フリーランスとパラレルワーカーの支援を行う非営利団体の一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会は6月12日(金)、コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査やフリーランスの収入・満足度等の実態などをまとめた調査結果「フリーランス白書2020」を公表した。
コロナで急速に広がる"柔軟な働き方"
昨今、フリーランスの環境整備や、会社員も副業解禁やテレワークの推進などにより、従来よりも柔軟な働き方ができるようになってきた。
同書によれば、このたび起きた新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、フリーランスの事業や収益に甚大な影響を与えたと同時に、フリーランスや会社員のテレワークを一気に推し進めることにもなったという。
こうした流れの中で、フリーランス(事業者)と会社員(労働者)は、ますます明確な差分がなくなっていくことが見込まれるそうだ。
勤務時間と収入
今回の調査では、収入や平均勤務時間等の分布や受注経路・ワークスタイルやマインドには大きな変化は見られなかった。
勤務時間と収入については、月の平均勤務時間が140時間以上とフルタイムで働いているのは50.3%で、年収400万円以上が54.6%となった。ただし、例年と同様に、勤務時間や収入には大きなバラツキがあるという。
会社員のフルタイムに近い月間就業時間「140時間以上」の「フルタイムフリーランス」を見てみると、年収(経費控除前の売上ベース)では、400万円~600万円未満が22.7%と最も多かった。これにより、会社員と同等もしくはそれ以上に稼いでいるフリーランスが少なくないことがわかる。
フリパラ歴が長くなると収入も増加
「フリパラ歴(フリーランス・パラレルキャリアとしての活動期間)6カ月未満」のグループでは、就業時間20時間未満の「すき間ワーカー」が15.7%を占めた。これは短時間で就労可能な業務を行うフリパラ初心者の層と考えられるという。同協会はこの結果を受け、今後、副業・兼業の広がりとともに、短時間でも遂行可能な業務や人材とのマッチングがポイントになってくる可能性がありそうだとしている。
注目したいのは「フリパラ歴」が長くなるほど、取引社数が多く、報酬も高くなっていく点。フリパラ歴10年以上のグループでは、35%以上が取引社数を「10社以上」と回答。年収は「400万円以上~600万円未満」とする人が3割以上を占め、「年収1000万円以上」と回答した人も1割以上に達していたという。
さらに、フリパラ歴が長くなるほど、フリーランスとしての「達成感/充実感」および「スキル/知識/経験の向上」「社会的地位」に関しても満足度が高まっているという結果に。
ポジティブな理由でフリーランスを選択する人が多い
また、今の働き方(フリーランス)を選んだ理由でもっとも多かった回答は、「自分の裁量で仕事をするため」が56.0%。「働く時間/場所を自由にするため」が50.2%、「より自分の能力/資格を生かすため」が43.3%という結果だった。
同協会によれば、今の働き方に対する満足度が高いグループでは、フリーランスになった理由が「自分の裁量で仕事をするため」などポジティブな項目である率が高く、自発的にフリーランスを選んだかどうかが、その後の満足度に影響を与えていると推測できるとしている。
同調査では、フリーランス編として、2019年10月23日~11月24日までの期間、フリーランス・パラレルキャリア活動者を含めた601人を対象にインターネットにて行なった「beforeコロナ」と、2020年4月22日~5月9日までの期間、フリーランス・パラレルキャリア活動者を含めた1,723人を対象に行った「afterコロナ」との、2回に分けて調査を実施。
会社員編としては、2018年10月22日~10月23日までの期間、会社員や公務員など1030人を対象に行った「beforeコロナ」と、2020年4月22日~5月9日までの期間、会社員や公務員など648人を対象に行った「beforeコロナ」との、2回に分けて調査を実施した。
2018年・2019年に続き、今回が3度目の実態調査となる。
詳しい調査結果については、同社のリリース参照。
出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」
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