多くの人でごった返すインドの大都市。そんな中で「Dunzo」(ダンゾー)というインドのスタートアップが、生活に密着したデリバリーサービスを展開して急成長している。
Dunzoはユーザーに代わって、その日の「やることリスト」に従い、食料品を受け取ったり、荷物を送ったり、薬局までひとっ走りしてくれたりするのだ。
▼「Dunzo」プロモーションビデオ
超ローカルな配達サービス「Dunzo」
インド・バンガロールを拠点とするDunzoは、数千人のドライバーが所属しており、稲妻のロゴが付いたヘルメットをかぶった彼らが、ドライクリーニングの回収から、家に忘れたパソコンの充電器をオフィスに届けてくれるなど何でもしてくれる。
「Dunzoがあれば、自らが動くことなく、物事の処理や配達、移動ができます」と同社の創設者で最高経営責任者のKabeer Biswas氏は、CNN Businessに語っている。
どこであっても、何であっても、いつであっても、目の前に街ごと差し出されるようなイメージだそうだ。
出典:youtu.beBiswas氏は2014年にインドのシリコンバレーといわれるバンガロールに越してきた際、新しい街で右往左往していた彼は、猫の手も借りたい思いを実感。Dunzoのアイデアを思いついた。
当初は、スマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリを使い、パーティー用品の買い出しや、車のバッテリー交換などの依頼に、彼自身が手伝いを買って出ていた。
うわさを聞いた人からの依頼は増えるばかりで、同氏はサービスの拡大を決意する。
「Dunzo」にGoogleも投資を惜しまず
3人の共同創業者とともに設立したDunzoは、ニューデリー、グルガオン、ムンバイ、ハイデラバードなど9つのインドの都市で、月に200万件以上の依頼を請け負うまでに成長した。
Dunzoは、仕事内容と移動距離に基づいて料金を決めており、デリバリーの平均コストは1ドル(約110円)にも満たないという。そのためか、昨年度には17億ルピー(約26億円)の損失を出した同社。
しかし、売上の大半は、1万2000社に及ぶ中小企業がDunzoに依頼した仕事の手数料が占めており、一部の都市では「採算が取れているか、もしくは収益性が高い」と同社は述べている。
そんな同社に対して、2年前にGoogleから連絡があった。GoogleはDunzoに対して、インドのスタートアップとしては初めて、1230万ドル(約14億円)の直接投資を行った。
その後もGoogleは前月よりも多くの資金を投入し、Dunzoのバリュエ―ションが2億ドル(約220億円)とされた投資ラウンドでは、4500万ドル(約50億円)で参加したこともある。
「ダンゾーる」といわれたい
Googleが検索サイトの代名詞となったように、「インドのオンデマンドサービスといえばDunzo」といわれるのが目標だ。
「ググる」と同じように、何かチャチャッと用事を済ませたいとき「ダンゾーる」などといわれるようになれば本物だとか。
Biswas氏の野心は尽きることがなく、今後18か月の間に、インドのトップ25社に入ることを目標に、事業を行う都市の数を3倍ほどに拡大したいという。
Dunzo公式サイト:https://www.dunzo.com/
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