KDDIは、2月1日からデータ容量無制限の「auデータMAXプランPro」の料金を、1500円値下げする。
料金は2年契約ありの場合、8980円から7480円へと自動的に下がる格好だ。既存の契約者は、手続きなどをする必要がなく新料金が適用される。あわせて、テザリングや世界データ定額利用時の制限も、20GBから30GBに緩和される。
KDDIは2月1日からauデータMAXプランProの料金を1500円値下げするauデータMAXプランを改定、5G時代を先取り
料金プランの“正価”は7480円だが、条件次第では、ここに割引もつく。1つ目が「家族割プラス」。同居する家族で2回線契約すると500円、3回線以上で1000円の割引が受けられる。
固定回線とのセット割引である「auスマートバリュー」も対象になり、こちらも割引額は1000円。さらに、6カ月限定の「スマホ応援割II」で1000円が割り引かれる。3つの割引を最大まで適用したときの料金は、4480円だ。従来は5980円だったが、料金改定により5000円を下回ることになる。
auデータMAXプランは、7月にスタートした「auデータMAXプラン」を改定したもの。上記のとおり、スマホ単体でのデータ通信に容量制限がないのが特徴で、5G時代を先取りした料金プランとして投入された。その後、10月の電気通信事業法改正を受け、2年契約なしの金額や2年契約ありの場合の違約金を改定。プラン名称を、auデータMAXプランProと改めた。名称は変更されたが、2年契約ありの場合の金額や、各種割引の内容は同じだ。
ドコモ、ソフトバンクに対抗できる水準に
背景には、5Gの商用化を前にした各社の競争が激化していることがある。大容量プランについては、ドコモが1月1日に月30GBまで利用できる「ギガホ」の容量をキャンペーンで改定。終了期間未定のまま、30GBを60GBへと倍増させた。ドコモは、AmazonプライムやDisney DELUXEが1年間無料になる新料金プラン専用のキャンペーンも実施している。
auのauデータMAXプランProは、このギガホやソフトバンクの「ウルトラギガモンスター+」に対抗する料金プランだったが、容量に制限がないゆえに、金額が高めなのがネックだった。割引なしの場合、5分間の音声定額をつけただけで、料金は1万円を超えてしまっていた。ドコモのギガホと比べても、2000円ほど高く、他社と比べてもやや高めの設定になっていた。値下げをしたことで、ここに対抗できる水準になった格好だ。
ドコモが1月1日からギガホの容量を30GBから60GBへと倍増させた来る楽天参入に先手打つ
また、4月には楽天モバイルが本格サービスを開始する。楽天モバイルは、当初の計画より参入が遅れ、昨年10月からはユーザー数を5000名に限定して「無料サポータープログラム」を実施している。約半年遅れでユーザーに料金を課す正式サービスに移行する計画だが、auデータMAXプランProの値下げは、ここに先手を打つ狙いもあったという。
単純な値下げは収益性の低下につながるが、ユーザーが上位プランへ移行すれば、そのぶん1ユーザーからの平均収益を上げることができる。
auの場合、月7GBでTwitterやFacebookなどのSNSサービスがデータ通信にカウントされない「auフラットプラン7プラスN」を用意しているが、この料金は2年契約あり、割引なしの場合で5480円。データ容量が20GBの「auフラットプラン20N」は、6000円だ。こうした料金プランを契約しているユーザーが、auデータMAXプランProに移行すれば、そのぶん収益性は高まることになる。
大容量サービス一般化が前提、競合他社の動きも注視
とは言え、ユーザーが今のデータ容量で十分だと感じてしまうと、上位プランへの移行は進まない。普及にはスマホでの閲覧を前提にした動画などの大容量サービスが、さらに一般化する必要がありそうだ。
鶏が先か卵が先かの議論になってしまうが、KDDIがauデータMAXプランProを用意したのは、こうしたサービスの登場を促す狙いもある。容量無制限の料金で先行したauだが、ドコモやソフトバンクも、5Gでは同様の料金プランを用意する可能性が高い。2社や楽天モバイルが、auにどう対抗してくるのかも注目しておきたいポイントと言える。
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