「出身地と出身者をつなげる」をコンセプトに2020年1月に設立した株式会社ライトライトは、地域の事業承継(継業)を促進するためのプラットフォーム「relay(リレイ)」を立ち上げる。2020年春に本サイトの開設が予定されており、それに先駆けてティザーサイトを2月13日に公開した。
後継者不足で、中小企業の半数が黒字のまま廃業
2019年度版「中小企業白書」によると、2018年の中小企業の廃業数は年間約4万7000件で、半数が黒字のまま廃業している状況だという。
その大きな理由のひとつが「後継者不足」で、2025年には約20万人の経営者が70代に突入する予測がされており、中小企業の事業承継は日本社会全体の大きな課題となっている。
事業譲渡の経験をもつ代表が立ち上げた「relay」
「relay」を手がける株式会社ライトライト代表の齋藤隆太氏は、前職にて「地域×クラウドファンディング FAAVO(ファーボ)」の立ち上げと黒字化、事業譲渡の経験をもつ。
このたび、「出身地と出身者をつなげる」をコンセプトに立ち上げた「relay」は、地方出身者が「経営者となってUターンする」ようなキャリアプランを促進し、事業承継の橋渡しをする。
後継者を探している中小企業と継業希望者をマッチング
「relay」は、継業をもっと身近にすることを目指すマッチングプラットフォームで、後継者を探している中小企業と、事業を引き継ぎたい継業希望者をweb上でマッチングさせるのが狙い。
単なるマッチングサイトではなく、どんな想いで企業や店舗を運営してきたか、オーナーの想いを記事化するなど、メディア機能に力を入れていくという。
初号案件は宮崎県の事業者
今回のティザーサイトの公開と併せて、第1号案件となる宮崎県の「CORNER/コーナー(運営:株式会社一平)」の後継者募集がスタートしている。後継者公募の問い合わせ受付は2月29日(土)まで。
「CORNER/コーナー」は、2008年9月より宮崎の中心市街地(一番街)において、まちのシンボル的な役割を果たしてきた店舗。
一平は、宮崎の故郷の味として親しまれている「元祖レタス巻き」の一平寿司をルーツに持つ会社で、「Tully’s Coffee」の多店舗展開や「九州パンケーキカフェ」の国内外での出店のほか、分散型ワークプレイス「九州アイランドワーク」という新サービスなどを手がけ、九州全域で事業展開を行っている。
今回の後継者募集は、本格的な海外展開も見据えた中で、事業展開の選択と集中のための決断だという。
「relay」では、まずは宮崎からスタートし、将来的に全国展開を図っていく予定だ。
後継者に悩む地方の事業者と、その地方の出身者を結びつけ、地域活性化、ひいては日本社会の課題解決へと結びつけていく「relay」の試み。今後の展開に注目したい。
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