「メイトー」ブランドの協同乳業株式会社は12月20日、同社の松本光晴主幹研究員らが、腸内細菌を利用した水素ガス(H2)産生飲料の摂取が「ドライアイの予防」に有効であることを確認。研究成果として、国際眼科学専門誌『The Ocular Surface』に掲載されたと発表した。
慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、川島素子特任講師との共同研究。
うつ病や睡眠障害との関係も指摘される「ドライアイ」
仕事でのパソコンとタブレット端末使用の増加や、スマートフォンの普及など、ビジネスパーソンの「目」をとりまく環境が大きく変化している。
発表によると、それに伴い、ドライアイの潜在的な患者数も急増しているという。
目の疲れがなかなか取れない、常に目に不快感がある、コンタクトで目が乾いて疲れるといった症状を代表とするドライアイは、うつ病や睡眠障害との関わりも報告されているといい、決して軽視してはいけない症状だ。
松本主幹研究員らは、ドライアイの発症・悪化要因である「酸化ストレス」を、生体に悪影響をおよぼす活性酸素種を選択的に還元することで、さまざまな疾病への予防や軽減効果が報告されている水素ガスによって抑制できるのか。
また、その水素ガスの供給源として、腸内細菌叢を利用して安定的に水素ガスを産生する飲食品について研究を進めてきた。
水素ガスで目の表面に涙が留まる力が安定
方法としては、乾燥が進んでドライアイ症状が悪化しやすい11月~12月を選び、パソコン等の画面を長時間見続ける作業を日常的に行っているドライアイ予備軍と判定された健常者に対して、H2産生飲料またはプラセボ摂取(200ミリリットル/日×3週間)による「無作為化二重盲検並行群間比較試験」を実施。
摂取前後の涙液安定性(眼の表面に涙が留まる力)や涙液中の酸化ストレスマーカーなどを測定した。
その結果、涙液中の酸化ストレスが軽減していることが判明し、水素ガスによる抗酸化作用の関与が示唆。涙液安定性が向上し、ドライアイ予防効果が得られたという。
この研究成果は論文「Hydrogen-producing milk to prevent reduction in tear stability in persons using visual displ ay terminals」(日本語訳:水素ガス産生飲料はディスプレイ端末を使用する人の涙液安定性低下を防ぐ)としてまとめられ、このほど国際眼科学専門誌『The Ocular Surface』に掲載された。
ドライアイ患者に対する今後の治療・軽減効果への発展が期待されている。
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