女性リーダー育成に焦点を当てた「ダイバーシティ&インクルージョン」を専門とする、豪コンサルティング企業のThe Dream Collective Global Pty Ltd。
同社は3月8日(土)の「国際女性デー」を前に、日本女性の社会進出を支援すべく、「働き方の多様性に関する意識調査」の結果を2月17日に発表した。
イメージ画像:AdobeStock給与、キャリアアップにジェンダー問題あり
「ザ・ドリーム・コレクティブ調べ」の調査結果は以下のとおりである。
1.職場環境の満足度
37.4%が現在の職場環境に満足していない傾向にあること、女性の方が給料に不満を抱えていることが明らかに。
「給料が少ないのが不満である」と回答した男性は57.2%である一方、女性は68.7%と、給料に対する満足度に男女で11.5ポイントも差があることが判明した。
2.キャリアアップのジェンダー問題
半数以上(58.5%)が今の職場に「キャリアアップのチャンスはない」と回答した。
特に20代女性は60.0%がチャンスがないと感じている一方、20代男性は43.0%と平均よりも低く、男女の意識の違いが浮き彫りとなった。
女性の方がキャリアアップのチャンスがないと感じている。
30代、40代の女性がキャリアアップのために会社に求めることは「ボーナス、育休などのよりよい福利厚生制度の充実」が4割と最も多い一方、30代、40代の男性は「技術的なスキル開発」を求めている。
上司の男女率を調べると、男性上司が多い傾向にある企業が約7割を占め、日本はまだまだ男性社会であることが浮き彫りとなった。
また、60.6%が上司に対し「部下のキャリアアップのためにもっとできることがあると思う」と不満を抱えていた。
3.「育休取得」について
育休取得の機会があっても男性取得率は23.9%と女性の1/3にとどまっている。
7割以上の男性が今後育休取得を積極的に取る意思が薄く、取得しない理由として、4人に1人は「男性は育児休暇を取得する必要がないと思うから」と回答している。
一方女性は「キャリアを失うこと」を懸念していることも明らかになった。
4.多様化する世界に対応する会社の姿勢
多様性が求められる中、「ダイバーシティ&インクルージョン」について取り組んでいる企業はわずか37.2%にとどまり、その考えに課題が残る結果となった。
調査概要
同調査はインターネットにより実施され、期間は2020年1月25日~1月26日、対象者は全国の働く男女計800名となっている。
世界経済フォーラムが毎年実施している「ジェンダー・ギャップ指数」によると、日本は2018年の110位から順位を下げ、153ヵ国中121位となったことが明らかになった。
日本では世界同様、性差別や多様性についての議論が数多く行われてはいるが、改善に向けた対応が遅れているなど、多くの課題が浮き彫りになってきているようだ。
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