2019年10月、GEヘルスケアがMITテクノロジー・レビュー・インサイツと共同で、アメリカとイギリスの医療従事者900人以上を対象に調査を実施。
人工知能(AI)が医療従事者と患者にもたらす影響を計測した。
結果、医療従事者の約80%が「AIによって燃え尽き症候群が減少」、45%が「患者との診療時間が増加した」と回答したという。
出典:www.technologyreview.comAIの導入が進む医療業界
本来、医師は患者と向き合う時間を十分に確保されるべきだが、実際はデータの入力など事務仕事に時間が取られ、患者のケアに割かれるべき時間の確保が困難という課題があった。
人工知能(AI)は、医療現場における生産性向上など、医療システム全般にメリットをもたらすものと期待されている。
調査結果によると、70%の医療機関がAI導入について納得しており、すでにAIを導入しているか検討中であるという。
次項より「AIが医療従事者と患者にもたらす影響」に関する調査結果の要点を、列挙してまとめる。
AIが医療従事者と患者にもたらす影響
●およそ半数が「AIによって患者の診療にあてる時間が増加できる」と回答。
●すでにAI運用をはじめた医療ビジネス経営者の78%以上が「AIにより、業務や運営管理の合理化と効率化を達成しつつ、ワークフローの改善にも効果を発揮。医療現場を変革する助けになっている」と回答。
効率化だけでなくAIが医療ケア全体を変える
●81%が「AIによって競争力が高まることで、業績が改善する」と予想。
●80%が「AIによってすでに収益が向上したか、今後する」と予測。
●AIを導入した施設は「非導入の同業者に比べ、報告書などに費やす事務作業時間が約66%少ない」と回答。
●医師の45%が「AIによって患者の診療や手術に使う時間を増やすことが可能」と回答。
AI技術をすでに導入した複数の施設が「医師の業務の配分を、事務仕事から患者と向き合う業務へと変えるカギを握るのがAI技術である」と回答している点が注目に値すると調査結果を締めくくっている。
調査結果と調査手法の詳細は、MITテクノロジー・レビュー・インサイツのWebサイトで確認できる。
How artificial intelligence is making health care more human(英語記事)
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