ドイツ・ベルリン在住のデザイナーJonna Breitenhuberさんがデザインした、容器自体が石鹸から出来ているという環境に優しい石鹸ボトル「SOAPBOTTLE」が話題を呼んでいる。
この斬新なプロダクトについて、Jonnaさんに詳しい背景を聞いた。
ごみを一切出さないソープボトル
「SOAPBOTTLE」の中身は、シャンプーやシャワージェル。カラフルな色合いは全て、自然の素材から色を抽出しているもので、容器はプラスチックではなく固形石鹸だ。
中身を使用する際には、容器の角を刃物でカットして中身を出す。そして中身が空になった際には、容器には石鹸として第二の生命が宿るのだ。
プラスチック廃棄物の削減に貢献する、まさにエコフレンドリーな製品として、海外メディアが報じるなど注目を集めている。
―「SOAPBOTTLE」が出来上がった経緯を教えて下さい。
「『SOAPBOTTLE』は私の修士論文の成果です。およそ8カ月間かけて完成しました。
アイデアから最初の試作品に仕上がるまで、色々な浮き沈みはありましたが、石鹸工場などを訪問したり、科学者と意見交換をしたりと、石鹸づくりの技巧や決まったやり方などを学ぶための楽しい経験もありましたよ。」
数年以内の販売目指す
Jonnaさんはベルリンを拠点に活動するプロダクトデザイナーだ。
高校卒業後、アートや工業デザインの勉強を続け、2019年にベルリン芸術大学にてプロダクトデザイン修士号を取得。これまでにも様々なデザインプロジェクトを手掛けてきたという。
―いつ、どのようにしてエコフレンドリーなデザインに挑戦しようと思ったのですか?
「化粧品のパッケージデザインの勉強を通して、液体のパーソナルケア製品にはプラスチックを使わないパッケージというものがほとんど存在しないのだということに気が付きました。
そして、修士論文ではこの問題に取り組んでみたいと思うようになったのです」
―「SOAPBOTTLE」の、日本での販売予定はありますか?
「現段階では『SOAPBOTTLE』はまだコンセプトの段階です。石鹸パッケージとはどのようなもので、どのようにして使用するのかを、示しただけのものなのです。
これを実際に市場に出すには、まだいくつか解決しなければならない点もありますが、既に、興味を示してくださっている様々なメーカーや企業とコンタクトを取っています。
このプロジェクトは大きな注目を集めており、需要も高いことから、数年以内に市場に出せればと考えています」
プラスチック廃棄物による環境汚染問題は、世界中が一丸となって取り組むべき課題だ。
そこにまた新たなアイデアの風を吹き込んでくれたJonnaさん。「SOAPBOTTLE」の製品が日本の市場に出回る日は、そう遠くはないかもしれない。
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