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見た目と味が入れ替わってる!?斬新すぎる「逆転ホームランバー」を生み出した開発チームの仕事術

長澤まき

2020/03/10


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今年発売60周年を迎える協同乳業の「ホームランバー」。

長年にわたって多くの人々に親しまれてきたロングセラー商品に今年2月、一見すると普通のバニラとチョコの2色のバーアイスだが、実は「チョコのふりしたバニラ味」と「バニラのふりしたチョコ味」という、見た目と味が入れ替わった商品が登場し、話題になっている。

斬新な商品はどのように誕生したのか?協同乳業の逆転ホームランバー開発担当者に仕事術を聞いた。

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提供:協同乳業

60周年記念商品として企画

同商品はホームランバーの60周年記念商品。

記念商品を検討するにあたって事前調査を行ったところ、「ホームランバー」はネーミングの認知度は非常に高いが、最近食べていない人が多いことが課題の1つとして浮かびあがったという。

そこで、同商品を再度認知してもらうと共に、新たなファン層の獲得には、商品に強い話題性を付与することが必要だと考えたそうだ。

開発担当者:「『ホームランバー』のもつ懐かしさだけではなく、ワクワクする楽しさをどう伝えるかも考える必要がありました。」

2つの案を繋いでブラッシュアップ

商品企画にあたっては、昨今は消費者の好みや興味が多様化しているため、景品以外での話題性付与策を考える必要があったという。

そんな折、商品開発会議で商品の歴史を振り返る中、過去に「ツーランホームランバー」や「大リーグホーマー」など、野球にちなんだ商品を発売していたことから、「逆転ホームランバー」というネーミング案が浮上。

また、過去に開発部門から“バニラの色をしたチョコ味”の提案があったことを思い出し、見た目と味が違うことが逆転につながるのでは、と閃いたそうだ。

開発担当者:「よりインパクトを高めるため、“チョコのふりしたバニラ味”の開発にも取りかかり、1本で楽しめる2層設定の『逆転ホームランバー』が誕生しました。

『“見ため”と“味”が入れ替わってる』というキャッチは、某映画のヒットからだいぶ時間が経ってはいますが、それはそれで消費者に『今さら~』といじってもらえばSNS等でネタになるのではないかと考え、パッケージに配しました。」

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斬新な企画に戸惑う声も

ロングセラー商品であるホームランバーを逆転させるという画期的な発想に、社内からは「売れるのか⁉」「見た目と味が違うというクレームがあるのではないか」など戸惑う意見もあったが、同商品の役割を丁寧に説明して商品化を実現させたという。

開発担当者:「ホームランバーは数年前より、昔からの“銀紙包装”角型商品の歴史は大事にしながらも、時代のニーズに合った“長方形平型”形状への移行を図っています。

この新形状を消費者に認知・記憶してもらい、根付かせるためには、ホームランバーのもつ“楽しさ”に“話題性”を加えた商品の投入で商品を購入してもらうことが優先されることを社内で説明し、了解を得ました。」


「混乱」を楽しめる商品へ

見た目と味が逆転した商品を開発するのは、予想以上に大変だったという。

開発担当者:「視覚による思い込みは我々の想像を大きく超えており、開発段階では、チョコ色のアイスにしっかりバニラ味をつけても『チョコの味がするんだけど』いう意見も出ました。

そこで、当初は誰が食べてもバニラ味にすることを目指していましたが、食べる人が『あれっ!??今どっちの味を食べているんだろう』『頭が混乱する』『私の舌おかしいかな??』等、家族や友人とワイワイ食べながら“視覚と味覚の混乱”をコミュニケーションとして楽しんで欲しいと発想を転換し、味をはっきりわかるレベルにしないところに調整しました。」

もちろん、面白さだけでなく、アイスとして美味しい風味作りにもこだわったそう。

工場で2層に充填する際は、上下の味(色)が混ざってしまったり、境目に溝ができて見た目が綺麗にならなかったりと苦労したが、試行錯誤を繰り返し、満足いく出来栄えの商品を完成させたそうだ。

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提供:協同乳業

チームの自由な発想・共有が新商品を生み出す

画期的な商品を実現させた商品開発にかけるこだわりを、こう話す。

開発担当者:「今回の『逆転ホームランバー』の元々のアイデアは、商品開発の基本でもある顧客目線での開発から一旦離れ、アイスが本来持っている『楽しさ』を伝えるにはどのような手法があるかという商品開発チームの自由な発想から生まれました。

また、ホームランバーの60周年を必ず成功させたいという熱い思いから、商品開発チームが一丸となって、様々な角度からアイデアを出し合い、絞りだし、温めていたアイデアと繋ぎ合わせて出来上がった商品です。」

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提供:協同乳業

様々な商品を開発し続けるにあたって、日頃から大切にしている考えや実践していることを聞いた。

開発担当者:「消費者のベネフィットを第一に考え、当社が保有する財産をどう活用すれば、顧客満足度の高い商品に仕上がるかを念頭において商品コンセプトを立案しています。

開発チームメンバー内で各メンバーが気になった商品・サービス・情報・消費者動向等を社内チャットを活用して即座にメンバーで共有し、メンバー間の感度合わせと情報交換を常に行っています。」


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