HOMEビジネス JA蒲郡市、農業技術を動画で受け継ぐ「後継者育成システム」を初導入

JA蒲郡市、農業技術を動画で受け継ぐ「後継者育成システム」を初導入

さえきそうすけ

2020/01/30(最終更新日:2020/01/30)


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株式会社AGRI SMILE(東京都渋谷区)はこのほど、愛知県蒲郡(がまごおり)市のJA蒲郡市に、産地のプロ農家や技術指導員の技術や知見を動画で体系的に蓄積していく「農業後継者育成システム」を初めて導入した。

産地で栽培技術をつないでいく「農業後継者育成システム」をJA蒲郡市に初導入 1番目の画像

プロ農家や技術指導員の栽培技術が学べる

導入は昨年12月。「農業後継者育成システム」では、産地のプロ農家や技術指導員の栽培技術を、動画で撮影、編集し、運用やマニュアル作成までをサポートする。

一連の過程は科学的知見に基づき、個人や土地、その年の気候などの個別具体的な事象に依存しない知見を中心にまとめる。

また、個別具体的な事象を含め、日々現場で発生する疑問点に対する指導員とのQ&Aも蓄積していくという。

産地で栽培技術をつないでいく「農業後継者育成システム」をJA蒲郡市に初導入 2番目の画像

JA蒲郡市に導入

新システムの導入により、産地ごとに技術を体系的に蓄積し、その継承を容易にすることで、技術指導の負担軽減や技術レベルの底上げを図る。

若手農家や新規就農者への技術指導はもちろん、営農指導員の後継者育成や、生産の背景まで理解した販売促進などにも活用できるといい、多方面から、産地での高品質な農作物の生産を持続可能にしていける。

今回、同システムを初めてJA蒲郡市に導入した。蒲郡市は、全国有数の温室みかんの産地である。

若手農家が比較的多い温室みかんを中心にシステムを運用し、産地で技術をつなぐ基盤を整えていく。なお、今後は様々な品目や産地で展開していく予定だ。

栽培技術の継承に貢献したい

農業では家族経営が一般的で、技術や知識は親から子へと継承され、その多くが暗黙知や経験則のままである。そのため、技術の習得には長い時間を要し、完全に習得するのは容易ではない。

栽培技術を指導する役割を担う、JAの営農指導事業は収益性が低く、合併に伴い縮小してきたことで、営農指導員1人あたりの組合員数は増加した。

人事異動もあり、組合員である農家と営農指導員の間では、信頼関係を築きにくくなっている上、営農指導員の技術指導力に対するニーズは多様化、高度化しており、質的にも量的にも農家からのニーズに十分に応えられていないという現状だったという。


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