株式会社ブランド総合研究所は、全国の政令指定都市、中核市、県庁所在市の83市を対象とした市民目線による悩みや社会の課題、幸福度や定住意欲度などに関する地域の持続性を明らかにする「市版SDGs調査2020」を実施した。
SDGs指数トップは埼玉県川越市
同研究所は、市民生活についての評価指標である「幸福度」、生活の「満足度」、社会や住んでいる街に対しての持続性につながる指標である「愛着度」、そして「定住意欲度」の計4つの指標の平均点を総合指標である「SDGs指数」を算出した。
調査した83市のうち、最もSDGs指数が高かったのは埼玉県川越市だ。同市は幸福度で1位、満足度も4位、愛着度や定住意欲度も上位に食い込んでいる。2位は石川県金沢市で、4指標とも10位以内にランクインした。
SDGs指数ランキング
【左】幸福度ランキング 【右】生活満足度ランキング
【左】愛着度ランキング 【右】定住意欲度ランキング
住民の不満や悩みトップは「低収入・低賃金」
抱えている悩みがあるかという問いには、83.3%が「ある」と回答。その中で最も多かったのは「低収入・低賃金」で約34.6%の人が悩んでいると回答した。
地域差が大きく、宮崎市と青森市では半数以上の人が悩んでいる反面、最も少なかった兵庫県西宮市では23.0%となっている。ジャンル別では「貧困・健康・福祉」に関する項目が悩みの上位10位を占める結果となった。
社会として取り組むべき課題の中で、もっとも多くの声が上がったのは「高齢化」だ。高知市や福井市の40.0%が最も多く、年代別では年齢が高い人ほど課題だと感じている割合が多かった。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:政令指定都市、中核市、県庁所在市の計83市
回答者:登録調査モニター(15歳以上)から対象市ごとに市民を抽出
回収数:13,753人(各市から約200人を目標に回収)
有効回答数:13,270人(不完全回答および非居住者を除く)
各都道府県は約160人(一部で有効回答数が少ない市あり)
調査時期:2019年11月19日~12月23日
調査項目:基本指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度、SDGs認知度、金融商品への投資経験など6項目)、市民の悩み(「低収入・低賃金」など50項目)、社会として取り組むべき課題(「農林水産業の衰退」など50項目)
回答者属性:年齢や性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など
注目度高い「地域ブランド調査」
ブランド総合研究所では地域の活性化を主体とした調査とコンサルティングの専門企業として地域ブランド調査を毎年行っており、地域や自治体の評価指標として全国的に注目されている。
埼玉県川越市の名所「時の鐘」=資料写真、Adobe Stock東京オリンピックを控えて世界中から注目が集まる中どのように地域の魅力を発信していったらよいのか参考になるかもしれない。
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