ユニオンテック株式会社は2019年度、台風15号・19号で被災した千葉県の家屋の初期復旧を目的とした「応急防水施工による家屋補修の支援事業」を実施した。1月30日に活動報告を発表した。
平時用のサービスを災害時の応急対応に活用
災害による家屋被害の大きさは、全壊・半壊・一部損壊の3つに分類される。一部損壊は、被害の程度が小さいとされながら数は最も多い。
応急復旧対応には高い専門性が求められる工事もある一方、職人の確保は困難さを増している。
ユニオンテックが運営する建設工事マッチングプラットフォーム「SUSTINA(サスティナ)」は、平時における職人不足という社会課題を解決するサービス。職人不足が顕在化する災害時にこそ「SUSTINA」に集まった情報を活用できると判断した。
「SUSTINA」を活用した災害復旧事業の概要
台風15号・19号により屋根が損壊した千葉県内被災者向けに、応急防水施工の希望者を募った。
また、「SUSTINA」会員の中から、施工管理会社・工事会社を募集し、応急防水施工希望者とマッチングを行った。
日本初の官民連携災害復旧事業の成果
全国から80名の職人が集まり県内41市町村の施工に対応
全国1万3000社の「SUSTINA」会員から、プロジェクトの趣旨に賛同した職人が千葉県に駆けつけた。合計参加人数は80人で、北海道~大阪まで広範囲から企業が参画した。
応急防水施工未対応家屋のうち25%の施工を実施
千葉県の調査によると、応急防水施工が必要な対象件数は3900件あり、2019年10月7日時点で展張未対応が689件だった。
同社によると、想定をはるかに超える施工申し込みがあり、事業を通じて展張未対応家屋の25%にあたる173件の展張を完了したという。
申し込みから現地調査・ブルーシート拡張まで17日で完了
対象家屋のブルーシート展張には、申し込みから現地調査・ブルーシート拡張までで3~6カ月かかると見込まれていたという。
地域や住宅構造に応じた専門工事会社を差配できたこともあり、平均17日で展張を完了した。
ユニオンテックは、今後も、行政との協働を模索し、一刻も早い被災家屋の復旧に向けて尽力するとしている。
台風被害に対する本事業の報告書全文は、次のページから閲覧できる。
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