日本マイクロソフト株式会社はこのほど、最高裁判所が推進する民事訴訟手続きのIT化の一環で、同社の作業共有ツール「Microsoft Teams」を採用したと発表した。
2月から9カ所、5月から5カ所の裁判所で活用する。同社によると、民事訴訟事件の争点整理において、同ツールを活用するのは世界初の事例という。
IT技術の活用で効率化を目指す
「Microsoft Teams」は、Office 365にてチャットやファイル共有、ウェブ会議など各種アプリケーションとの連携ができるコラボレーションツールである。
世界中で毎日2000万人以上が利用しており、チームワークの構築やリモートワークなどで活用されている。
Microsoft Teams上のデータは、同社のデータセンターに格納するなど厳格に管理しているため、政府機関や企業などの機密情報の取り扱いにも適しているという。
裁判スピード向上と負担軽減へ
民事訴訟手続きの「争点整理手続き」とは、当事者間の争点や証拠の整理をすることで、遠方の当事者の場合は、電話やテレビ会議システムにて対応してきた。
しかし、電話は互いの表情が見られず、テレビ会議システムは最寄りの裁判所まで出向く必要があったり、同じ資料を確認しながらの協議が難しかったりと課題があった。
Microsoft Teamsの導入により、画面共有をして資料の同時閲覧や編集、表情の確認、移動費用や時間の軽減、裁判期間の短縮などが実現するとしている。
今後は、争点整理のフロー改善により、さらなる精度向上や訴訟の迅速化を目指し、書類提出や進捗状況の確認などをオンラインで行えるように法改正を含めて検討していくという。
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