新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は解除となったが、いまだ完全に収束したとは言えず、この事態がビジネスに与え続ける影響はあまりにも大きい。
そして、現状をすぐに変えることはできない厳しい状況の中で、今後は、withコロナ時代におけるビジネスのあり方を模索していく必要がありそうだ。
この記事では、5月の第5週に発表された「BtoB向け新型コロナ支援サービス」をいくつか取り上げ紹介する。
飲食店業界を支援
「たくのむ」オンライン店舗を無料で開けるサービス開始
1010株式会社が運営するオンライン飲み会サービス「たくのむ」は5月27日(水)、誰でもオンライン店舗を無料でオープンできるサービス「お店プラン」の提供を開始した。
「たくのむ」は、URLを共有するだけで誰でも無料にオンライン飲み会を開催することができるサービス。3月28日のリリース以降、2カ月で190万ユーザーが利用。飲み会開催件数は75万件以上だという。
「お店プラン」では、飲食店をはじめとした「お店」をオンラン上でオープンするために必要な決済などの機能を完備している。
開催者は初期費用なしで「オンライン飲み会」形式の有料イベントを作成し、個人ユーザーの参加者を募集。会費決済までを「たくのむ」内で完結できる。
現時点で提供する基本的機能はすべて無料だが、イベント売上が出た時点で、開催者は「たくのむ」へ売上の15%分手数料(クレジットカード決済手数料は別途5%)を支払う仕組みとなる。
出典元:1010株式会社
有名店の味を自宅で楽しめるEC通販サイト「タノメル by シコメル」
株式会社シコメルフードテックとC2C PTE. LTD.は5月25日(月)、飲食店の看板メニューを自宅で楽しめるEC通販サイト「タノメル by シコメル」をリリースした。
このサイトでは、有名店のメニューを簡単に調理できるセットとして販売。購入者は、家にいながら有名店の「あの味」を気軽に楽しむことができるという。
参画飲食店は、タノメルにレシピを預けるだけで、飲食店の仕込み代行サービスを運営するシコメルの提携食品工場に、調理・梱包・発送までを一括して任せることができる。
「タノメル by シコメル」には5月末時点で5店舗の掲載があり、6月末までに約50店舗を目指し順次拡大予定だという。
出典元:株式会社シコメルフードテック
生産者を支援
商品カタログをデジタル化したECポータルサイト「みあげ屋」
企画デザイン会社である株式会社 第一紙行は5月28日(木)、新型コロナウイルスにより打撃を受けた地方産品(食品)や土産食品を応援するECポータルサイト「みあげ屋」をリリース。
このサイトでは、企業が既に持っている商品カタログをデジタル化し、一部の商品へ購入リンクを貼ることで、利用者はデジタルカタログから直接商品を購入することができるほか、購入対象外の商品も閲覧することができる。
出品企業は、1商品ごとの売上の6.6%と、決済手数料・カート利用料合計の40円、そしてプロモーション経費として売上の8%のみ負担する。売上がない場合は無料だ。
ページ制作は同社が無料で行う。サイト運営は2021年3月までの期間限定。
出典元:株式会社 第一紙行
地域を応援
新富町地域おこし協力隊のメンバーが町内飲食店・生産者を支援
宮崎県児湯郡新富町(こゆぐんしんとみちょう)を拠点に活動する新富町地域おこし協力隊メンバーは、コロナ禍で売上激減に苦しむ飲食店や生産者を支援するサービスをスタートしている。
第1弾として、同協力隊として活動するカメラマンやデザイナーなどといったクリエイティブ分野のメンバーが立ち上がり、同町にあるコミュニティカフェ「こゆ野菜カフェ」のテイクアウトPRツールを200部制作。新富町商工会や新富町役場と連携した支援企画も進行中だという。
同町では、協力隊員のコーディネートを担当するこゆ財団が、町役場や各隊員と連携し、隊員の活動における「適材適所」と「主体性の尊重」を大切にしているという。今回の支援サービスは、クリエイティブを得意とする隊員2人の特性と飲食店の厳しい現状がマッチしたことから、主体的な活動としてスタートしたものだ。
今後は、町内テイクアウトメニューを網羅したチラシの企画制作、町内飲食店や生産者の思いを取材・撮影した「しんとみ農業図鑑」の企画制作、町内飲食店の地産地消メニューについて調理手順を収録した「しんとみレシピ」YouTubeチャンネル開設など、クリエイティブのスキルを発揮した様々な支援サービスを展開していく予定だという。
出典元:一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
地域住民1人1人が地域経済を共に支え合う「#BUYLOCALプロジェクト」
合同会社MediArtが運営するCAMPFIRE 滋賀は、欲しい物を買って地域を支えるプロジェクト「#BUYLOCALプロジェクト」を立ち上げ、地域の経済活性化を図るため活動を行っている。
具体的には、消費行動喚起のためのポスター制作・掲示、クラウドファンディングの実施、県内各事業者が行うお取り寄せ・テイクアウト情報サイトなどのPRなどを実施。
テイクアウト商品を近隣の福祉事業所と連携し配達するサービス「BUY LOCAL BIWAKO DELIVERY@Otsu」や、在庫過多により困っている事業者とコラボして在庫をゼロにする取り組み「STAYHOMEするあなたにエールを!」など、地元の経済を盛り上げるためにあらゆる企画を実現している。
飲食店のみならず、地場産業や観光業を応援する地域プロジェクトも進行中。
3月16日に宮崎から始まった「BUY LOCAL」の活動は、京都・名古屋・滋賀、そして埼玉や東京など首都圏にまで広がっている。同社は「地域住民1人1人が地域経済を共に支え合う」という考え方が都市部にも波及してほしいとしている。
出典元:合同会社MediArt
イベント開催支援
IT総合展示会「マジセミ バーチャル展示会」
マジセミ株式会社は7月、宣伝機会を失ったIT企業が無料で出展できる「マジセミ バーチャル展示会」を開催する。
同社独自のゲーム風展示会システムを活用することで、参加者はゲーム感覚で展示会場を回覧し、様々なIT企業と出会うことができるという。宝探しなど、順次ゲーム的要素も企画予定。
また、出展企業と議論しながら仕組みや運営を改善していく協創型の展示会を目指すとしている。
テレワークやAI・自動化、セキュリティなど9テーマから構成。参加人数は2000人を目標とする。
出典元:マジセミ株式会社
なお、紹介したサービスや活動の詳細は、それぞれのプレスリリースにて見ることができる。
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