食パン1枚で作れるホットサンドメーカー「ホットサンドソロ」がネット上などで話題になっている。
一般的なホットサンドメーカーは食パン2枚に具をサンドするが、同商品は食パン1枚で具をクルリと包み込む。朝食にぴったりな程よいボリューム感の、片手でパクパク食べられる波形ドッグを楽しむことができる逸品だ。
これまでの当たり前を覆す、新しい視点のアイテムをどのように生み出しているのか?燕三条キッチン研究所で営業兼広報を担
当たり前を問い直すアイテムを提案
ホットサンドソロをつくったのは、ものづくりのまちとして有名な新潟県燕三条にある、クリエイターとメーカーのコラボチーム「燕三条キッチン研究所」。
ホットサンドソロは、同研究所が2019年10月に立ち上げた新ブランド「4w1h」のアイテムのひとつだ。
現代の価値観やライフスタイルの観点から、これまでの当たり前を根っこから問い直し、本当に使いやすいキッチンツールとして再編集し提案する同ブランド。他にも、少ない油でボイルするように揚げ物ができる「コンパクトフライヤー」や、フライパンと鍋がひとつになった「ひし形フライパン」などを発売している。
「多様な視点が不可欠」とチームを結成
同研究所は、燕三条の地でおよそ80年にわたって金属加工の技術を研鑽し続けている製造メーカーに勤務する小川さんの、「デザイン会社と組んで新しいモノづくりをやりたい」という意見から生まれたという。
その根底には、暮らしの基本となるキッチンツールの開発には、多様な視点が不可欠だという考えがあったそうだ。
小川さんは現在、燕三条キッチン研究所のチームメンバーである先述の金属加工メーカーに勤務しつつ、同研究所の営業・広報活動に携わっている。
-----キッチンツールを再編集するブランド「4w1h」は、どのようなきっかけで誕生したのですか?
小川さん:私がデザイン会社の方に声掛けをして、2017年より打ち合わ
せがスタートしました。 当初は、
パッケージデザインや企業ロゴのみを依頼するという選択肢 もありましたが、打ち合わせを重ねていくにつれ、 自然と現在の姿にたどり着いたという感じで、最初から「 新ブランドを立ち上げたい!」という感じではありませんでした。 いい意味で「ゆるく」始まりました。
4w1hは、企画やデザインのほか、成形から塗装まで、製造工程のすべてを燕三条で手がける、完全な「Made in 燕三条」だという。
あらためて話題に出し、新たなモノを生む
-----再編集するアイテムは、どのような視点で選んでいるのですか?
小川さん:定期的に行っている打ち合わせの中で、自由に意見を出し合っていま
す。 日常の生活の中で気が付いた違和感や、
当たり前に浸透している習慣、身の回りの製品の見直しなどを、あらためて話題に出すことにより新たなモノが生まれるのでは ないか?という感じでしょうか。
ホットサンドソロのアイデアは、小川さんの意見をもとに生まれたという。
-----「ホットサンドソロ」を始めとする画期的なアイデアは、どのように出していますか?
小川さん:ホットサンドソロは、私が我が家での出来事として話をした「
子どもにホットサンドを焼いてあげるが、いつも半分だけ残す」 という内容から始まりました。 「
考えてみると、ホットサンドは半分でも食パン1枚 分相当なので、おなかもいっぱいになるはず」「朝はトースト1枚 しか食べない」「食パン1枚用があっても面白いのでは?」 という流れで、ホットサンドソロのアイデアが出ました。
分野の異なる「素人の意見」が重要
異業種でタッグを組んだプロジェクトチームによるものづくりとは、どのようなものだろうか。
-----違う立場のメンバーが集まって仕事をするのは、大変ではありませんか?
小川さん:大変さは全くないです。
私は製造メーカーの人間ですが、
他にグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、ライターと共同で組んだチームが「燕三条キッチン研究所」になります。
それぞれが各分野のプロであり、自身の専門分野では ポテンシャルを存分に発揮しておりますが、 話題が専門外の分野になりますと、完全に「ド素人」です。( 言い方が悪いですが…。) その「ド素人」
としての意見が重要であり、 打ち合わせ時にもユーザー目線の新鮮な意見としてチーム内でも重 宝されています。従いまして、 打ち合わせの際は必ずメンバー全員で集まるようにしています。
-----仕事をするにあたって、こだわっていること・大切にしていることをきかせてください。
小川さん:ブランド名であり、コンセプトでもある4w1h。~>Why, When, Who, What, How in Kitchen~ この「『そもそも』『いつ』『だれが』『なにを』『どのように』というキーワードから、キッチンツールを再編集していきます」というスタンスはブレないよう心掛けております。
異業種がタッグを組み自由な発想から新しい価値観を生み出していく4w1h。今後、どのようなアイテムが誕生するのか楽しみだ。
出典元:4w1hホームページ
出典元:4w1hホームページ/ホットサンドソロ
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