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約500の職業の総合的な情報を提供する「日本版O-NET」が3月にスタート、労働市場の「見える化」をめざす

長澤まき

2020/02/20(最終更新日:2020/02/20)


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厚生労働省は、労働市場の「見える化」をめざす「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」を3月にスタートする。

職業ごとの仕事内容や求められる知識・スキル等に係る情報を検索・参照できるWebサイトだ。

労働情報インフラを公的整備することで、社会的な人材の有効活用・労働取引の適正化・企業の人材マネジメント強化につなげ、日本の労働市場を再設計する。

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イメージ画像/Adobe Stock

約500の職業の総合的な情報を提供

約500の職業の解説・求められる知識やスキル等の数値データを盛り込み、総合的な職業情報を提供。

職業情報を「見える化」することで、利用者は自分に最適な職業を選択すると共に、これから必要な学びは何かを知ることが可能に。

企業は求める人材を獲得するために必要な労働市場情報を正確に把握することができ、キャリアコンサルタント等はより的確な支援を行えるようになるという。

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外部労働市場の弱さが課題

これまで日本の労働市場は、長期雇用や年功序列など、一度入社したらその会社の人事ルールによって配置・教育訓練・報酬などが決まる「内部労働市場」が中心となってなっていた。

しかし30年近い低成長期により、日本企業の賃金と労働生産性は先進国中最低レベルに。

厚生労働省職業安定局総務課首席職業指導官室は発表で、日本の労働市場は、企業の枠を越えて行われる賃金の価格調整と人材配分の仕組みである「外部労働市場」機能が弱いと指摘している。

企業内部が外部と連動しないため、伸びない賃金と弱い企業活動が構造的に低位均衡してしまっているそうだ。

マッチング機能の高まりを期待

米国では90年代以降、米国O-NETなどの職種別にフォーマット化された労働市場情報を提供する公的インフラが一役買って生産性向上が進み、現在の高い労働生産性につながっているという。

今回、日本版O-NETにより、仕事の内容と人材に求められるものを明示化し、その相場と動向をリアルタイムに示す信頼性の高い情報を提供することで、求人・求職におけるミスマッチを防ぎ、社会的な人材ロスを減少へ。

新たな労働市場のインフラとして、外部労働市場におけるマッチング機能を高めていくことが期待されている。


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