映像コンテンツのマーケティング事業を手がける株式会社フィールドワークスと映像メディア総合研究所合同会社は、全国5000人規模のネットアンケート調査を実施した。
テレビ放送、映画館、DVD・ブルーレイ、有料・無料の動画配信など、すべての映像視聴メディア・サービスのユーザーの利用実態を調査・分析し、3月10日にレポートを発表した。
イメージ画像:AdobeStockレンタルとサブスクの利用率が初めて逆転
「映像メディアユーザー実態調査2020」レポートによると、有料テレビ放送、SVODの「サブスク」が、DVD・ブルーレイレンタルやTVODのレンタルを利用率で逆転したことがわかった。
2019年に過去最高の興行収入2611億円(前年比117.4%)をあげた「映画館」は、前年から3ポイント増加し利用率が46.5%となった。
映像ホームエンタテインメントでは、「有料テレビ放送」は前年並みながら、定額制見放題のSVODが前年から4ポイントほど増加したことで、これを合わせた「サブスク」サービスの利用率は前年から3.7ポイント増加し29.3%となった。
これは「DVD・ブルーレイレンタル」と「TVOD」を合わせた「レンタル」サービスの27.6%を上回り、映像ホームエンタテインメントの中心だったレンタルとサブスクの利用率が初めて逆転するという結果に。
映画を例に挙げると、レンタルは劇場公開終了後、新作として二次利用の稼ぎ頭となる都度課金サービスである。
一方のサブスクは旧作を見放題で楽しむ定額サービスで、この逆転はこれまでの映像ビジネスモデルの崩壊、新たなビジネス形態の隆盛を如実に捉えた結果といえる。
Amazonプライム・ビデオが他を圧倒
「Amazonプライム・ビデオ」はプライム会員の特典であるため、回答者全体における利用率では「無料の意識」で利用している人も含めた割合と、「有料の意識」で利用している人の割合とを分けて集計。他サービスは「有料の意識」での利用者割合である。
「Amazonプライム・ビデオ」は、「無料の意識」も含めた利用率では前年から3.5ポイント伸び、回答者全体の16.3%となった。「有料の意識」での利用者においては回答者全体の10%に達している。
また、母数を有料動画配信サービス利用者に置き換えると、「Amazonプライム・ビデオ」は前年の48.2%から3.4ポイント伸び、初めて利用者の5割を超えた。
一方、有料の動画配信専門サービスでは、「Netflix」が前年から0.8ポイント伸長し、回答者全体の2.8%が利用しており、配信専門サービスではもっとも利用されていることがわかる。
調査概要
「映像メディアユーザー実態調査2020」は、映像視聴メディア・サービス利用者の利用実態の把握を目的に行われた。
調査対象メディア・サービスは、映画興行、無料テレビ放送、有料テレビ放送、DVD・ブルーレイのレンタル、DVD・ブルーレイの購入、無料動画サービス、定額型動画配信(SVOD)、レンタル型動画配信(TVOD)、デジタルデータでの動画販売。
調査期間は2019年11月22日~11月27日で、13~69歳の男女を対象に、全国でインターネットアンケート調査を行った。集計サンプル数は5022人となっている。
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