企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するソフトウェア企業のアトラシアン株式会社。
同社は最近実施した企業人への調査から、従業員は自らが働く企業が環境、ヘルスケア、生活費など社会が抱える課題に、積極的に取り組むことを望んでいることが判明した旨を3月10日に発表した。
イメージ画像:AdobeStock調査は幅広い地域と業種において様々な属性を持つ、豪州1200名、米国2500名を超える企業で働く人々を対象に実施された、「The Return on Action Report(アクション・リターン)」という調査レポートにまとめたものである。
企業こそが社会の課題解決に率先して取り組むべき
同調査結果を見ると、「企業こそが社会の重要な課題の解決に率先して取り組むべき」という従業員の期待があらわれていた。
これは、世代を超えた多くの従業員が企業に対して抱く新たな期待、企業のアカウンタビリティ(説明責任)やモラル(道徳的義務)を示した初の調査レポートといえるという。
社会問題に取り組まない企業は従業員が離れていく
PwCオーストラリアに委託して行われた同調査。
米国の従業員の約3割(32%)は、企業が自分の価値観に合わない方法で行動した場合には「退職する」と回答し、社会問題に取り組まない企業は従業員を失う可能性が高いことがわかった。
社会問題意識の高いZ世代では43%がそのように回答し、半数以上の57%が「政治的、社会的課題について従業員が意見を述べることを企業は認めるべき」と考えていた。
経済や環境に対する懸念
アメリカでは属性を問わず多くの従業員が、ビジネスが影響を及ぼすことができる2つの大きな要素は経済問題と環境問題であるとしている。
企業は適切な賃金と平等な雇用機会を通じて賃金格差問題に対処すべき一方、地域コミュニティーへの貢献と説明責任を果たすことが期待されている。
また、回答者の大半は、企業活動が環境にもたらす影響について「企業が全責任を負う必要がある」と考えていた。
大多数が廃棄物や汚染問題を解決に導くべく、「持てるリソースを活用すべき」としている。
調査方法概要
同社は豪州と米国の企業で働く人々の優先事項、期待、行動様式を理解するため、PwCオーストラリアに調査実施を委託。
特に、従業員がどのような社会問題に最も関心があるのか、どこに責任があると考えているのか、企業が従業員の価値観の変化に応じて社会問題の解決に取り組むことの意味、あるいは取り組まない場合の意味等に重点を置き調査を実施した。
昨年10月に豪州の企業で働く人69名と米国企業で働く人96名を対象に、詳細にわたる定性調査が行われ、それを基に12月に豪州で1212名、米国で2421名の母集団による定量調査を完了。調査サンプルは多様な人種、地域、業種を抽出した。
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