長野県小諸市に本社を構える株式会社A.Y.Judie(エイワイジュディ)が4月7日に発売したマスクストラップ「なんでもマスク」が注目を集めている。
「なんでもマスク」は、端についたクリップを生地に留めることで、ガーゼやクロスなどを簡易マスクとして使えるようにするマスクストラップ。様々な生地を活用して簡易マスクをつくることができる同商品は発売直後から話題となり、販売するとすぐに完売する状態が続いている。
斬新なアイデアの商品はどのように生まれたのか?A.Y.Judieの土屋香南子代表取締役社長にアイデアの経緯や商品化を実現させた仕事術を取材した。
「強みを活かして社会の助けに」と考案
「なんでもマスク」は、新型コロナウイルスの影響によりマスクの品薄状態が続く中、同社の強みを活かして何か社会の助けになるような製品が作れないかと考え発案した商品。
ネックストラップに使用するクリップとストラップを使っているという。
-----貴社について教えてください。これまで、どのような事業を展開していたのですか?
土屋社長:30〜40代の働く女性をターゲットに、
IDカードホルダーやパスケース、 モバイルポーチなどの身の回り小物を企画・卸するブランドです。 全国の小売店に卸売りをするとともに、 オンラインショップで直販をしています。 商品は全て自社企画のオリジナル商品で、
長野県東信地方に加工所を作り、内職で製造しています。
-----既にある材料(ネックストラップに使用するクリップとストラップ)を使って簡易マスク用ストラップを作るというアイデアは、どのように発案したのですか?
土屋社長:A.Y.
Judieの製造を担う内職チームのリーダーから発案がありまし た。 製品を企画する際には、様々なパーツを取り寄せます。
当時販売している製品には使用していなかったクリップとゴムひもを組み合わせることでアイデアが生まれました。 マスク不足によりマスクを手作りする方も多くいらっしゃいますが、
裁縫が不得意で作れない方もいらっしゃいますし、 手作り感のあるマスクはなかなかビジネスシーンでは着用がしにく いものです。そんな方でも、ガーゼやクロス、 キッチンペーパーを使って簡単にマスクが作れるアイテムにはニー ズがあると感じました。
社内外とこまめに進捗状況を共有
アイデアもさることながら、マスク不足が問題になっている今、発案から商品化までを素早く実現させたスピード感も驚きだ。
-----今求められている商品を素早く世に出すために、どのような工夫をしていますか?
土屋社長:アイデアが出たのが3月26日でしたので、4月1日のプレスリリース発表まで1週間足らず、弊社でも今までにないスピードでの発売となりました。
弊社が小さい組織であるということと、材料の仕入れ及び製造ともに日本国内でやっているということが一番の要因だと感じています。
製品化決定後、分担してクリップやゴムひも、パッケージなどの仕入れ先とスケジュールを共有し連携を進めました。仕入れ先も通常よりもスケジュールを前倒しして、納品を進めてくれました。
社内では、こまめに進捗状況を共有するミーティングを行いました。
全ての人に真摯に向き合うことを意識
-----商品化にあたって大変だった点は?また、それをどのように乗りこえましたか?
土屋社長:一番大変だったのはサイズの決定と使用感の見極め
でした。 一般のマスクのサイズはどのくらいなのか、
手に入るマスクや手作りマスクのサイズ、 また組み合わせるであろうハンカチやガーゼ、 クロスのサイズを見て決定しました。
また、長時間着用するものであるということから、着用しても痛くなら ない平らなゴムひもを選びました。 とにかく短期間での発売でしたので、すぐ判断し、 全員で共有することで乗り越えました。
-----仕事をするにあたって大切にしていることや心がけていることなど、仕事の流儀を教えてください。
土屋代表取締役:仕事をするにあたって、
常に真摯に向き合うことを意識しています。 お客様はもちろん、
仕入先・加工所・従業員全ての方に対して常に正直に真摯に向き合うことが企業とし ても、経営者としても信頼につながると考えています。 また、
チームに対してはできるだけ、 自分の考えを共有するようにしています。結論だけでなく、 その考えに至った理由や現在の状況も共有することで、 チームメンバーが動きやすくなると感じています。
ストラップでマスク不足の悩みを助ける「なんでもマスク」。画期的な商品の誕生の裏側には、仕事相手や仲間とこまめに情報や考えを共有する真摯な仕事術があった。
出典元:A.Y.Judie
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