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ある起業家の悲劇からその原因を探る「起業家が知っておくべき資金調達勉強会」開催

さえきそうすけ

2019/12/23(最終更新日:2019/12/23)


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事業計画と資本政策を作成できるツール「FUNDOOR」を運営する株式会社日本クラウドキャピタルはこのほど、11月28日に東京・五反田で開いた資金調達の勉強会「起業家が知っておくべき資金調達勉強会 vol.1」の内容を公開した。

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起業家Sさんの悲劇

同勉強会は「資金調達での失敗をなくそう」という趣旨で開催された。

ファイナンスの初心者にもわかりやすいスライドを多用し、ワークもあり、ファイナンスの知識を身につけつつ、事業計画や資本政策を「自分ごと化」して学ぶことができたという。

投資家からの資金調達までとりつけた起業家Sさんの例をあげつつ、この起業家が見舞われた悲劇の根本的な原因を探った。

Sさんは投資家から送られてきた投資契約書に、内容がわからないままサインした。

その後、事業拡大のためにM&Aに踏み切ろうとするも、その投資家の承認が得られず、大企業とのM&Aは破談となり、ほどなくして会社も幕を下ろすことになった。

社長でもない投資家が「NO」といえたのは、持ち分比率が70%あるからで、投資契約書にはそのことが明記されていたが、起業して日が浅かったSさんは、知識がないままに同意してしまったのだ。

交渉は投資家に有利

Sさんの悲劇の根本原因は、起業家と投資家の「情報の非対称性」にあるという。

起業家にとって資金調達はほぼ初めての経験であるのに対し、投資家はVCともなれば何十回も投資をしているので多くの知見がある。

行動に伴う結末を多くの事例で経験しているので、交渉は投資家が有利になる。

そんなとき起業家はどうすべきなのか、多くの失敗事例を検証し、勉強会では資金調達の失敗を避ける「起業家脳」のトレーニングを行った。

資金調達の初心者向けに実例と事業計画を解説

1.初心者向けファイナンスの基礎知識解説

はじめに「忙しい人のためのベンチャーファイナンス 最低限の基礎説明」と題し、お金を使う側(投資)とお金を調達する側(資金調達)の2つの視点からフィナンスについて講義を行った。

投資側の視点からは、企業価値についておさらいをし、企業価値の評価法を大きく4つに分けて説明。

資金調達の側からは、お金は負債による調達か、資本による調達の2つしかないことを説明し、ベンチャーファイナンスの基礎を押さえておくことで、起業家として資金調達のスタートラインに立つことができると説いた。

2.実際の資金調達例を見る

資金調達の実例を紹介した。

まず、新規性のあるビジネスを行っていること、創業のタイミングであり信頼性がないこと、希薄化をできる限り抑制すること、以上3点を考えるべきポイントに置き、望ましい創業期の調達の流れについて論じた。

次に、その先の事業運営にできるだけ支障をきたさない企業評価となる、望ましいバリュエーションについて講義。ポイントは割安Valuationにも割高Valuationにもならないよう気を付けるべきだという。

3.今後役立つ事業計画と資本政策の考え方

以上の事例から、事業計画をしっかりと立てることが大切だ。

事業計画の作成は、各科目を適切に因数分解し、分解式を関数に組み込み、財務三表を作成するのだが、会計士でも3日以上かかるエネルギーの要る作業となる。このうち、作業部分を楽にしようと考えたのがFUNDOORだという。

事業計画の活用方法は、経営方針の明確化と社内への浸透、目標管理の導入、企業価値評価の3つとなる。

ベンチャー企業の資金調達のコンセプトは、事業に沿って、必要な資金を、必要な分だけ、適切な者から調達すること。資金調達においては、増資と借入のバランスをとり、事業計画と資本政策を連携させていくことが重要である。

この日、講師を務めたのは同社の住永匠氏。

公認会計士である住永氏は、監査法人において監査業務に従事した経験を持つ、FUNDOORの開発とFUNDOORを使用した資金調達支援をしている人物だ。

同社において資金調達予定の企業へのDD業務(Due Diligence:投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産、金融商品などの資産の調査活動)を行い、資金調達の実行支援等を多数経験してきた。

勉強会当日の詳細は、出席者からの質問などを含め専用サイトで公開されている。


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