンバーの一員でありつつ、特に営業及び海外展開を統括しております。

今のチームに必要な人材と、エシカル・スピリッツが成長するためのプロジェクトを常に模索しています。

もともとは、今回協業しているアンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパン株式会社で働く海外留学時代の先輩と繋がったことから始まった今回の「REVIVE」プロジェクトですが、私は全体のマネジメント、スケジュール管理、3社間のコミュニケーションなどを担当しております。

3社かつ大企業とのコラボレーション事業であるにもかかわらず、短期間でリリース、そして製造販売まで実現できたのは、関わって頂いた皆様のご理解と多大なるサポートのおかげだと思っています。

人との繋がりを大切に「とにかくやってみる」

ロンドンでの起業で失敗・挫折を経験するも、自分の可能性を広げるために、そして成長を続けるために、現在も試行錯誤をしながら仕事に挑んでいるという小野さん。

ーご自身のキャリア・可能性を広げていくために、具体的にどのようなことを意識していらっしゃいますか?

小野さん:私はこれからも様々なプロジェクトに関わり、そして立ち上げていくことを目標としています。

その目標に足りないスキルや経験は多くありますが、それらを身につけるためにも、とにかくやってみて、全力で楽しんで、責任を持ってやり通す、ということを大事にしています。

その結果が今のエシカル・スピリッツとdotDの兼業にも繋がっていると思います。

また小野さんは、プロジェクトの関係者のみならず、過去にお世話になった人々とも繋がることで、常に可能性が広がっていると実感しているという。

「人と繋がる」ことで新しい挑戦に出会えることを体感してきたからこそ、常に「人との繋がり」は意識しているそうだ。

小野力さん(提供:ご本人)

自分がやってみたいことを言葉にして伝えることが重要

ー「成長したい」「可能性を広げたい」と思いながら頑張っている20代ビジネスパーソンにアドバイスをお願いします。

小野さん:決してアドバイスのできる立場にいるとは思っていませんが、自分がやってみたいことを言葉にして伝えることはとても重要だと思っています。

「成長したい」「可能性を広げたい」も同じことではないでしょうか。

どう成長したいのか、どう可能性を広げたいのか、繋がった人に言葉にして伝えることでより近づくことができると思います。

私がジンが大好きでジンの事業をやってみたいと言葉にしたことで、エシカル・スピリッツに繋がったように、やってみたいこと、考えていることをどんな些細なことでも言葉にして伝えることでより多くのプロジェクトが生まれてくるはずです。

今後は、「二刀流ではなく、多刀流でありたい」という野心を胸に、常に新しいプロジェクトを生み出していくことのできる人材を目指したいと小野さんは話す。

小野さん:今後必ずやりたいプロジェクトの1つは、日本の教育に関わるビジネスに関わること、もしくは立ち上げること、です。

高校、大学と海外にて教育を受けた時から自分が貢献したいと思っているビジネスフィールドですが、まだ自分がどう関わるかが見えていません。

これについても、多刀流のキャリアを歩むことで、自分ならではの教育ビジネスへの関わり方を見つけていけるのではないか、と思っています。

自分のやりたいことや目標を言葉にして周りに伝えることで可能性が広がっていくということを、実践をもって体現している小野さんの生き方。

失敗や挫折も糧にして前進を続ける彼の挑戦から、今後も目が離せない。

「REVIVE」は9月の発売に先立ち、同社公式オンラインショップにて8月1日(土)より先行販売を開始している。

エシカル・スピリッツ公式オンラインショップ

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