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ハウス食品が「スパイスクレヨン」を開発、製品に適さない原料の有効活用に挑んだチームの工夫と熱意とは

長澤まき

2020/03/13


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ハウス食品グループ本社は、新しいものや体験の応援購入サービス・Makuakeにて、製造工程で発生する製品に適さないスパイス原料を有効活用したクレヨン「彩るスパイス時間 CRAYONS」を開発した。

クラウドファンディングを2月26日より開始したところ、開始3日目にて目標金額を達成。現在、目標を遥かに上回る応援が寄せられている。

食品メーカーである同社が、なぜクレヨンをつくったのか?ハウス食品グループ本社に開発の道のりを取材した。

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製品に適さない原料を有効活用

「彩るスパイス時間CRAYONS」は、製造工程で発生するサイズや傷などが理由で製品に適さないスパイス原料をライスワックスに練りこんだ自然素材由来のクレヨン。

色も香りも色名もスパイスそのままで、スパイスの色や香りを感じながら絵を描いたり、塗り絵を楽しむことができるという。

カラーは、クローブ・シナモン・ターメリック・タイム・バジル・パセリ・ホワイトペパー・パプリカ・レッドペパー・ローリエの10色だ。

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様々な部署のメンバーが集まり開発

同商品は、同社が「循環型モデルの構築」をテーマに掲げて進めている、限りある資源の有効活用の一環として開発したという。

開発チームの一員である研究開発本部イノベーション企画部の竹山知華さんに詳しい話を聞いた。

-----開発担当者(チーム)の普段のお仕事内容やミッションを教えてください。

竹山さん:「ハウス食品グループの研究所でのオープンイノベーション、外部との技術連携・異業種交流を推進するミッションを担っています。

今回のチームは、業務時間の20%を自分の関心のあることに使える『One Day a Week』という制度の中で、原料開発・新規事業・CSR部など様々な部署のメンバーで構成しました。」

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提供:ハウス食品グループ本社/開発担当チーム

海外の記事やSNSなどで日々情報収集

-----製品に適さないスパイスの有効活用を検討する中で、「スパイスのクレヨン」というアイデアを発案した経緯を教えてください。

竹山さん:「スパイスの色と香りを活かせるアイデアを出すワークを実施しました。クレヨンはたくさん出したアイデアのうちの1つです。

スパイスの1つであるターメリックは昔から布の染色や紙に使われているなどの活用事例があり、食品以外にも視野を広げて検討しました。」

-----普段からアンテナを広げて、原料の有効活用に活かせそうな情報を取り入れていたのですか?

竹山さん:「海外の食品系の記事やFacebook等SNSでの情報、また雑貨・文具店などで面白そうな製品・取り組みについて日々情報収集を行っています。

伊藤園さんの茶殻リサイクルシステムやサントリーさんのウイスキー樽の活用など、廃棄されてしまう原料を活用した例が展示会や新聞で取り上げられていたので、私たちにも何かできるのではないかと考えました。」

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課題・疑問は相談して早めに解決

-----メイン事業である食品とは別分野(文具)の商品を開発するのは大変だったのでは?

竹山さん:「社内では文具製造に関する知見がなく、業界のルールや注意する点が分からず、毎日が手探り状態でした。

クレヨンの製作パートナーであるmizuiro.inc様にもサポート頂き、文房具メーカーの取り組みを参考にしながら進めました。」

-----開発にあたって大変だったことは?また、それをどのように乗り越えましたか?

竹山さん:「クレヨンのカラーバリエーションはスパイス本来の色を再現していますが、同系色が多い中、微妙な色の差が出るよう工夫しました。

また、研究所主体で行う事業創造で、通常の流れとは異なりわからないことが多かったため、社内の様々な部署に進め方を相談する毎日でした。また、社内外の専門家に相談し、見えない課題を早めに解決するようにしました。」

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提供:ハウス食品グループ本社
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提供:ハウス食品グループ本社

-----商品化を実現させた原動力を教えてください。

竹山さん:「個人的におしゃれな文房具が好きだったこと、文房具という研究所初・社内初のことに取り組めることがとても魅力的でした。

また、たくさんの人が協力してくれたことを無駄にしたくないという思いで実現しました。」

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提供:ハウス食品グループ本社

自ら行動し、粘り強く熱意を伝える

-----クラウドファンディングの早期目標達成のために、どのような工夫をしましたか?

竹山さん:「クラウドファンディングを実施頂いているMakuake様、モノづくりパートナーのmizuiro.inc様にもご協力頂きながら、初日に会社や各個人のTwitterやFacebookなど、さまざまな媒体で案内して頂けるように準備を行いました。」

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-----開発担当者様の仕事の流儀は?こだわり・仕事をするうえで普段から大切にしていること・心がけていることを聞かせてください。

竹山さん:「周りの協力を得るためには、自ら行動し、顔を突き合わせて直接熱意を伝えること、相手の立場も踏まえて熱意が伝わるまで粘り強く説得することが重要と考えています。

自分の好きなことを大事にして、こだわりを表現することも意識しています。」

社内外の様々な人々の協力を得て誕生したスパイスクレヨン。

一般販売は現時点では予定していないが、応援購入者の意見やクラウドファンディングの結果をもって検討したいと考えているという。(クラウドファンディングは5月26日まで実施)


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